カエルのための池造り

邪魔な石のテーブルと椅子、燈籠が撤去されたので、さっそくカエルの池を造り始めた。
スコップ一本で作る池。
阿武隈では、マツモ池の再生から始まって、山葵池、蟹池、雨池、弁天池……と、５つの池を造った。その経験から、どうやればいいかは大体分かっている。
鯉を泳がせる池などと違って、カエルが自然に棲みつき、卵を産み、オタマが育つ池というのはすごく難しい。
水が冷たすぎるとダメ、水深がありすぎてもダメ、止水だけど、水が腐るとダメ、もちろん水が簡単に抜けてしまったらオタマや卵は全滅してしまうのでダメ。
いろいろ失敗した結果分かったことは、底が土になっていることがすごく重要だということ。コンクリートで造るなんてのはもってのほか。しかし、遮水膜がないと水はたちまち抜けてしまう。
だから、遮水膜の上に土を30cmくらい被せて整形する、というのがポイント。
これがようやく分かったのは５つめの弁天池を造ったときだった。

というわけで、今回も、60cmくらい掘って30cm埋め戻すつもりだったのだが、掘ってみると30cmくらいのところで硬い礫層にぶつかってスコップのはが立たない。どうやらこの庭全体が30cmほど外から黒土を持ち込んで盛り土しているようだ。だから30cmまでは簡単に掘れる。
しょうがない。30cm掘って15cmくらい埋める、ということにしよう。土の層がちょっと浅いのが不安だが……。

思っていたよりさっさと掘れてしまった。あとは遮水シートを敷いて、土を埋め戻しながら整形すればいい。
というわけで、鹿沼のビバホームに遮水シートを買いに行った。
阿武隈では「マルチ」と呼ばれる薄い農業用ポリシートを何重にも重ねていたのだが、本当はもう少し厚めのシートがあればいい。
店員さんに「ノーポリっぽいものはどのへんにありますか？」と訊いたら、まさにこれ！　というおあつらえ向きのシートが切り売りされている場所に案内してくれた。
厚さは0.2～0.3mmくらいだろうか。マルチよりは厚いから簡単には破けそうもない。透明のポリエチレンシートで幅2ｍ。1ｍあたり198円だというので、6ｍ切ってもらった。