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のぼみ~日記 2015

2015/10/29

床下にもぐる




今の家に引っ越して来てから、一度、床下にもぐった。家の基礎がベタ基礎なのか布基礎なのか、外から見ただけではよく分からなかったからだ。
点検口がどこにあるのかを突きとめるのが大変だった。和室の畳を1枚ずつ持ち上げてもそれらしきものは出てこない。もう諦めようかと思ったとき、ようやく見つかった。

もぐると、基礎はしっかりベタ基礎だったのだが、床の裏側にはめ込んだ発泡スチロールの断熱材が何枚も落ちていた。本来なら接着剤や両面テープでしっかり固定しなければならないものを、作業が面倒で単にパコンパコンはめ込んだだけにしていた。手抜き工事だな~。
壁や天井裏なら板でサンドイッチされるからそれでいいのだが、床下は落下しちゃうでしょうに。

で、おそらく3.11のときに何枚も落下したのだろう。ある程度はめ込んだが、これはまた落ちるな……と思っていた。

それから2冬くらい、点検しなくちゃと思いつつやらなかったので、本格的に寒くなる前にまたもぐってみた。
案の定、何枚かは落下していたので、這いつくばりながらなんとかはめ込む。
多少は断熱に差が出たかしら。


手前に見えているのが落ちた断熱材



しっかり貼り付けていないではめ込んだだけなので、何枚かすでに落ちそう


2015/10/30

屈伸運動?




毎朝、のぼみ~はベランダに出たがって騒ぐ。天気がいい日は特に。
み~は放っておいてもいいのだが、のぼるはちょっと目を離すと屋根に飛び移って進退窮まり、とっても面倒なので見張っていないといけない。
こないだ造ったベンチ2つをつかって屈伸?でもするか……。

ベンチ1号とみ~



ベンチ2号とのぼる



夕方、久々にお散歩


「地方創生」って言葉、軽すぎるし、胡散臭いよね



テレ東の『カンブリア宮殿』10月29日放送の 「田舎の埋もれた宝を“デザイン”の力で輝かせる男!  梅原デザイン事務所  梅原 真(うめばら まこと)」を見た。

佐野研二郎事件の後だけに、似たような仕事をしていてもずいぶん生き方が違うなあと、興味深かった。

高知県の旧・十和村(現・四万十町)。人口3000人足らずの地域に年間15万人が訪れ3億3000万円売り上げる道の駅がある。オリジナル商品のパッケージが評判だ。同じく高知の港町では、お母さんたちがキビナゴの塩漬けを手作りしている。これもパッケージが目立つと人気になり、東京の伊勢丹でも売っているほど。これらのパッケージデザインやコピーを手がけたのは、デザイナーの梅原真。梅原は高知県に住み、一次産業を元気にする仕事ばかり手がけている。田舎がかかえる劣等感は、考え方ひとつで魅力に変わると梅原は言う。一見「なんにもない」地方の埋もれた商品の魅力を引き出しヒットさせてしまう、その手腕を取材!
番組PRページより)

人口3000人足らずの村というと川内村と同程度。そんな田舎にも、こういう人がいて、地域の人が一緒に努力すると自立経済が芽生える。
川内村でゆくゆくは僕もこんな感じのことをやれたら……という思いがあった。それを進めていく前に、風力発電問題が起き、原発が爆発した。
四万十にもおそらくそうしたことはなんやかや起きているはずだが、それでも何人かの人と気持ちがうまく響き合い、なにがなんでもやるんだという強い意志があるところにはこうした光もさす。

番組のまとめで梅原氏がストレートに言ったことは、ことごとく頷ける。








……そういうことだよね。

ただ、これは簡単なことではない。個人の力だけではどうにもならない局面が多々出てくる。

ボランティア組織が、事業型NPOへの成長に立ちはだかる「死の谷」とはなにか、どう乗り越えるのか


この秋元祥治氏の話もなかなか考えさせられる。

ボランティア型の市民団体やNPOが、事業で自立していく事業型NPOに発展・成長していく過程には、単に連続的ではない「死の谷」があるという話。
何かしらの問題意識や高い志から活動を始めたリーダー(個人もしくは複数)に共感する人々が一緒になって取り組みをしていくが、その先には「明るい社会、暗い家庭」と揶揄されるような難関が待ち構えている。

