08/05/15

まったくシュレってやつは……

ようやく雨が上がって気温も上がってきた。
少し早いけれど、シュレの卵から白いオタマが何匹か出てきた。しかし、待ちかまえていたマツモムシの餌食になってしまう。
ああ~、自然は厳しい。マツモムシは呼んだわけじゃないし、この池を作ってすぐに飛んできたやつ(だからマツモ池と命名した)。まあ、文句は言えない。

無念だねえ……せっかくここまできたのにゲームオーバー。
生存競争とはかくも厳しく、残酷なものなのね。
ようやく晴れたので蒲団干し。ついでに観察組のオタマも紫外線を当てたほうがいいかなと思って、ちょこっと日干しに。

最初に孵ったシュレのオタマはかなりオタマらしくなっている↓
それにしても、シュレーゲルアオガエルというカエルは、なんてまあ、面倒くさいというか、効率の悪い産卵方法を選んだのだろう。
1)親は田圃の縁などに横穴を掘ってそこにメレンゲ状の卵を産む。
2)1週間から10日ほどで卵塊の中の卵はオタマになり、雨で増水したときに水のたまっている田圃の中に流れ出す……
というのが基本コースらしいのだが、そんなにうまい具合に事が進むとは思えない。
田植え前の田圃に卵を産んだとしても、トラクターで代掻きされたときに粉砕されてしまうだろう。水を張った後でも、田植え前にもう一度トラクターが入るし、田植えも最近は田植機だから、やっぱり粉砕される。
縁の穴に産み付けられて、トラクターの粉砕を避けたとしても、その後、雨が降らなかったら干からびて全滅。雨が降っても、うまく水の中に流れ出せるとは限らない。卵が溶けてしまうのが早ければ、やっぱり動けないまま干からびるなり流されるなりしてしまう。
最初から水中に卵を産む他のカエルのようにすればいいものを……。
思うに、モリアオガエルとシュレーゲルアオガエルは、かつては同じ種だったものが、ある時期に「生き方」の違いで別の種になったんじゃないだろうか。
あまりに効率・確率の悪い産卵方法に嫌気がさしたグループが、木の枝に上ってそこに卵を産み付けるという力業を考え出した。そのために、身体も大きくなり、卵の泡も、より強くなって乾燥に耐えるようになった。
あるいは、モリアオガエルの中の一部軟弱グループが、人間が水耕農作を始めるのを見て、あ、この田圃の縁に産んじゃえば楽じゃん、と、木から下りてきた。
どっちにしても、モリアオよりシュレのほうが生き方が軟弱というかいい加減というか人任せ。
そのへんはタヌキに似ている。山から里に下りてきて、人間の作ったものを失敬したほうが楽だと考えるタヌキ。
シュレはカエルの中ではタヌキ的存在なのかもしれない。
性格ものんびりしている。草の上にぼ~っととまっていることが多いから、警戒心の強いモリアオに比べれば見る機会は多いけれど、そのうち、田圃がどんどん機械化されていくと、モリアオより絶滅が早まるかもしれない。


本日のオマケ

ハルリンドウ? フデリンドウ?
今年もベランダの下に生えてきたハルリンドウ( or フデリンドウ?)↑ (岩淵さん、同定協力ありがとうございました。これはどっちでしょうね。見分けが難しいらしいので……)

アマガエル↑

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