2014/06/29

カナヘビとオオシオカラトンボ

かわず庵の庭でカナヘビと鉢合わせ。去年より出くわす回数が少し減ったような気もする。
この子は尻尾の先が切れている。これから再生するところなのだろう。
カナヘビもトカゲも尻尾が再生することで有名だが、カナヘビは再生した尻尾に骨はないのだそうだ。

カナヘビの名誉?のために、尻尾の先を草で隠してもう1枚


方舟はブクブクを入れてから水が透明になった。第一期シュレのオタマはどうも水質悪化でだいぶ死んだような気がするので、しばらくはこのままブクブクを入れたまま様子を見る。
「水が合う」という言葉があるが、どういう条件だとオタマにとって生育しやすいのか、今もよく分からない。
今までの経験から想像するに、
池にブクブクというのは、邪道のような気がして、あまりやりたくはないのだが、底が見えないほどに濁っていると、気がつくとほとんどオタマが消えているという事態になる。
ブクブクは音波(モーターからの低周波や泡が弾ける際の高周波?)を発しているはずで、カエルやオタマに影響を与えるのではないか、ということもずいぶん心配した。
結論としてはあまり関係なさそうだ。ブクブクを入れた池でもカエルは平気な顔をして棲み続けている。オタマは逃げられないから分からないが、カエルは移動できるのだから、嫌なら去るはず。そうしないのだから、少なくともカエルには影響がなさそうだと考えている。
オタマも、動きが苦しそうとか、そういう変化は見られない。

あるとき、忽然とオタマの姿がなくなっているのは、おそらくヘビが来てがぶ飲みしたのだろう。ヤマカガシやヒバカリは特にオタマやカエルが大好物らしいから。
ヘビがオタマを食っている瞬間は見たことがない。でも、池の中に潜り込んでいるところには何度も遭遇している。
メダカは全然食われていないのだが、オタマは食われているようだ。カエルも、ヘビが現れた後は一気に数が減っているから、食われたか逃げたかしている。


チビ池の煉瓦の上に今日も変態し立てのアカガエルが1匹


喉の下がよく見えないが、ヤマアカかなあ……


オオカミ池の横の草に、トンボが来て停まった。シオカラトンボだと思うでしょ……


ところが違う。似ているやつにシオヤトンボというのがいて……


シオカラトンボとは尾の先の黒い部分の長さで見分ける。これはほとんど黒くないのでシオカラではない


でも、シオヤトンボでもなかった。オオシオカラトンボ。目玉が真っ黒なので分かる。FBで教えてもらった


オオシオカラトンボが見下ろすオオカミ池で、何匹か戻ってきたトウキョウダルマガエル


今日はシオカラトンボ、シオヤトンボ、オオシオカラトンボの見分け方をマスターした。
こういう新しい知識を得た日はとても気分がいい。
と言うか、今まで60年もの間、この3種のトンボの違いを知らないまま生きてきたことが恥ずかしいなあ。
どれも僕らが子供の頃はごまんと飛んでいて、いるのがあたりまえだった。それが今では滅多に見ることもなくなってしまった。
水場がなくなるというのは、カエルだけでなく、トンボ類も絶滅危惧になるということなのだなあ。
オオカミ池にいるヤゴは多分、ギンヤンマだと思うが、もう変態したのかな。

今日のオマケ

電気のマネーロンダリング


上の漫画は、「あのちゃん ディストピアなう」というブログ に掲載されていたものの一部だ。
この上下のコマがあるのだが、特にこの部分が「うまい!」と思ったので転載。

作者は夫と子供二人と暮らす女性らしいのだが、「再生可能エネルギーはいらない」という主張を漫画とイラストを使ってネットで発信している。

このブログでも紹介している、山田征(せい)さん。彼女の名前を久々に目にした。


80年代、原発論議が盛んだった頃から、男性の学者陣に混じって、一「生活人」としての目線から反原発を唱えていた。今も健在。頼もしい。
ヒステリックに、情緒的に叫ぶのではなく、きちんと裏を取りつつ、信頼できそうなデータを地道に集めて、理論的に主張を展開するという姿勢。これが大切。

3時間近くに及ぶ講演(雰囲気は茶話会に近い?)の内容を項目ごとにまとめてくれているブログがあるのでご紹介。

その中で、風力発電問題に触れている部分がこれ↓ 僕が川内村で経験したこととまったく同じような体験をされている。


ここ↑の10分~12分あたりで話している内容は、僕も以前からあちこちで耳にしていた。しかし、なかなか証明ができない。
発電実績でさえ「社外秘です」と言って公表しないのだから、ましてや、無発電状態の風車を「止まっているとかっこわるいから」外部からの電気でゆっくり回している、とは、業者は口が裂けても言えない。しかし、現場で働いている少数の人たちは知っているはずなのだ。

