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のぼみ~日記 2015

2015/09/19

一夜明けた国会前へ


新鹿沼駅へ向かう。先日の大雨で流された家屋のところで作業しているのが見える



午後、TBSラジオに出演するために久々に上京。
今日から東武線特急が運転再開しているというので新鹿沼まで送ってもらった。鹿沼の河川氾濫現場を通る。土砂崩れでひとり亡くなった現場も遠くないはず。(ちなみに日光市で男性が排水口に呑み込まれて亡くなった現場はうちのすぐ近所だった)
東武線は一部で徐行運転をしているため、30分くらい遅れていた。
明日午前中の番組なので、前泊しなければ遅刻していたかもしれない。

その後、国会前に向かった。
強行採決から一夜明けた国会前の風景を見ておきたかった。
国会議事堂前駅は出口が一部封鎖されていて、駅構内からなかなか出られないという情報もあったので、念のため一つ前の霞が関で降りたが、土曜日の霞が関は閑散としていた。

今日から運転再開のスペーシアだったが、20分以上遅れて到着。北千住には30分遅れて到着。



霞ヶ関駅構内はほとんど人がいなかった。



国会前へ向かう。自転車に乗る人がいっぱいいることに驚く。



国会前庭の外で集会らしき一群がPAを使って気勢を上げていたが、想像よりはるかに人は少なかった。



これが一夜明けた国会前の風景。



国会前庭というのがあるのを初めて知った。



その前庭の外の石垣で寝ている人。デモ集会に参加したままずっとここにいるのだろうか。



国会前庭に入って飲み物を買う。70円からある。この心遣いが国会の中の運営にも必要じゃないのかね。



大きな灯籠。いつのものだろうか。





かっこいいのか悪いのかよく分からない時計塔。



就学前くらいの子供が「水だ~!」と歓声を上げながら駆け寄ってきた。笑顔で散歩する一家。のんびりした土曜の昼下がり。



前庭の中をパトロールする警官も暇そう。





こんなものもあるのね。



ベンチに座って空を見ていたら蚊に刺された。



「安倍政治を許さない」のプラカードを横に置いて談笑する熟年夫婦。もしかするとここで再会した学生時代の盟友同士?



人がまばらな前庭内通路を歩く。すぐ外からはシュプレヒコールや演説がずっと聞こえている。



間違いなくここは国会前。



永田町一丁目一番地はここなのだね。



お堀脇の歩道は引っ切りなしに市民ランナーが駆けていく。これが東京の風景なのだなあとしばらく見ていた。



昨日とはうってかわってのどかですねえ、とでも話しているのだろうか。



この後は銀座で待ち合わせているので、そろそろ行くか……。



どうせなら、ここから日比谷を通って銀座四丁目まで歩いてみよう。

祭りの後の……などと言うつもりはない。しかし、なんとも不思議な空気感だった。
いろんな人がそれぞれの思いを抱いて、自由意志でここに集まってきていたのだということがよく分かった。
昔の安保反対闘争のような暴力沙汰は起きない。怪我人や死人も出ない。ゲバ棒や火炎瓶もない。
時代は変わった。
とてもいい変わりかただと思う。
だからこそ、この平和な社会を壊してはいけないと、強く思った。激しいデモ風景を目の前にするよりも、むしろこの日常風景をここで見たことがよかった。

国会議事堂の中と外で、あまりにも隔絶した空気。価値観。人の顔。
票読みや利権の奪い合いで毎日汲汲としている人たちに、この国の合理的、公平、安全な運営などできるはずがない。彼らが自負している「政治家としてのプロ意識」は根底から間違っている。勉強していない上に、生活感を持っていない人たちが議員バッヂをつけて中身のないプライドだけ持ってあの建物の中で蠢いている。
そのことを、理屈だけではなく、肌で感じ取ることができたひとときだった。

「戦争ができる国」の前に、すでに「武器を売り、買う国」に

9月16日のTBSニュース。もうすぐ見られなくなるけれど動画が⇒こちらにある。
安保法案が強行採決される前から、日本政府はロンドンで開催中の世界最大の「武器展」にブースを出して武器輸出などのPRをしている。
「日本の政策が変わってきているということを示すのが重要。我が国民や国土を守るための安保法制があり、装備移転三原則があるということ」(防衛省 堀地徹 装備政策課長)

「人を殺すために設計・製造しているわけではなくて、セルフディフェンスのためにしている。(安保法案成立で)ビジネスチャンスが増えるかなと思う」(出展した日本企業担当者)
「世界中の国に武器を売ってきたけど、これまで日本に売る機会はなかった。早速、日本側とコンタクトをとってみるよ」(米軍事企業担当者)

何をどう言いつくろったところで、武器は人を殺すための道具であり、あれば使うのが人間。
戦争に巻き込まれる可能性云々より前に、人を殺す道具を売るために政府が武器商人たちと一緒に外国の武器展でPRをする、戦争ビジネスに活路を求める国(そういうのを「普通の国」と呼ぶらしい)になりたがっている、すでになってしまったということを、しっかり認識しなければいけない。

「昔と今では『戦争』の意味も質も違う」と、日本の現政権やそれを支持する人たちは主張する。戦争ビジネスマンも同じことを言い訳として言う。
ある意味では確かにその通りだ。
昔と今では戦争の意味や質が違ってきている。
富国強兵をスローガンに武力増強に必死になっていた明治政府の時代とは違って、現代では、戦争は世界最大のビジネスツールになっている。
経済成長だのGDPだのというものとも密接にリンクしている。
でも、そういうものでビジネスゲームに参加しなくても、平和に、幸福に暮らせる国こそ、本当の意味で「強い国」なんじゃないの? 困難でも、そういう国をめざすのが賢い政治であり、強い経済なんじゃないの? 

太平洋戦争敗戦後、焼け野原から生き残った人たちが着の身着のままで立ちあがり、知恵を絞り、真面目に働き、「技術大国」と呼ばれるようになった日本の歴史。その戦後史の終わりは「やっぱり私たちは技術や勤勉さで勝負することはできませんでした。戦争ビジネスで巨大化した国際資本には勝てません。負けを認めます。なんでもしますから子分にしてください。今まで以上に金も命も差し出しますから」って白旗を掲げることだったのか。
本当に強い国になることを簡単に諦め、二度目の白旗を掲げたのが現政権であり、今回強行採決した安保法制の中身ではないのか。

日本はアメリカに二度負けたのだ。




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「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
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第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
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第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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