2011/11/05

紅葉本番 その2


家の前の景色も、今がいちばんの見頃になっている。紅葉の中のみみちゃん。

絵になるねえ。ジョコちゃんは死んでしまったのだろうか


こいつらは相変わらず


運命を分けるものはなんなのだろう

2011/11/08

日光市って広いのね

二転三転した移転先探しもようやく決着。本日ついに引き渡し。
川内村のタヌパック阿武隈はそのままで、タヌパック百合丘を日光市に移転させる作業が今日から始まる。1年くらいはかかりそう。
朝9時前に川内村を出て、小野からあぶくま高原道路経由で矢吹、東北道で宇都宮、日光宇都宮道路で大沢IC……と走る。
あぶくま高原道路は今年いっぱい矢吹ICの手前1区間が工事通行止め。一旦下に降りて4号線を通って迂回しなければならない。これだと、遠回りでも磐越道で郡山JCT経由のほうが早いかもしれない。

阿武隈PAでラーメン。このPAは小さいのだがトラックがいっぱいとまっている。飯がそこそこうまいからだろう。白河醤油ラーメンをカウンターに受け取りに行くところでケータイが鳴った。なんでいつも東北道を通っているとしょうかんさんから電話くるんだろう。

不動産屋さんとは現地に正午の約束。大沢ICそばにあるスーパーサンユーでおにぎりとトレペとティッシュを買う。
鼻に酸素チューブを入れたじいさまが犬と相乗りでカート動かしていた。のんびりした土地柄。小野町のベニマルより田舎っぽい。
そこから5kmくらい、田園風景の中を走ると新タヌパック。
ここをどう呼ぶか、未だに迷っている。
タヌパック文挟(ふばさみ)かタヌパック日光が候補なのだが。
百合丘、越後、阿武隈……ときて、次が「日光」というのはどうもイメージが違う。日光という地名はどうしても東照宮のけばけばしさとか華厳の滝とか中禅寺湖とかいろは坂だものなあ。関東以北の日本人なら修学旅行なんかで必ず一度は訪れているはず。僕もそういうイメージしかなかった。
ところが、宇都宮と日光の間には、阿武隈よりも田舎っぽい、忘れられたようなエリアがあったのね。
今市市も今はなく、合併して日光市に。日本で3番目に広い市なんだそうだ。
日本で一番広い市はいわき市だと思っていたのだが、調べたら、いわき市は今やトップ10からも陥落していた。

1 岐阜県 高山市 2,177.67
2 静岡県 浜松市 1,511.17
3 栃木県 日光市 1,449.87
4 北海道 北見市 1,427.56
5 静岡県 静岡市 1,411.82
6 北海道 釧路市 1,362.75
7 山形県 鶴岡市 1,311.51
8 岩手県 宮古市 1,259.89
9 岩手県 一関市 1,256.25
10 広島県 庄原市 1,246.60
11 富山県 富山市 1,241.85
12 福島県 いわき市 1,231.34
(単位は平方キロ)

ちなみに1位の高山市は大阪府より広いんだそうだ。都道府県より広い市は高山市だけ。
いちばん狭い市は蕨市(5.10平方km)で、高山市と蕨市の面積には約427倍の開きがあるんだってさ、豆知識豆知識。

引き渡し(というか、引き渡され)、無事終了。
お世話になった日本マウントさんは、とってもいい不動産屋さんだった。
東日本のリゾート物件中心に広いエリアをカバーしている。
基本的に、物件を案内するときに積極的に勧めないというスタイル。まずはマイナスポイントを並べるのが会社の方針なんだとか。
例えば今なら、那須のリゾート物件を見に来たお客さんには「ここは放射線量がかなり高いですよ」という説明から始めるという。

実は、ここにたどり着く前に、2つの物件を申し込んでダメになっていた。
一つ目は秩父。二つ目は矢板。
秩父は内装が総杉板張りの豪華な別荘で、建物だけでも4000万近くしたんじゃないかと思うような物件だった。それが800万で出ていた。
よし、これは……と決めたら、タッチの差で別の不動産屋経由で取られてしまった。

