犬箱

これ↑「いぬばこ」という。亡きお袋（鐸木能子）の作品。

• 犬の形をした雌雄一対の箱で、安産のお守りや幼児の魔除けとして産室に置かれた
• 江戸時代にはしばしば天児や這子と一緒に飾られた
• 長野県諏訪市内の貞松院には、高島藩初代藩主諏訪頼水の夫人（後の貞松院殿）が、本多家より嫁いだ際に持参した極彩色の豪華な「犬張子」が遺品として残されていて、これが犬箱の源流では？
• 「犬は安産、多産であり、産後の肥立ちもよく、子も丈夫に育つ」に、あやかり、上流階級の間で犬筥を産室に飾り魔除けにした
• 顔は幼児を模している。材質は桐塑(桐屑を麩糊で固めたもの)が一般的
• 雄雌の対で左向きが雄犬、安産の札を収め、右向きが雌犬で白粉等を入れる
• 雛祭りの際に雛壇に飾られたこともある

（https://www5a.biglobe.ne.jp/~nobon/inuhako.htm　よりまとめ）

貞松院に伝わる犬張り子というのは↓これ（https://teishoin.jp/　より）
頼水公夫人が家康のお声がかりで輿入れしてきたのが天正11（1583）年。そのとき、天児（あまがつ=抱き人形の一種）と共に親から持たされたのがこの「犬張り子」で、嫁入りする娘の安全を願ったものだそうだ。
このへんが源流となって、以後、江戸時代には安産祈願のお守り代わりに、あるいは雛人形のオプションのような形で上流家庭に流行った……ということらしい。

狛犬研究家？たくきとしては、雛人形よりはこの犬箱のほうに興味がある。ただ、顔が人間の顔というのが気に入らない。新しいものを作れないか……と。
これ以上手を広げる時間や気力はないのだが、残りの人生でいろいろやってみたい項目の中に入っている。