09/12/30

新年の準備


小野町のダイユー8で、正月のお飾りを買ってきた。2年、喪中が続いたので、お飾りは久しぶり。中国製で980円だった。どうせなら地元のおばちゃんたちが作った渋い松飾りを、とも思ったけれど、キャラクター商品に弱いのよね。
「大晦日に飾るのは縁起が悪い」のだそうで、本日中につけなさいと言われて、ここにつけてみた。

もぐろふくぞう……だっけ。謎のセールスマンに似ている


ストロボを使って撮ると……やっぱり味気ないね


もうすぐ満月ね


年明け早々、2月にラジオCMで放送する曲を録音しているところなのだけど、寒くて作業がなかなかはかどらない冬の6坪スタジオ。


見えているキーボードとギターは今年購入したもの。どちらも中古。
ギターはぽやぽ屋で7000円の値段をつけて売られていたのを、少し倉庫の不要品を持ち込んで2000円おまけしてもらい、5000円で購入。中国製で、ピックアップはついていてもプリアンプがついていない(要するにピエゾの出力を生で出しているだけ)という安物。ピエゾの生出力はむしろ好ましいことで、安いプリアンプを挟まれるよりずっといい。外部のまともなエフェクターで加工してあげたほうがよほど音質はいいからだ。
しかしこのギター、新品で買っても1万5000円くらいじゃないのかなあ。7000円は高すぎだけど、これはどうも、マサイさんが店にいつでも弾けるギターを1本置いておきたくて、売れないようにわざと高い値段をつけていたらしい。
鉄弦の生ギターを弾くというのは、今後、自分の演奏ではまずないだろうと思って、持っていたギターはすべて人にあげてしまった。録音のお仕事で使うことが出てくるというのを想定していなかった。というか、そのとき用には、ピックアップで録れるやつを新しく買えばいいやと思ったのよね。安物を。ギタリストからは袋だたきに遭いそうな暴言……。
それで、アリアの骨だけギターの鉄弦バージョン(ナイロン弦のは普段練習に使っている。なかなかいい)を買ったのだが、これが音がどうにも貧相で、さすがにこれはまずいなあと思っていたのである。アコースティックギターから空気感がなくなったら、ミイラを抱いているようなもんだからねえ。骨だけギターは練習だけですね。特に鉄弦のはだめ。ナイロン弦のやつは、割り切ってエフェクターかませたりすればそれなりにステージでも使えると思うが……。
で、この中国製の、いかにも怪しいギターは、安物としてはまあまあよくできていて、工夫次第では十分録音に使える。ジャカジャカコード弾きしてリズムを強化するという使い方ならほとんど問題ないんじゃないかしら。アルペジオで部分的に雰囲気を出すという役割でも、なんとかギリギリ聞けると思う。軟弱者の私としては、不思議と弦圧が低く、弾きやすいのも助かる。