矢板はJR東日本がバブル時代に開発した温泉つきリゾート分譲地内の物件。巨大なシャッターつきガレージが三台分ある、非日常的な家だったが、申し込んだ後に、売り主さんのほうから契約を延期してくれと言ってきた。
雨漏りが見つかっていて、どうも修理がかなり大変なことになりそうだということになり、修理代がはっきり分かるまでは契約をしないということに。
その時点で、不動産屋さんから別物件を紹介され、こちらはこちらで同じ不動産屋さんのサイトにある日光市のこの物件に目をつけて、両方見てみた結果、矢板はキャンセルでこの日光市の物件に決めた、という次第。
ところが、この日光市の物件には、申込者がすでに2人いた。
最初の人は、夫婦で別荘を探していたのだが、旦那さんは隣が結構ランクの高いゴルフ場なので気に入って、会員申し込み手続きまで始めていたらしいのだが、奥さんが「こんな寂しいところは嫌だ」と反対して、申し込み後に急遽、那須の別荘物件に変更。
次の人は投資目的だったのか、100万円値引きした「指し値」で申し込んでいたので、僕らが繰り上げ当選に。
決まるまでには、こんなドラマもあったのだった。

百合丘の長屋も、越後も、阿武隈も、購入時には同時に申し込んでいた人たちがいたのだが、タッチの差で僕らが手に入れた。
しかし今回は出遅れていたり、他が流れたりしての結末。
30代、40代のときとは違って、歳も歳だから、疲労と戸惑いが大きい。
日本全体がひどい状況だし、明るい未来に向かって夢いっぱいの新居、というような感じでは全然ない。

阿武隈の友人たちの中では、みれっとファームが長野県富士見町に移転先を決めて引っ越し作業に入った。
同世代の夫婦で、自営業で、原発のおかげで移転先を探さなければならなくなったという運命を共有している彼らとは情報をまめに交換しあっている。食べ物を作って売っていたみれっとに比べれば、商品が腐ったりしないタヌパックはまだまだ軽症というか、どうにでもなる。

……というわけで今日に至ったのだった。
到着してすぐに、日光市水道課に電話して水道を開いてもらい、ガス屋さんに電話してガスを開いてもらう。
水道課っていうのがなんか新鮮だ。川内村には水道がないからなあ。水は自分の金でなんとかする(井戸を掘る、沢水を採取する)ものだと思っていたから、「ああ〜、水道なのかあ〜」という感じ。
プロパンガスも、なんだか大仰な書類をいっぱい持って来て、こことここにハンコ押してくださいとかやっていて、川内村とはずいぶん違うなあと面食らった。

今回いちばん腹が立ったのはプロバイダのBIGLOBE。はっきり名指ししておく。
百合丘の光回線もしばらくは使うので、価格コム経由で新規に申し込んだのだが、NTTがすぐに電話してきて、工事日を決め、書類も届いているのに、BIGLOBEからはいつまで経ってもなんにも言ってこないし書類も来ない。
そこでメールで問い合わせたところ、
「お調べしたところ、お客様のお住まいの地域は地震の影響により会員証を含む入会資料の発送を停止しております」 と答えてきた。
はあ?
ざけんなよ、である。
郵便は四月から復活しているし、村はとっくに「緊急時避難準備区域」指定も解除されている。現実にこっちは村で暮らしているし、ネットも使っているし、NTTは速達で書類を送ってきている。8日には工事の予約もしてあるんだよ、なにをとぼけたことを言ってるの?
そもそも、「発送を停止しております」って、そのことをこっちになんの連絡もよこさないとは何事よ。
……というようなことを言ってみたが、
「誠に恐れ入りますが、入会資料の送付については現在確認をおこなっておりますので、ご迷惑をおかけしますが今しばらくお待ちください。なお、入会資料は個人情報が記載される大切な書類のため、被災された地域については、ご登録の住所に送付可能か慎重にさせていただいております」
と言ってきた。
論外。
あんたんとこには頼まん。こんなことでは、これから先が思いやられる。

今回「被災地」体験をして、企業の姿勢、特に通信・物流関連企業の姿勢があまりに違うことに驚いた。
文句なしに素晴らしかったのはヤマト運輸(クロネコ)。
日本郵便と同時に、4月末には復活し、「緊急時避難準備区域」の川内村や広野町に、1通80円のメール便まできちんと届けてくれたし、集荷にも来てくれた。
日本郵便とクロネコが復活していなかったら、「緊急時避難準備区域」の川内村で生活再開することは難しかった。
それに比べてBIGLOBEのこのていたらく、無責任ぶりはなんだろう。

そんなこともあったが、NTTの光回線工事も無事終了。
百合丘で使っていたIDとパスワードで、しっかり接続できた。Bフレッツだろうがフレッツ光ネクストだろうが、NTT東日本管内の光回線であれば、プロバイダは関係なく、どこからでも接続はできるのだという。
移転届けさえ出しておけばいいわけだ。
よかったよかった。
しかし、これから、屋内配線をどうするかとか、050電話のセッティングとか、いっぱいやることがある。先は長い。


