10/01/19

南伊豆風車(被害)紀行(3)〜承前


石廊崎の先端を回って、中木という集落に向かってみました。
途中の海岸沿いの道(県道16号)では、海からの風の強さをよく示す、こんな風景に出くわします。
シュロの木?が、全部山側に曲がっていますねえ。この風を受けて風車が回るとき、住民の苦しみも上昇するわけです。


奥石廊崎から見た風車群


自然の宝庫 という文句が悲しい
南伊豆町はかけがえのない宝物を
自らの手で簡単に壊してしまった


三坂漁港からの風景

この風景はやはり狂っているとしか思えません。
壊れた風車を修理に来たドイツの技師が、日本での風車の建て方を見て唖然としていたという話を思い出しました。ヨーロッパでは、こんな場所(住居が近隣にある山間の地)に風車を建てるなんて、絶対にありえないことだと。
要するに、とんでもない勘違いをしているのですね。
かつて、台所用の液体合成洗剤が発売されたとき、それでせっせと野菜や果物を洗っている家がいっぱいありました。今ではそんな恐ろしいことをする家はないでしょうが、ベトナムなどでは今も日本から輸出された合成洗剤で野菜を洗っている光景が普通に見られると聞いたことがあります。
山間部に建てられる風車は、それに似ていますね。よきことと信じて、とんでもない勘違いをやらかしている。
近い将来、「バカみたいだったねえ、あれは」という話になっているのでしょうが、それまでに破壊される自然や、苦しみを押しつけられる人々のことを思えば、とても笑い話ではすまされません。
あまりのばからしさに、どっと疲れが出てきました。
疲れすぎて事故を起こさないうちに……と、下田で釜揚げうどんを食べて休憩を取ったのち、帰路につきました。
今回の訪問で分かったこと、印象に残ったことをまとめておきます。

南伊豆町の風車群は、まだ試験運転段階です。これが本格稼働したら、東伊豆町や田原市などの被害同様、あるいはそれ以上のひどい状況が出現することでしょう。
すでにこれだけ被害が出ている以上、住民の安全を守るには、住民を完全移転させるか風車を止めるしかないわけで、事業として成立しえないことも明白です。
事業者はお金を持っているでしょうから、ここがビジネスとして成立しなくても大丈夫なのかもしれませんが、町の行政は、とんでもない問題を今後ずっと抱えていくわけです。観光地としても致命的なダメージをすでに受けてしまいました。これから一体、どうするつもりなのでしょう。

同じ道を、阿武隈も歩むのだろうかと思うと、どっと疲れが襲ってきました。
田村市といわき市にまたがる滝根小白井ウィンドファームは、ほぼ完成に近づいています。
南伊豆町と同じ、2000kw風車ですが、基数はさらに多い23基です。
檜山高原も2000kwが14基。
これらはもう止められません。もうすぐ完成し、稼働します。
南伊豆町と同じ風景、同じ苦しみが、我が家の周りで始まるのです。

のどかな天候なのに、なんとも気分の重い伊豆紀行となりました。


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