2011/04/12

久々の刺身定食

久しぶりに「さだくら」に刺身定食を食いに行く。
途中、小学校の校庭は桜が満開。

今日も水槽にはアワビがはりついていた

口数の極端に少ない大将に、「魚は入ってきてますか?」と訊くと、
「入ってきてますよ。値段は高くなったけど」
との返事。
「じゃあ、刺身定食頼むと悪いかなあ」
そこに奥さんがおしぼりとお茶を運んできて「とんでもないです。どうぞどうぞ」
大将は無言で苦笑。
「そもそもランチは赤字でしょう?」
「はい。ランチは赤字です。でも、うちとしては新鮮な魚を回したいので……」
「腐らせるくらいならランチで回転をよくしておくと」
「そういうことです」

なんか、ますます頼みにくくなったけれど、やっぱり「いつもの」と言ってしまった。
今日の刺身定食は貝類が多かった。

本日の刺身定食


いつもながら、これで1000円(税込)は嬉しい


帰り道、テラスハイツの屋根越しに、うちの櫻のてっぺんが少し見えていた。
20年前、苗木を植えたのが大きくなって、近所から苦情が出るので何度も枝を切ったのだが、またそろそろ枝を切らないとダメかなあ。

あたりは桜が満開


例年よりだいぶ遅い


でも今年はなんか晴れやかな気分で花見ができない


岐阜営業所から届けられたイチゴ


せっせとビタミン補給


しかし、この余震の多さはたまらんなあ。
ウイ~ンウイ~ンというあの音にもすっかり慣れてしまったが、震度6とかって、余震とは言わないよなあ、普通は。

2011/04/13

故郷を売り飛ばす奴ら

朝日新聞のWEBRONZAから「そろそろまた続編を」と言われて、第3弾を書く。⇒こちら

今回、いちばん言いたかったことは、なぜ福島県が国よりも先に20km圏完全シャットアウトや30km圏+「計画的避難区域」(なんじゃそれ)+「緊急時避難準備区域」のすべての作付けを不可能とするようなことを言い出すのかということ。
違和感を超えて、裏に何があるのかと考えていたが、昨夜、寝ているときにはっと気がついた。
そうか、「補償交渉」を有利に進めるため、少しでも広く「汚染地域」を確定させておきたいのか……と。
今日、県職員や県内各自治体商工会の幹部などが何を言っているのかという情報が入ってきて、この疑念ははっきりした。まさかそんなことは……と思っていたが、そうだったのだ。
首相が、福島第1原発から半径30キロ圏内などの地域について「そこには当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか、ということになってくる」との認識を示した、というニュースが流れた。
松本健一内閣官房参与が漏らしたものだが、この松本という人物もどうにも食えない。
「福島県の内陸部に5万~10万人規模の環境に配慮したエコタウンをつくる」などと言っているそうだが、原発震災にかこつけて、またぞろ新エネルギーだのなんだので一儲けしたい企業に賭博場を提供しようという風に聞こえる。なんにも学んでいないというか……とことん能天気なのか、よほどのワルなのか……。

松本氏はその後、「20年住めない発言は自分の発言で、首相は言っていない」と釈明したらしいが、誰が言おうが関係ない。軽薄な二人が軽薄な話をして勝手に盛りあがっていた図。

都会では「こうなったら福島第一原発30km圏内は人が住めない地域に指定して、日本中の原発をあそこに集中して建てたらいい。廃棄物最終処分場にもすれば問題が一気に片付く」などと言う人たちが増えてきた。僕も実際そういう発言を耳にしている。
「どうですか? 福島の人としては。補償はしっかりするという上での話ですよ」なんて真顔で言われてしまう始末だ。
この発想が実は、福島県の発想でもあるらしいというところがやりきれない。
「県の決めたこと(作付け禁止や立ち入り禁止の方針)には足並みを揃えて従ってください。補償の問題もあるので、そのへんを十分お含みの上……」などと県の職員が平気で口にしているという。
地域のリーダーでさえ、「これから先50年、80年は住めないんだから、復興なんて考える必要はないんだ。今は国と東電にいかに金をしっかり出させるかだけを考えればいい」と平気で発言する人物がいるらしい。
原発で潤っていた浜通りの町(大熊、双葉、浪江、富岡、楢葉)と、原発雇用に少しだけ関係していたその隣の町や村(川内村、南相馬市、飯舘村、葛尾村、いわき市北西部の小川町など)との被害者意識のズレも大きい。
実質、いちばん汚染がひどかった飯舘村などは、原発には何の関係もなく、農業や酪農をしていた人たちがたくさんいる。その人たちは今回のことで、大量の放射性物質で被曝した上に、農地や家畜といった生活基盤を根こそぎ奪われたのだ。
中通りのリーダーたちの中には、早くも浜通りを切り捨てて、それを「元手」に国から金がどんどん入ってくることばかりを考えている輩もたくさんいる。
まったくやりきれない。

ちなみに、福島県がやった農地の汚染調査報告が⇒ここ(4月6日発表分)⇒ここ(4月12日発表分)でダウンロードできるので見てほしい。
水田の土壌汚染状況調査(土1kgあたりのセシウムによる放射能)の一部を抜き取ってみると、

川内村 1地点:1526ベクレル
郡山市 10地点:875~3752ベクレル(平均2424ベクレル)
福島市 1地点:2653ベクレル
伊達市 8地点:1635~4086ベクレル(平均2634ベクレル)
二本松市 10地点:897~4601ベクレル(平均2713ベクレル)
本宮市 8地点:1020~4984ベクレル(平均3227ベクレル)

……ちなみに、国が示した安全基準は土1kgあたりセシウム5000ベクレル以下。5000ベクレルを超えたのは、飯舘村の7箇所と浪江町南津島(28957ベクレルで計測地点中最高値。ここはテレビ番組で有名な「ダッシュ村」のあるところ)の合計8地点。その他の計測ポイントではすべて5000ベクレル以下だった。
川内村は、郡山市、福島市、伊達市、二本松市といった中通り地方の水田よりずっと汚染は軽度で済んでいるのだ。それなのに、原発に近いというだけで、県は作付けするなと言っている。
まったく理屈が通らない。
検査結果を見れば、安全であることは間違いないけれど、県が国や東電との補償交渉に有利になるよう、この際作付けできない地域になってくれ、と言っているわけだ。
こういう腐った性根が、原発依存を強めてしまったのではないか。これだけの「犯罪事故」を前にして、なんにも反省していない。学んでいない。どうしようもない。

この際、川内村は「福島の梁山泊」を宣言したらどうか。
土は汚染されていない。原発から垂れ流される汚染水が逆流してくることはないだろうから、水も安全だろう。「風評被害」というエアカーテンに守られた自然豊かな桃源郷をめざしたらどうか。
全国から、余生を楽しく生きたい元気な熟年家族をたくさん受け入れ、楽しく自由に暮らしていこうではないか。
米や野菜を買ってくれなくて結構。自分たちでおいしくいただく。自然を汚さないビジネスをどんどん発案し、日本だけでなく、世界を相手に商売をする。大儲けしなくてもいい。自分たちが楽しく生きていけるだけの「外貨」が稼げればいい。
地震に強いことも今回のことで証明された。停電もほとんどしなかった。冷静に考えて、こんなに魅力的な場所はない。

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