09/06/26

生き延びたカエル、脱落したカエル

入梅になっても、まだ雨量が足りない。それに加えて、この数日は強い日差しで気温が上がり、田圃ではあちこち水が不足して、オタマもだいぶ佃煮になってしまったようだ。

ここは完全に水が抜けてしまっている状態


浅くなった水はぐんぐん水温が上がり、変態直後のカエルが大量死……


上はオタマのまま、下は変態後に死んでしまったカエル


死んだアカガエルを食べるアマガエルのオタマ
目が離れているからアマガエルだと分かる



田圃の中でも水温が違うので、大量死は特定の場所で起きる。
指を入れてみると、ぬるいお茶くらいの水温。そんな場所でも、大きくなったオタマは頑張って生きていて、死んだ兄弟たちを食べて生き延びている。
オタマジャクシはえら呼吸、カエルは肺呼吸。その変わり目にあたる時期がいちばん体力が弱るのだろう。死んでいるカエルはすべて、まだ尻尾がついたままの状態。オタマと、尻尾が完全に取れたカエルはその周りで生きている。
卵からオタマになるときに第一のピンチがあり、変態のときに第二の試練が待っている。それを切り抜けてカエルになれる確率は本当に低い。
畦道をひとつ挟んだ、隣の田圃の縁では、死体はなくて、たくさんのヤマアカガエルの子供が飛び跳ねている。その中にニホンアマガエルも少し混じっている。

無事に変態できたアカガエルたち


上に写っている子はまだ尻尾が残っている


↑10匹は写っているのだが、分かるかなあ……


過酷な生存競争を生き抜いたヤマアカガエルの子
卵の数からすると、1/1000くらいがカエルになれるのだろうか。卵塊ごと、全滅するのがいっぱいあるから、もっと低い確率かもしれない。
アカガエルはいちばん泥臭く生き延びる。水中に直接卵を産むので、水さえ抜けなければなんとかなる。ただ、オタマの時期が長いので、その間、トラクターに粉砕されたりして死ぬのもいっぱい出てくる。
うちの池では、マツモムシ、イモリ、ヤゴに食われるのがいちばんの試練だが、田圃ではもっと人為的な要素で運命が変わる。
とにかく、大変なのね、生き延びるのは。
ここ数年見てきて分かったのは、ニホンアマガエル、ヤマアカガエル、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガエルあたりは、過酷な環境をなんとか乗り越えて、毎年、いっぱい卵を産んでいる。
モリアオガエルは、一度消えてしまった場所にはまず戻ってこない。
タゴガエル、カジカガエルも生息場所が非常に限られている。
ツチガエルは絶滅寸前かもしれない。
今年はヒキガエルも、まだ一匹も目にしていない。


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