10/09/15

 2010年度池改修計画


現在の山葵池
風邪もほぼ治ったので、カエルが冬眠しないうちに池改修計画に着手することにした。冬眠すると、土を掘っているときに寝ているカエルをスコップでグサッとやってしまいそうで怖いから。
やったことはないけどね。

今年は山葵池以外は全部極度の不調で、沢から水を引いたりしてもオタマがうまく成長してくれなかった。なぜだ?
どの池も一昨年、去年はそれなりにうまくいっていたのに。
特に雨池と土手池は全滅に近い悲惨さだった。見た目はきれいな水なのに、なぜだろう。
毒でも入っているのでは? と思うほどダメダメだった。
土手池を造った直後の一昨年などは、いちばん優秀だったのに。

水質以外の原因は考えられないのだが、今年は沢から水も引いたし、酸素不足ということも考えられない。自然は本当に奥が深いというか難しいというか。

活け造り、じゃなくて池造りについて、去年くらいまではネットで調べようとしても大した情報は出てこなかったのだが、今年は新たにいくつか情報を得られた。
「ベントナイト」をキーワードに検索していくと、ベントナイトそのものや、ベントナイトシートという製品を使ってビオトープを作る方法がいくつかヒットした。
ベントナイトシートというのは、ポリシート(遮水性)の裏側にベントナイト粒子を貼り付けたもので、ベントナイトを塗った面は下側(土の側)にして敷くらしい。遮水はポリシート部分で完全に行われるのだが、ポリシートに小さな穴が空いて水が漏れ始めたとき、ベントナイトが水に反応して穴を塞ぐというもの。
このシートの場合、ベントナイトはあくまでもポリシートに穴が空いたときの処置のためで、ベントナイトが水質をどうこうするわけではない。
ただ、その上に30cmほど土を盛るとなっている。
遮水は完全にするものの、遮水面の上に30cmの土を入れることで、溜まった水は絶えず土に接している。これがミソのようだ。
ベントナイトの粉末そのものを敷き込んでビオトープ造りに挑戦している人のサイトも見つけた。ミルフィーユのように、土とベントナイトの層をいくつも作って水漏れ速度を遅らせるという発想らしい。これは完全な遮水を行っていないので、少しずつでも水が補給されないといつかは涸れてしまう。
いずれにせよ、水の底に30cmの泥の層がある、というのが重要なのでは……と、遅ればせながら考えた次第だ。
以前から、水を土と完全に分離してしまうと、水が呼吸できなくなり?、水質が悪化するのではないかとは思っていた。しかし、遮水しないとあっという間に水は抜けてしまうので、遮水しないわけにはいかない。
山葵池は遮水していない。絶えず沢から水が流れ込むようになっている。しかし、そのために水温が上がらず、オタマの成長が他の池に比べると極端に遅れるという欠点があった。そのため、去年までは山葵池よりもマツモ池や雨池、土手池のほうがカエルになる確率が高かった。山葵池のオタマは秋になってもオタマのままでやきもきさせられたものだ。
今年、雨池などが不調だったのは水底に溜まった泥や落ち葉が腐って毒素を出しているからではないかと考え、雨池は一度水を全部入れ替えて、底の泥をさらってみたりもしたのだが、やはりオタマはうまく育たなかった。
となると、逆だったのかもしれない。水底には必ず泥の層がかなり分厚く存在していなければいけないのではないだろうか?
ということで、来年のオタマシーズンまでに、マツモ池、雨池、土手池を大改造することに決めていた。
改造することは決めていたのだが、どうやるかでずっと悩んでいた。
マツモ池などは今まで順調だったのに、今年はなぜダメだったのだろうか? それが分からない。
泥の層を作ったとして、その下が完全遮水されていれば、土の層は呼吸ができないのでは? とも思った。
しかし、好気性バクテリアが足りないことが原因だとすれば、土の層の30cm以下は空気がほとんどないから、もともと関係ないのかもしれない。
越後時代、土壌浄化層を作って便所を水洗化していたが、あれも、地表から30cmのところに遮水シートを敷いて、それより下に汚水が染みこまないようにしていた。汚物を分解するバクテリアは地下30cmまでしか生きていないから、という理由だった。
水底の泥の層は、もっと酸素がないから、30cm以下で遮水しても関係ないのかもしれない。

まあ、やってみるしかない。まずは土手池から。これがいちばん実験しやすいから。



現在は↑こうなっている

これを↓こうしてみようと思う
丸い部分はビニールプールの空気層。その下にビニールだけの部分があるが、これがたわみやすく、水を入れることで立てている仕組み。この部分に最初から土を入れてしまえば、もう少し側面が立ちあがって深さが取れるように思う。

最初はプールを完全に掘りだしてから土を掘り下げようと思ったのだが、大変なのと、側面のビニールを引っ張り上げながら土を入れればいいのではないかと思い、掘り下げはやめた。
しかし、まず水を抜かなければならない。
これが死ぬほど大変だった。

現在の土手池↑ 大きなビニールプールの周囲に土を盛っただけの池


改造するために、先日、右側の空き地部分の草刈りを済ませておいた


この位置に排水口があるはずなので、枠組みを壊して土を掘る


ところが、掘っても掘っても排水口が見つからない。三段腹に埋もれた臍みたいに、めり込んでしまっているのだろうか? それとも場所が違うのか? 諦めて、ホースでサイホン式に水を出してみたが、これだと何時間かかるか分からない。さらに泥だらけになりながら排水口を探す……。

あった! ちょっと左側にずれていて、やはりたわんだ側面の下にめり込んで隠れていた。

ようやく排水口発見。白いキャップのところがそう↑


何事かと、アカガエルがびっくりしていた


ジョンのお散歩を一回りしてきても、まだ水は抜けきっていなかった。相当な量が入っているのだね。
ようやくこれだけになった。抜けていた空気も補充し、へたっている側面を引っ張り上げながら、プールの元の形を再現しようとどろんこになって悪戦苦闘。
あとは明後日以降だな。明日は雨が降るらしいし。
土手池の中には、アカガエル数匹とアカハライモリが何匹かいたが、オタマは見あたらなかった。ヤゴも全部トンボになったのだろうか。それとも水が悪くて死んでしまったのだろうか。
30cmの泥の層を作った新生土手池ができれば、生物層は豊かになるかしら……。
結果が分かるのは来年の5月くらいだなあ。9か月先をめざして、しばらく泥だらけになりながら作業が続く……予定。




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