2014/05/13

シュレーゲルアオガエルの卵が孵化し始める


連休中に救出したシュレの卵塊。およそ10個。
トラクターに粉砕されてしまった破片のやつはかなり厳しかったが(やはり、その後、孵化する前に腐っていく)、奇跡的にきれいな形のまま流れ出したやつは、無事に孵化までこぎつけた。
これも川内村で何年も経験を積んできたからこそできる技なのよね。
シュレの卵塊は孵化させるのがとても難しい。自然界での孵化成功率は、あらゆるカエルの中でもいちばん悪いんじゃないだろうか。
有名なモリアオガエルの卵塊(水面上に張りだした木の枝、葉っぱに絡ませて産みつける)よりずっとデリケートだ。

シュレの産卵様式も、人間の営みに合わせて少しずつ変化してきたに違いない。
昔は大きな沼や湿地があちこちにあったので、産卵する場所や時期にそんなに苦労しなかったはず。
水田耕作が始まると、田んぼの縁に穴を掘って産むという形が定着。しかし、稲作の機械化、効率化が進み、まず、産みつけるタイミングが難しくなった。
今は、田んぼに水が張られて、田植えが始まるまでの数日間が勝負。この時期に、畦塗りされた田んぼの縁に穴を掘ってその中に産みつける。
運がよければそのまま土の中で孵化し、オタマが溶けた泡の中で蠢いているときにちょうどよく雨が降って水量が増えると、そこにオタマが流れ出して田植えが済んだ水田の中に出て行ける。
で、田んぼの水が抜かれてしまう前にカエルにならないといけない。
いくつもの難関を乗り越えた、ものすごく運のいい、かつ体力のある個体だけがカエルになれる。

他のカエル、例えばアカガエルやトウキョウダルマガエル、アマガエルなどは、水を張った田圃の中に直接産めばいいので、とりあえず放っておいてもオタマにまではなれる。あとは水抜きされる前にカエルに変態できればOK。
アマガエルはオタマの時期が短く、水温が上がるとたちまちカエルにまで成長するからいちばん生き延びやすい。
アカガエルはオタマの時期が長いのでかなり厳しい。
しかし、シュレの大変さに比べれば……。
こんなリスキーな育ち方をするカエルだから、個体数は少ない。このへんでもシュレーゲルアオガエルを見かけることは滅多にない。引っ越して来てから3年目だが、まだ2回しか見たことがない。
栃木県ではレッドリストの準絶滅危惧種に指定されている。
(ちなみにその上の絶滅危惧種II類にはツチガエルとニホンアカガエルが指定されている)


田植え前の田んぼに流れ出したシュレーゲルアオガエルの卵塊。これはかなりきれいな状態で流れ出ている


1週間ほどで孵化する。やはりトラクターで粉砕された破片からはほとんど無理


この時期、家の玄関はこんな光景になる


孵化したばかりのオタマは白っぽく、弱々しい




池に放す。池の水温が低いと、放した途端に気絶するが、しばらくすると動き出す。その間、すごく心配。
池に放した後も、マツモムシやメダカや、すでに大きくなっているアカガエルのオタマなどに食べられてしまうので、生き延びるのが難しい。
だから、今年はシュレのオタマだけの池も作った。ヒキガエルのオタマは小さくおとなしいので、シュレの小さなオタマとも共存可能。

池に放すタイミングも難しい。
土の中で孵化したオタマは、雨が降らなければ田圃の中に流れ出せず、卵塊の中に閉じ込められたままでかなり大きくなることがある。本当は十分に大きくなってから流れだしたほうがいいのだが、そのまま雨が降らずに干からびる可能性も大きいわけだから、干からびるよりはひ弱なままでも安定した水環境の中に入れたほうが生存可能性は膨らむように思う。
このタイミングを見極めるのはすごく難しい。

で、運よくカエルにまでなったとしても、シュレの生存環境は基本的には林の中、草むら、森だから、アマガエルみたいにどこでも生きていけるというわけではない。
シュレの卵が見つかる田んぼも、必ず背後に森があったりする田んぼで、町の中、周囲が開けすぎている田んぼでは滅多に見つからない。



粉砕されたシュレの卵塊を拾ってきたら、卵塊の中にこんなのが潜り込んでいた
小さいけれどゲンゴロウの仲間? ガムシの小さいやつ?
⇒ここ にいろいろ載っている

今日のオマケ


Windows XPサポート終了後、2度目のアップデートが出た。サポート終了と言いつつ、MicrosoftはなんだかんだでXP用のアップデートファイルを出してくる。
今回のは「悪意のあるプログラム削除ツール」。
普通にWindowsUpdateでインストールできる。

大騒ぎしたXP終了問題だが、実際には日本だけでなく、世界中にまだまだ膨大な数のXPマシンが残っていて、ネットに接続されている。
日本の企業でも、XPを使い続けている企業はたくさんあるようだ。かなりの大企業でも……。

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