光ケーブルの引き込み工事

さて、水道、電気、ガス、光通信が開通したのを見届けて、助手さんは川内村へ戻ってのぼみ〜の世話と仕事。僕は東武日光線スペーシア特急利用で百合丘に向かい、翌日のワンボックスカー受け取り、荷物運搬。
百合丘からの引っ越しがいっぺんにできないため、10万キロ超のワンボックスカー(バネット)を購入したのだ。
ところが、車屋さんがナンバー指定手続きを忘れて、納車が遅れに遅れた。本来ならもう川内村に荷物の第一陣を運び終わり、今日はバネットで荷物第一陣と一緒に日光に来るはずだったのだが、お金も時間も無駄になってしまった。
しかしポカミスは誰にでもあること。こういうのは仕方がないことで、わかちこわかちこ。
ここまで来たら、ゆっくりと楽しもうという気持ちでいかないと、心身共にもたない。

で、予定より1時間早い電車で百合丘へ。
東武日光線の下小代(しもごしろ)という駅から乗るのだが、この駅がびっくりするような寂しさ。
まっ暗で、誰もいない。無人駅というのは分かっていたが、これほど人がいない駅って……神俣駅が神々しく見えるほどの寂しさ。

暗いよ〜。人がいないよ〜


それでもSuicaが使えるのは神俣駅より進んでいる


13夜の月が明るい



ホームには僕一人、つまり電車に乗ったのも僕一人だった。
車内はそこそこ人がいて、4人掛けの対面式ボックスに足を投げ出して一人で占領している乗客が目立つ。
これは磐越東線でもよく見る光景。
特急が停まる新鹿沼駅まで十数分。ここで21分の待ち合わせだったので、駅の外に出て見たが、これまたびっくり。なんにもない。特急停車駅なのに、店らしい店がないのだ。蕎麦屋が一軒だけ。駐車場経営もしているようで、その蕎麦屋で蕎麦を食うと割引券が出るとか。

新鹿沼駅のホーム。こんなに寂しい駅だったのね……


新鹿沼駅前。お店らしい店がない


一日1000円は安いけど、まあ、使わないなあ、ここは
それより、下小代や文挟駅に一日500円くらいの駐車場があるといいのだが

そんなわけで、これからは長期戦でタヌパック百合丘⇒タヌパック日光 移転が始まる。
さて、これから引っ越し荷物第一陣の準備だわ。
バネットは「ドアを開けるとパキンというので、ヒンジを交換しますので、お昼過ぎくらいに届けます」だそうで、まだ来ない。
はい、じっくり整備してから渡してくださいね。

たくき よしみつ 新刊情報

裸のフクシマ ★10月15日発売 『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

今すぐご注文できます 
アマゾンコムで注文で買う
⇒立ち読み版はこちら
使い分けるパソコン術 ★9月20日発売 800円(税別) 『使い分けるパソコン術 ──タブレット、スマートフォンからクラウドまで』(講談社ブルーバックス)
iPad、スマホ、クラウド、ツイッターなどのSNS……怒濤のデジタル潮流の中で溺れることなく自分流を貫くには、「使いこなす」よりも「使い分ける」発想が必須。「選ばない」「使わない」ことだって使い分けのひとつだ。失敗する前に読んで、賢く「使い分け」るための羅針盤ブック。

第1章 iPad、買っていい人、悪い人
第2章 タブレットとネットブックを使い分ける
第3章 スマートフォン、買っていい人、悪い人
第4章 クラウドサービスを使い分ける
第5章 ブログやフェイスブック、ツイッターを使い分ける

今すぐご注文できます 
アマゾンコムで注文で買う    bk1で買うbk1で買う    

⇒立ち読み版はこちら


一つ前の日記へ一つ前へ    abukuma.us HOME    takuki.com HOME      次の日記へ次の日記へ







↑タヌパックの音楽CDはこの場で無料試聴できます
Flash未対応ブラウザで、↑ここが見えていない場合はAmazonで試聴可能こちらへ



たくき よしみつの本 出版リストと購入先へのリンク  デジカメと写真撮影術のことならここへ! ガバサク道場

  たくき よしみつの「本」 電子配信開始



  タヌパックスタジオ本館   ギターデュオKAMUNA   あぶくま狛犬札所60番巡り   日本に巨大風車はいらない 風力発電事業という詐欺と暴力