のぼみ~日記

2013/09/06

東照宮へ狛犬を撮りに行く(8)鋳抜門



狛犬のいる場所からさらに石段を登ると拝殿があり、その奥に奥社唐門がある。これも「奥社唐門(銅製)(附 銅製狛犬2躯)」として国の重要文化財指定。
奥社エリアはほぼすべての建造物、付帯物が重文指定になっている。

奥社唐門は扉を除き、柱や梁などをひとつの鋳型で鋳造して組み立てている。そのため「鋳抜(いぬき)門」と呼ばれている。鋳工は椎名伊豫。
元和7年の創建時は木造だったが、寛永18(1641)年、綱吉のときに石造りになり、その後、慶安3(1650)年に鳥居と一緒に青銅製となった。扉には牡丹唐草、輪宝の文様が施されている。
門の袖には蜃(しん)という想像上の生き物がいて、口から「気」を吐いている。この蜃は蜃気楼の「蜃」で、「ツバメを食べ、気を吐き、楼台城郭を描き出す」と言われているらしい。
で、ここにもブロンズ製の狛犬がいる。
このブロンズ狛犬も名品中の名品と言えるだろう。
石段下の石造狛犬同様、ほとんどの人の目には触れることがなかったが、明治以降、ブロンズ製の狛犬が建立されるときはよく手本にされている。


拝殿を通して鋳抜門前の獅子が見える






左上に見えている象のような霊獣が「蜃」


すごい迫力。「睥睨する」というのはまさにこういうことを言うのだろう

石造り狛犬とは雰囲気がだいぶ違うが、鬣の描き分け方や走り毛の存在などは同じ。
つまり、石工も鋳工も発注者からほぼ同じ情報を与えられて制作していたと思われる。

この鋳抜門の奥に奥宮宝塔がある。
宝塔に納められている家康の柩は建立以来、一度も開けられたことがないとか。
この宝塔も最初は木造、後に石造りになり、さらに天和3(1683)年の大地震で破損したものを5代将軍綱吉が現在の唐銅(金・銀・銅の合金)製に造り替えたそうだ。
宝塔の前に置かれた鶴の蝋燭立て・香炉・花瓶は、朝鮮から贈られたもの。ということは、この香炉の上の獅子像も朝鮮製なのだろうか?


朝鮮通信使が運んできたという鶴の蝋燭立て


香炉の上にある獅子。おそらくこれも朝鮮からの贈り物か?


鶴の下には亀もいる


香炉の下にも注目





ここまで、線量計を持ってきていたが、奥宮まで入ってきても線量は全然問題なかった。

東照宮は安全



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