10/06/24

リハビリ

前回の日記掲載後、何人ものかたからお悔やみメールをいただいた。
(ありがとうございます <(_ _)> )

ゴロもみなさんから惜しまれて見送られ、幸せなウサギだなあと思う。

ゴロが死んだ夜からしばらくは、さすがになんにもする気が起きなくて、阿武隈日記も止まっていた。
タヌが死んだときは、涙が止まらず、そのままひどい風邪をひいて1週間くらい寝込んでしまったのだった。
今回はそういう事態だけは避けようと、意識して気を張った。
追悼ページを作ったのも、ここから出発しなければ……という思いからだった。

それにしても、ゴロがいなくなった生活は違和感だらけで、まだ慣れない。
部屋を移動するとき、電気のスイッチを切るときなど、自然と目でゴロの姿を探してしまう。
で、……あ……そうか、死んだんだった……と。

ゴロが死んでも、野良猫たちはなんにも知らずに通ってくるし、ジョンはでへっとしている。ま、接点なかったからね。

↑ジョンも続いて死んでしまったわけではない。だらっとしているだけ


歯は健康かな? 歯は大切だよ、ジョン


ゴロは口をあけることも難しかったんだよ。ウサギはおちょぼ口だから


おまえは丈夫だねえ

10/06/25

Oさんちのモリアオ

モリアオの卵はそろそろ時期的に終わり。急に気温が上がったので、カエルも調子が狂っていることだろう。
ゴロが死んでからは、卵パトロールに行く元気が出ない。

何も分かっていないジョンを連れてお散歩に。
田圃の畦を歩いていると、早くも変態したアマガエルがかたまっている場所があった。

よくここまで生き延びたねえ

で、県道を歩いていると、軽トラックが追い越していき、止まった。
Sさんちの前で止まったので、Sさんちに用がある人だろうと思ったら、違った。
「こんちは! あんたがカエルの研究をしているという人かね」
と、丸顔のおじさんが降りてきた。僕が目当てだったらしい。
ひとんちの犬を連れて毎日歩いている変なおっさん、として、すでに僕はこのへんでは有名らしい。
最近、その「変な人」に「カエルの研究をしている」という情報が加わったのだろう。
多分、初めて会う人だが、県道に軽トラを止めたまま、しばし立ち話。
モリアオガエルの話に及ぶと、「うちの池にも2年前から産んでいる」という。
「うちってどこです?」
「そこだよ」
「このへんにはモリアオはいないという話なんですが、ほんとに産んでいるんですか?」
「産んでるよ。平伏沼から移動してきたのかね」

それは見なくては、ということで、ジョンと一緒に軽トラの荷台に乗った。
案内された場所は、お散歩コースの中で、知っている場所だった。しかし、ひとんちなので奥まで入ったことはなかった。へえ、こんな場所に? という、盲点のような場所だ。
今日は地主自らの案内だから、なんの心配もない。

その池は、隠れ沼と同じくらいの広さで、周囲は鬱蒼と木々が囲んでいる。これだけ水が溜まっていれば、モリアオだけでなく、他のカエルたちにとっても安住の池になりえるだろう。

熊池、と名づけよう(ひとんちの池も、勝手に名前をつける)。

熊池の前に座って解説するOさん


今年は十数個の卵が確認された。すでに何個かは溶けて落ちていた


これはいい感じに産みつけられた卵。タイミングよく雨が降ればうまく池に落ちるだろう

ここの卵も、何個かは危ない産み方をしていて、真下に水がなかったり、雨が降る前にカラカラに硬くなっていたりしていた。
確実に下に水がないところの卵をひとつ救出。
手にとると、すでに黒々と育ったオタマが見えている。これは急いで持ち帰らないと。

うちに持ち帰り、水の上に置いた途端にこれだけのオタマがわわ~っと出てきた


中はもうじゅわ~っと溶けている状態


溶けて落ちていても水がなくてダメだし、溶けなければ干からびてダメだし、どっちみち危なかった卵


このままだと地面の上に落ちて全滅だった。危ない危ない


この後、池に放流

翌日、Oさんが「こんちは~」と遊びに来た。
しばし話を聞く。
一人暮らしの73歳だという。神奈川の農協に勤めていたが、歳をとってからは町には住みたくないと思って、家族を捨ててまでこの村にやってきたそうだ。
熊池のモリアオは2年前に初めて卵を見つけて、去年、今年と数が増えているという。ここにも「モリアオガエル同棲計画」実行中の人がいて、心強い限りだ。
Oさんが地元の老人たちに聞いた話では、このへんでも明治時代くらいまではモリアオガエルが普通にいたらしいのだが、あっという間にいなくなり、平伏沼まで行かないと見られなくなってしまったのだそうだ。
しかし、その平伏沼周辺も棲みづらくなってきたのか、またじわじわと山を下りて、ここまでたどり着いたのではないかという。
もう少し池や沼が点在していれば、モリアオガエルやツチガエルが生き延びられるのだがなあ。
まあ、うちも頑張ろう。今年はダメだったけれど、来年こそは池の上にぶら下がったモリアオの卵を見られると思う。



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