キーボードは今までカシオのお子様向き商品を使っていたのだが、さすがにちょっとなあ……と思って、まともなのを買った。中古で5万円。まだ機能のごくごく一部しか使えていない。マニュアルついてなかったから、PDFでダウンロードし、必要なところだけ印刷して、都度読むのだが、こういうのはとっても苦手。
その気になれば万能だと思う。多分、一生これだけで済むかな。その後、エスニック音源のボードもヤフオクで購入。音をちょろっと聴いただけで、まだ使ってない。
まあ、今後、キーボードにこれ以上のものを求めることはないだろうなあ。もともとキーボーディストじゃないから。なにせ、最近は「マウスで弾く」人なんだよね、私は。
ソフト音源より、こういうハード音源でどんどん音声トラックを作っていくというほうが分かりやすい。
NativeInstruments(NI)が、大晦日まで期間限定で29ドルディスカウントチケットを発行していたので、JAY BASSというベース音源を買った。89ドルの29ドル引きで60ドル。5400円くらいか。
この前に、Fender Precisionベースの音源・PRE BASSというのを買ったのだが、そこそこよかった。ベース音源だけで2GB以上あるんだから、どういう時代になったんだと呆れてしまう。サンプリング音源の世界は異常なレベルに突入している。
ベーシストやドラマーは、本当に失業だよなあ。昔は、CM音楽を録音するのにも、1時間2万、3万するスタジオに、ミュージシャンを呼んで、2インチ幅のオープンリールでマルチトラック録音したものだ。この2インチ幅のテープが1本3万円する。それで15分くらいしか録音できない。とにかくバカみたいにお金がかかった。
それが今は、リズムセクションを人間が演奏していることはほとんどない。聴いても、音源を使っているのか人間が演奏しているのか聞き分けられない。ベースなら、5000円かそこいらのベース音源を買うだけで、スライドもスラップもハンマリングも別々の音でサンプリングしてある。同じ音程でも、強く引いたときと弱く弾いたときは、ボリューム変化ではなく、別のサンプリング音源に切り替わる。果ては、弦がピックアップにぶつかるノイズまでサンプリングして、ランダムに混ぜて再生するなんてこともソフト側が勝手にやってしまう。かつては、こういうノイズがわずかに聞こえるかどうかが、本当に弾いているのか打ち込みなのかの根拠になっていたのだが、今はそういうノイズが入っていても、わざとノイズを混ぜているんじゃないかと疑うことになる。ここまでくるともう、馬鹿馬鹿しいというかなんというか。
……と言いつつ、そこそこ凝って、そうしたノイズを混ぜたり、余計なスライド奏法を入れ込んでみたりする自分の中途半端なオタクっぷりが悲しい。

ミキサーはYAMAHAのn12という、Cubase専用のもの。コンピュータのサウンドインターフェイスを兼ねている。
タヌパックのミキサー卓は、英国サウンドトラック社のPC MIDI24という鉄のかたまりみたいな卓を使っていたときがいちばん高価で、音もよかった。デジタル録音の時代になってYAMAHAのO2Rに買い換え(200万円のPC MIDI24は、売るときは2万円だった)、O2Rも売り払って、いよいよ完全なコンピュータ録音に切り替えた。便利になるのと引き替えに、音はどんどん悪くなっていく。これは録音現場にいる人が異口同音に認めていること。
コンピュータの録音システムは、複数チャンネルのIN/OUTをどうするかで悩まされる。コンピュータ側からマルチチャンネルで出力してくれる外部インターフェイスがあまりないのだ。
探していてようやく見つけたのがこのn12だった。最初からこれを買っていれば、Cubaseも買う必要がなかったのに(必要十分なやつが付属しているので)、バカみたいだった。

いずれにしても、いろんなものを100%使いこなすのは一生かかっても無理だろう。

09/12/31

いよいよ大晦日。天気が下り坂という予報なので、ジョンのお散歩を早めにしたのだが、帰ってきたらもうこんな感じ。でも、ニュースでは、日本海側はとんでもないことになっているようで、ここはむしろ日本の中でも珍しく荒天から免れているエリアかもしれない。
午前中、昨日の夜までに仕上げていた『リグレット』という曲のミックスダウン。その前に、ギターがあまりにもへたくそなので録り直した。雰囲気だけ出ていればいいというリズムギターなんだけど、そういうのがいちばん難しいかもしれない。ズンチャカチャッチャというダサダサのリズムできっちり弾くのは、アマチュアにはなかなかできないものなのだ。
それもサクッと入れ替えて、午前中でミックスダウン終了。

昨日飾った獅子舞お飾りも、後で見たらうっすら雪が貼り付いていた




スタジオの電源を落とし、あとは母屋で今年最後の日記でも書くか……と、今、こうして書いているわけであります。
今年の阿武隈日記は、全215ページ。掲載した写真は約2400枚。写真の総容量は約240MB。
去年、借りていた500MBのサーバーが足りなくなって、GBサイズのサーバーに引っ越ししたばかりだけれど、この調子では来年いっぱいでまた足りなくなるかもしれないなあ。

本当は、日記を書く暇もないくらい仕事に追われるようでないと困るのだが……。

アクセス解析を見ると、大体、1日に400人くらい訪れていただいているようです。
常連の皆様、来年もまたよろしくおつきあいください。どうぞよいお年を!

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