09/04/04

「飛翔体」よりタチが悪いもの

上京するかみさんを小野まで送りに行く。出かける前、政府が恥ずかしい誤報を出していた。
送って帰る途中、先日、日没でよく分からなかった小白井の建設現場を再び訪ねてみた。

「精九朗壇とブナ」というのは、⇒ここに解説がある。
以前、万太郎林道を何度か抜けたときに寄ったことがある。その場所がまさに巨大風車建設のまっただ中らしい。

今日は時間帯が早かったので、工事関係者の車両があちこちに停まっていた


これは阿武隈高原牧場の北端あたり


地ならしが進んでいる現場


ブルの向こうに見えているのも、先日見た建設予定地



本体はまだだが、こんな資材が運び込まれている


以前はクルマ1台がぎりぎり通れる林道だったのだが……


かなりむりやりな土留め

滝根・小白井ウィンドファーム計画でいちばん問題になるのは低周波による健康被害だろう。1km圏内に人家がいくつもある。
小白井小中学校までも2kmはない。モリアオガエルの繁殖地として国の特別天然記念物指定を受けている平伏沼もすぐ隣にあり、ここも2kmと離れていない。

滝根・小白井ウィンドファーム建設地となっている阿武隈牧場と金山牧場。小白井分校と平伏沼の位置
豊橋市では、1500kwの風車1基が建てられただけで、3km離れている家に住む人が不眠症状を訴えている。ここに建設が予定されているのは2000kwが23基だから、エネルギーは比較にならないほど大きい。低周波被害の影響は半径3km以上にわたるだろう。
小白井小中学校の子供たちが授業中に気分が悪くなったりすることが多くなり、その頃、ようやく「何か変だ」と気づくのだろうか。
あるいは、毎年、モリアオガエルの卵を数えているヤス爺が、突然、卵が激減して「なぜだ?」と気づくのだろうか。
小白井小中学校は風車を誘致した田村市ではなく、隣のいわき市の学校だ。平伏沼は川内村にある。
風車に一番近い人家も、多くはいわき市に入っている。
まったくとんでもない話だ。

……で、周辺の人たちが、なんだか毎日すっきりしない気分だと感じ始め、動物の気配もなくなったと気づいたときは、巨大風車建設は終わり、動き始めている。簡単には止められないだろう。
これだけ邪悪なものを「観光資源になる」などと脳天気なことを言って誘致した田村市は、そのときどうやって責任を取るつもりなのか。
多くの健康被害を出し、「巨大風車を諸手を挙げて招き入れたダメ自治体」として全国に知られ、17年後には耐用年数を過ぎた巨大風車を撤去できず、ゴミとして山頂に放置する。そのときまでには身体を壊し、土地を離れる人も相次いでいるだろう。
まったく、取り返しのつかないことをしてくれた。




山に風車を建ててはいけない
マリアの父親 第四回小説すばる新人賞受賞作

マリアの父親

(1992.01/集英社)……  「あまりにも早すぎた、地球への恋愛小説」と評された、たくき よしみつの小説。第四回「小説すばる新人賞」受賞作。
ミステリアスな美女・マリアと、彼女と行動を共にする天才・デンチ。二人と偶然知り合った主人公は、「地球の真相」を知る旅に出る……。
「久しぶりに志のある作品に出会った」と、選考委員の五木寛之氏も賞賛。

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