のぼみ~日記 2015

2015/07/05

小来川方面へ(2) 天善教善龍山の狛犬

さて、清流園を過ぎて少し行くと、道の脇に神社のようなものがあるではないか。今までここは何度か通っていたはずだが気づかなかった。
Googleマップには「天善教善龍山」と出ている。名前からして神社ではなくお寺だと思うのが普通だが、よく見ると鳥居がある。
石段の脇から道路に水がじゃんじゃん流れ出ている。雨が続いているからかな、と思ったが、どうも境内から湧き水があふれ出しているらしい。
ここは細い山道の途中だし、車を停めるスペースもないから、自転車でなければ立ち寄ろうとは思わないだろう。

あまり期待せずに石段を登ると……想像していたよりも面白い場所だった。

お寺かなと思いきや、鳥居がある


社殿も神社風


手水舎には龍の龍口


で、ど~んと出迎えてくれる立派な狛犬


台座がものすごく高い。技術も金もかかっている


昭和7年。1932年の建立。あの時代にこれだけのものを作るのは大変なことだっただろう


阿吽が逆になっている


顔の雰囲気からしてこっちが吽像だけれどなあ……


なかなかの腕前とお見受けした


眼光鋭い吽像。目の部分が茶色くなっているのは着色? それとも埋め込み?


吽像の背後にあるのは天狗像


天狗信仰の宗教結社ということが分かる


天狗像は池の中に建っている


山岳信仰から派生した新宗教なのだろうか?


天狗像は狛犬よりずっと新しいようだが、苔むしていい感じになってきている


天狗池には残念ながら鯉が泳いでいたのでカエルは棲めない。こちらは社務所?前の池。鯉はいないが水温が低すぎてここも不適だろう


再び狛犬をしげしげと観察。尾はこんな形


吽像の頭にとまるトンボ


いい顔をしている

天善教とはどんな宗教なのか? ネットで調べてみたがよく分からなかった。
唯一、関係がありそうなのは「みたま教」についてのこんな記述
教祖永田ふくは大正10年に千葉神道天善教信仰所を開所、山嶽信仰を深め天狗神の教理を融合し、大正15年に御嶽天善教会を教立。千葉県知事認可の教会となる。
昭和21年7月30日宗教法人御嶽教天善教会として木曽の御岳山へ多くの信者と共に登拝する。
実子永田忠義は教祖の霊力と山岳信仰の教理を融合して教義を結びつけ独特な七種の神事を悟り、みたま教(交心流神道)を開教する。
昭和24年には独立して27年に大本山並びに本山教会を山梨県甲府御岳に開山、28年に法人となる。
二代目管長が昭和42年に若くして他界、その年4月1日実子永田忠以が三代目管長を継承。布教活動と修行に専念。
平成3年本部並び本部教会の新築落成を見る。平成20年4月、三代目管長引退に伴い、永田忠靖が4代目管長に就任。
つまり、永田ふくという人が大正10年に千葉県で「千葉神道天善教信仰所」を開設したことが「みたま教」の始まりだとある。
もしここに出てくる「天善教」がこの天善教善龍山のルーツだとすれば、開祖の息子が後に独立して開いた「みたま教」とは一緒にならず、もともとの天善教を名乗っている宗派があるということなのだろうか。だとしたら、千葉でも山梨でもないこの日光の地になぜ?
ここの狛犬が昭和7年建立ということは、みたま教よりずっと古い時期にここが開設されたことになる。
それともこの千葉でスタートした天善教とは関係がなくて、日光の古い修験道系のものなのだろうか?

謎が謎を呼ぶ。

これで思い出したのが、明道(実際には「明」は示偏に「明」と書いている)という天狗信仰の小さな宗派の管主を狗道研究会が招いて勉強会を開いたときのことだ。
管主は確か千葉から呼ばれていた。
このときの参加者は3人くらいしかいなくて、早く帰りたがっていた。見ていてとても気の毒だった。 
「あとはこの本をあげますから、読んでください」と、立派な装幀の本を参加者全員に配って帰っていった。
その管主の話ともらった本にインスパイアされて、『狗族』という小説を書いた。(出版されたときは編集者の独断で『天狗の棲む地』という題名になった)。
『マリアの父親』で「小説すばる新人賞」を受賞したすぐ後のことで、その後、読売新聞社から出版した『カムナの調合』や、出版されないままの長編『呪禁』など一連の「現代の伝奇もの」シリーズ第一弾となる作品だった。
『狗族』に出てくる茶弥というマイナーな天狗信仰結社の管主は、あのときの天狗信仰宗派の管主がモデルになっている。

そんなわけで、この神社?には、古くからの修験同系宗派よりも、明治以降にいくつか出てきた新宗教に近いものを感じたのだが、全然関係ないかもしれない。

栃木には古峯神社という立派な神社もあり、そこにも天狗像がある。日光の修験道史みたいなものも、調べていくといろいろ面白そうだ。

……そんなことを思い出しながら、涼風号MarkIIのバッテリー残量が50%をさしたところで家に戻った。

黒川もこのへんまで遡ってくるとこんな風景になる


カジカガエルがいるだろうか。ちょっと流れが急すぎるかな


帰り道、コッソリープの点検を済ませる。今日もミニアカガエル発見


帰宅したときのバッテリー残量は13%。ここまで使い切ったのは久しぶり










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