ここで改めて考えてみたい。

これはエネルギー庁のサイトに掲載されている、「固定価格買い取り制度」の内容、金額一覧だ。

見て分かるように、いちばん高く買い取るのは太陽光で32円(+税)。風力は22円(洋上風力はさらに優遇されて36円)+税で、今後20年間買い取ることになっている。これは電気が足りているからいらないと拒否することはできず、とにかく太陽光や風力で発電した電気は高額で今後20年買い取り続けるという意味だ。
一方で、既存の水路を使うため環境負荷が少なく、地域密着型で安定した電力を供給できる流水型小水力発電の電気は14円+税。太陽光発電の半分以下。14円/kwというのは、事業者向けの安い電気料金よりさらに安い価格であり、事実上なんの優遇もない価格と言える。

この買い取り価格は毎年見直されていて、上の太陽光32円+税というのは今年度(2014年度)の価格。つまり、今から参入する発電施設に適用する価格。昨年度は
太陽光36円+税、風力22円+税(洋上風力の優遇はなし)。
一昨年度は
太陽光40円+税、風力22円+税
……だった。
一昨年(2012年)度、認定された事業者の太陽光発電施設からの買い取り値は20年先の2032年までずっとkwあたり40円で変わらない。

ところで、東電などの電力会社が一般の企業向けに売っている電気の値段は概ね15円/kw前後だ。新電力と呼ばれる、10電力会社以外の発電事業者が企業向けに売る電気はさらに安い。
風力発電施設は「事業者」だから、風力発電で使う電気(風車は電気で起動、制御しているので、外部電源は必ず必要)の料金が仮に15円/kwだとしよう(実際にはもっと安いと思うが)。
これで直接風車を回して発電したら(電気で電気を作る)収支はどうなるのだろう。
……15円の電気で発電機を回して、そこから出る電気を22円で売る?

電気を使って発電しているのだから、エネルギー収支は当然大赤字になる。7円くらいの差では合わないだろう。
しかし、これが15円ではなく、自社内でいかようにも帳簿で調整でき、費用は一般契約者の電気代に上乗せできる「タダ同然の」電気だったらどうだろう。タダ同然の電気で作った電気を高額で売れるとなれば、儲けることも可能なのではないか。

風力発電施設は電力会社系列のものが多い。例えばユーラスエナジーなら東電系だから、東京電力からの電気を使っていれば、帳簿上はどうにでも操作できるだろう。なにせ、電力会社は電気代を総括原価方式で決められるのだから。
で、もし仮に、電力会社系列内で融通している電気を使って風車を回し、その風車で発電をしたらどういうことになるだろうか? そこで発電した電気は22円+税で買い取ってもらえる??

ここまで考えれば、もう気がつくはずだ。風車の発電装置など介さず、風力発電施設に引き込んでいる安い電気を風力発電から買い取らせる送電線に直結してしまえばエネルギーロスはなくなって、ほぼ100%「安い電気を高い電気に変換」できるではないか、と。
タダ同然の水道水をペットボトルに詰めて「○○の名水」などという触れ込みで高額で販売するようなものか。しかも作った「名水」商品は作っただけ買い取ってもらえる……。
これは理論上可能な話だ。もちろん、やれば犯罪だが。

風力発電施設で使う外部電力がどこでどうやって発電されたかは分からない。
例えば滝根小白井ウィンドファーム(福島県田村市)は東電の送電系統につながっているはずだが、今、福島の原発は発電するどころか、ぶちまけた放射能の後始末で大量の電力を消費している(発電所が最大の電力消費施設と化している)。ということは、いちばん近いところから引っ張ってきたとして、広野の火力発電あたりだろうか。
多分、無風時には、火力発電で作った電気で風力発電所を動かす、という図になっているはずだ。

エネルギー効率の悪い発電方式で作る不安定(低品質)な電気を高額で長期間にわたって買い取る……という法律は、こういう矛盾を最初から抱えている。言ってみれば電気のマネーロンダリングだ。
それなのに「欧米では、消費者が発電方式別に買う電気を選べるんです。日本も早くそうしなければ」なんて本気で信じ込まされ、自然エネルギー礼賛を続ける「文化人」がいっぱいいる。
理解できないのであれば、せめて余計なことを言うな。「原子力はやめなければいけない」だけでいいのだ。

安く手にいれたものを高く売りつける、あるいは数字の操作だけで実際には何も生み出していないのに儲かる……現代のビジネスはそれを大規模にやればやるほど成功するシステムだから、役人も企業経営者もこれが「悪いこと」だとは思わないのかもしれない。

問題は、税金も電気料金も拒否することができないということだ。
拒否すれば差し押さえを食ったり、電気を止められたりする。つまり、生きていけない。
「再生可能エネルギー」の高額買い取り制度は国家権力と電力会社による国民資産の強奪と詐欺である。



山田征さんの講演動画、いくつか貼っておきます↓





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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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日本に巨大風車はいらない 風力発電事業という詐欺と暴力
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