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のぼみ~日記 2015

2015/09/13

 川内村野良猫日記(11)

その後のしんちゃん一家


2011/09/01 こどもが半分になったしんちゃん一家

9月になった。
家の中にはのぼみ~。外にはしんちゃん一家。その両方を行き来するシロ。夕方は2km離れた家に残されたチャッピーの世話と散歩……という生活が続いた。
この頃から、移転先を探しにあちこち出かけた。
最初は福島県内。福島から出るのが悔しかったから、県内でも比較的汚染が低かった平田村や石川郡、矢祭町、塙町などを見て回った。
郡山市も外れのほうは許容範囲ではないか? と希望を持っていくつか物件を見に行った。
しかし、どこも川内村の我が家に比べればずっと魅力のない物件だった。しかも価格が高い。こんなことになった福島で、強気の価格のまま売りに出しているのが不思議だった。
そのうちに福島県内にはもうここよりいい場所はないのではないかと思うようになり、発想を変えることにした。
神奈川県内(横浜と逗子)にひとり暮らししている親も高齢だし、いつどういうことになるのか分からない。今から廃屋を安く買って自力で直していくというような気力も時間もない。であれば、都会ではない、地方都市の外れあたりに安く出ている「まともな家」を探したらどうか……と。
秩父や大月にも見に行った(「笑点」の大喜利ネタみたいだが)。
いろいろ見て回るうちに、バブルの頃に売り出されたリゾート分譲地の物件が数百万円レベルで売られていることも知った。
矢板市、さくら市、北杜市にも出かけていった。
それでもなかなかいい物件は見つからなかった。


仕事机のすぐ外。洗濯機の上でひなたぼっこしているしんちゃん一家。そんな目で見ることはないだろ……。



こんな風になっても、まだ外に出ただけでサッと逃げてしまう。



2011/09/07 のぼるくん



のぼみ~が来てからは外にいることが多くなったシロ

やねお一家

チャッピーが残された家は、母屋の横がドアのない納屋スペースになっていて、そこにドッグフードなども置かれていた。
その納屋に、何匹かの野良猫が出入りしていることは気づいていたが、警戒心が強く、すぐに姿を隠してしまうので、一体何匹、どんなのがいるのかはなかなか分からなかった。
それでもいることは分かっていたので、チャッピーのご飯とは別に、納屋の中にネコ用の餌入れを置き、家から持参したキャットフードを毎日支給していた。
翌日にはなくなっているから、ちゃんと食べていることは間違いない。

いつもはチャッピーの散歩を済ませ、水を替え、ご飯をあげて、最後にネコ用のフードを入れてから戻っていたが、ある日、何の気なしに最初にネコ用のフードを入れてから散歩に出たら、戻ってきたとき、真っ黒な子ネコと鉢合わせした。
最近生まれたばかりだろうか。どこかに隠れて母ネコのおっぱいを飲んでいたのが、ようやくフードが食べられるくらいになってひょこひょこ顔を出したらしい。
でも、僕の姿にびっくりしてすぐに納屋の壁の裏側に逃げ込んでしまった。

そんなことが何日か続いて、ようやく写真に撮れたのがこれ↓

チャッピーの家の納屋で生まれた黒い子ネコ



2011/09/15  親ネコもだんだん慣れてきて、少しずつ距離を縮められるようになった。でも、ここまで来るのにずいぶん時間がかかっている。



2011/09/15 え? もう一匹いたのか! 黒い子ネコ



母ネコと黒い子ネコ2匹

ん? 一体何匹いるんだここには……



重なってよく分からないかもしれないが、手前にはクロネコが3匹。2匹は子ネコで、1匹は若いネコ。


2011年9月5日の日記の最後にはこう記されている。
多分、グレーの母ネコはこの家で飼われていたネコがそのまま残っているんだろう。
他の連中は勝手に居着いたんじゃないかな。
この母ネコはまだ名前がない。というか、多分、この家での名前があるはず。
須実ちゃんやマックの父親疑惑濃厚なのは、屋根の上を徘徊しているシロもどきみたいなぶちネコ。こいつは「やねお」としておこう。

僕が代わるまで、チャッピーのお散歩を担当していたお隣のよーこさんの話では、黒い子猫が二匹いて、一匹は車に轢かれて死んでしまったので埋葬したという。
その生き残りがここに映っているくろすけだと思う。だから、まだくろすけは大人になりきっていないんじゃないか、というのが僕の推理。それともこれはまた別のくろすけなのかな。全然分からないな、真っ黒なネコは。見分けがつかない上に、成長期にあるやつは見るたびに大きくなるわけだから。

ああ、猫缶がいくらあっても足りない。

いっそ、川内村はネコ村にしたらどうか。
観光資源としてのネコ。台湾にはそういうのがあるらしい。炭鉱跡の村が自然にネコだらけになって、ネコを見に国中から人がやってくるんだとか。
それ、いいじゃないの。


何度も通ううちに、ようやく全体像?が分かってきた。
白黒ネコが父親。キジトラが母親。小柄な若いクロネコが1匹。そして生まれて間もない黒い子ネコが2匹。
母ネコは最初、ご飯をもらっているときも「フー」っと唸っていたので、ふ~ちゃんと名づけた。
黒い子ネコ2匹は真っ黒なので見分けがつかないが、二匹揃っているときに観察していると性格がずいぶん違う。
最初に見つけたほうは、すぐに納屋の隅に隠れてしまうので須実(すみ)ちゃんと名づけた。
もう一匹はちょっときかん気の顔で、食べるときもこっちの顔を見ながらう~~と唸りながらガツガツ食べる。でも、近づくとすぐに逃げる。真っ黒なので「マック」と名づけた。
クロネコが3匹なので、名前も大変だ。クロはとっくに使用済みだし。
大きめのクロネコは最初からちょろちょろ姿を現して、人なつこそう。最初は「くろすけ」と呼んでいたが、黒いのが3匹もいるので、「チョロ」と改名させた。
いつもちょろちょろと姿を現したり消したりするから。
最後まで姿を現さなかったのが父親ネコだが、ある日、屋根の上をドタドタと大きな物音を立てて歩いているやつがいて、そいつがふっと姿を現した。
シロやウッシーと同じ系統の黒白ネコ。
屋根を歩く大きな音が最初の挨拶代わりだったので「やねお」と名づけた。
これでやねおとふーちゃんを親とする「やねお一家」の全貌が掴めた。
父親・やねお。母親・ふーちゃん。兄貴・チョロ。そして双子の子供、須実ちゃんとマック。

やねお一家はしんちゃん一家に比べるとつき合いやすそうだったが、それでも触るまでは近づかせない。
須実ちゃんとマックだけでも捕獲して連れて行けないだろうかと何度か試みたがダメだった。
今のところこの納屋にみんなで仲よく暮らしているんだし、まあいいか。きりがないしなあ……。

一家勢揃いの図


そんなわけで、この時期、僕はすっかり川内村の「いきものがかり」という感じになっていた。






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「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
複数の中学校・高校が入試問題(国語長文読解)に採用。大人にこそ読んでほしい!

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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