2013/12/14

雑木林

ついに今年400ページ目である。1日1ページ以上のペース。いいのかな。こんなんで。

毎日よく晴れて、寒い。体力が落ちないよう、日没前に歩いてみる。
このへん一帯はもともと雑木林だったのが、伐採、造成され、杉が植えられて、雑木林はほとんど残っていない。
それでもところどころ、こんな風景がある。これは多分、伐採された後に放置されたところにコナラなどが生えてきたのだろう。
この景色を見ると川内村の我が家を思い出す。


2013/12/15

タヌキ

この前見たタヌキは完全にうちの周囲に居着いたようだ。
タヌキは本来薄明薄暮型と言って早朝や夕暮れ時に活動するのだが、このタヌキはかなり体力が弱っているからか、日が高い時間帯でも動いている。
午前中、柿の木の下に落ちた実を食べに来ていた。

最初は二階のベランダからX-S1の望遠端で狙ったのだが、のんびりした動きをしているので、外に出て近づいてみた。
撮っているときはよく分からなかったのだが、おそらく疥癬にやられているのだろう、顔が相当ひどいことになっている。
右目は開いていないようにも見える。顔の左下はごっそり毛が抜けているし、この冬を乗り切れるのかどうか心配だ。

特に人が住む地域で見るタヌキはこのように疥癬などにやられているのが多い。
原因については諸説あるが、やはり水場がなくなって化学物質、薬物だらけの下水(人間の生活排水)や農業排水などを飲むしかなくなっていることが大きいのではないだろうか。
鳥は飛べるので、きれいな水が流れている川などで飲めるが、タヌキはそうはいかない。
人に見つからないよう、U字溝を通路にしているから、そこで化学物質まみれの汚水に触れたり飲んだりした結果、体内の免疫機能低下やアレルギー発症などが起きているような気がする。
水棲生物は水場がなくなれば死滅する。丸ごといなくなるから、奇形魚や、水質汚染が原因で死ぬカエル、イモリなどの死体を見ることは滅多にない。しかし、哺乳動物は死ぬまでの間にこうした姿を晒すことになるから目に留まる。……そういうことなのかな、と思う。

折りしもテレビでは食物アレルギーを持つ子供が急増しているというニュースが流れていた。
これは逆に、汚染というよりは自然界の普通の「汚れ」に免疫を持たないまま育つ人間が増えているということなのではないかと想像してみたりする。
幼児期に犬、猫、馬など、動物のそばで育った子供はアレルギーになりにくいという研究結果を発表した学者の話はずいぶん前に読んだ。それは大いにありそうだなと思った。
危ない化学物質が野放しにされていた昭和30年代、40年代に育った世代が親になり、その子たちへの遺伝において何かが起きたということもありえるかもしれない。
こうしたことは検証が困難だし、ある程度究明できるとしても長い時間がかかるから、結局は「分からない」。



落ちた柿の実を食べている


ベランダから写したこの写真ではよく分からなかったが……


外に出て近くまで行って撮った写真を後で見て初めて疥癬症らしいことに気づいた


白っぽい毛が多い


拡大してみたが、右目がつぶれているのかどうか今ひとつ確認できない


こちらに気づいてもすぐ逃げることなく、じっとレンズを見ていた


なんとか生き延びてほしいが、この顔だと冬の寒さがこたえていることだろう。かわいそうに

午後、また歩いてみた。
沢は上流側が完全に閉められたままなので落ち葉で埋もれていくばかり。
一応流入口だけは点検して葉っぱをどけているが、虚しい。

引き上げてくると、ばあさまと会った。ここはうちの土地だから通るなと言われる。
「分かりました、もう通りません」と答える。
ばあさま、それでも話相手がほしいのか、庭の落ち葉が邪魔だとか、杉の木のおかげですっかり日陰になって寒いとか、愚痴を次から次へとこぼす。
「自分の土地の杉だから伐ればいいって言われるけど、伐るには金がかかる」とぐちぐち。
杉なんか植えちゃうからでしょ。しょうがないねえ、自分で植えたんだから。

「このへん一帯は前は全部雑木林だったんでしょう?」と訊いたら、そうだと言う。
「少しでも雑木林が残っているおかげで、この下の沢筋では、このへんではほとんど絶滅してしまったと思われるツチガエルがまだ棲息しているんですよ」などと説明したが、カエルがどうした、という怪訝な顔をしていた。それでも「昔はこの下に大きなイボイボのついたカエルがいた」と話し出したので、「それはアズマヒキガエルですね」と教えたが、やはり怪訝な顔をしていた。

では、どうも~、と挨拶して別れたが、あの道を通るなということになると、遠回りして下りていくしかないなあ。ま、そのほうが運動にはなるか。
幸い、ほとんどの農家の人たちとは気持ちよく挨拶を交わし、春には流れ出したシュレーゲルアオガエルの卵やU字溝のマスで流されるのを待つばかりのアカガエルの卵を救出するのも知ってもらっている。
「変なやつがいる」と広く認知されると楽なのだが、もともと愛想がいいほうではないので、難しい。
犬とか連れているとカッコがつくのだが……。
ああ~、ジョンがいればなあ。

……で、歩いていると、やはりいつも素通りしているものにも結構目が向く。
例えば……


ほとんどトルソー化した石仏。誰かが饅頭と花を供えている


「新城ヨリ堅出畑マデ講中」と書いてある。昔の集落の名前か?


昭和16年というから開戦の年。軍馬左補号……農耕馬を供出したのだろうか


ここの草むらにはこれがあちこち見うけられた


戻ってくるともう日没。大天使が現れそうな西の空


のぼるくん


金星


電線が邪魔だなあ

その後、気力を振り絞って年末状を入稿した。
使った写真は4点。
川内村の雨池付近で今年の6月に撮ったモリアオガエルの写真も使った。



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