そこで行政がどういうスタンスで力を貸すか、センスと情熱を持った行政マンがいるかどうかが大きくものを言う。
例えば、広島県神石高原町(じんせきこうげんちょう)にあるNPO法人ピースウィンズ・ジャパンが、殺処分前の犬を引き取り、獣医師による診断、ドッグトレーナーによるしつけを行い、新しい飼い主を探しているという活動
「ふるさと納税」制度と組み合わせたことで資金が集まるようになったそうだが、これなどは行政との連携なしでは実現できない。つまり、自治体に同じ価値観・感性を持っている職員がいないと無理だ。

次に、

日本の農山漁村は世界の先頭にいる。『東北食べる通信』編集長・高橋博之さんが語る、日本活性化計画


これもとても共感する記事だった。

高橋氏は岩手県の県議会議員を2期務めた後、2011年、3.11後の知事選に立候補して落選。その後は『東北食べる通信』という情報誌を創刊して、今は全国の食文化、地域特産物情報などを発信しながら日本の一次産業をどう強くするかを考え、奮闘している。
県議の活動のなかで知ったのが、一次産業、つまり農業や漁業などの問題だったんです。「食えない」「担い手がいない」という声をあちこちで聞いて、農村を歩いて生産者から話を聞くようになりました。
もちろん課題もたくさんあったのですが、そこにあったのは、自然と向き合う彼らの世界の豊かさと、リアリティ。もう圧倒されました。「食べものの裏側にいる生産者と、消費者をつなげたい」という気持ちが強くなっていったのです。

このスタンスは最初に紹介した土佐の梅原真氏と共通する。
梅原氏は自分が「面白い」と感じ、依頼者のやる気が本物だと思える仕事しか受けない。その結果、自然と一次産業が中心になるという。巨大な金が動くのがいい仕事と考える大手広告代理店的な思考とは相容れない。

話を高橋博之氏に戻すと、彼は「都市か地方か」ではなく、どちらの長所・短所も知った上でバランスのとれた社会を実現することが必要だと説く。



……と、このインタビュー記事の中には名言や頷ける視点、考え方がいっぱい詰まっている。

さらには、
いきなりは変わらないけど、読者はもちろん、若い人や学生など、ただ消費して暮らすことに飽きている人たちが農山漁村に目をつけ始めています。人口比率で言ったらまだ少ないけれど、消費者の意識が確実に変わり始めていますよ。
きっと、3、4世代くらいの時間がかかるのではないでしょうか。
でも、未来を見据えた大きな目標があれば、日々の失敗や批判はどうでもよくなる(笑)。
目先しか見ていないとくじけるんですよね、うまくいかない時に。
僕はこの活動に人生をかけています。自分が死んだ後もこのうねりが続いていくような意識でいますから。

……という取り組みのスタンスにもとても共感する。
僕自身、自分が生きている間にできることはほんの入り口、ヒントを提示できるかどうかで、僕が死んだ後に芽を出す種になるかどうかが勝負だと思っている。
実は生らないかもしれない。実らない可能性のほうが圧倒的に高いだろうけれど、種をまいてから死んだほうが楽しく死ねる気がする。死んじゃったら結果は見えないのだから、いい夢を見ながら死ねるんじゃないかと。

新唱歌シリーズ日光クリックなんかも、みんなそういう気持ちでやっている。じゃないとやれないよね、特に今のようなご時世だと。


最後にもう一つだけ。
連日ニュースになっているマンションの杭打ちデータ改ざん事件から、一級建築士・マンション管理士の廣田信子さんのブログやメルマガの一部を読む機会を得た。
その中で、今年6月の記事「関心を寄せて何も言わないのは無関心じゃない」は、とても共感できる話だ。
「常に価格を比べて一番安いところに発注するのは当たり前」という考え方には大きな落とし穴がある。
「社会はつながっているのだから、体を血液がさらさらと流れるようにお金がスムーズに流れることが健全な社会を維持するためには必要」だと彼女は言う。
ピンポイントで、ここにいくらかかるか、ではなく、社会全体の健康状態を維持するという考え方が重要だ、と。


こんな状態で、いい仕事ができるはずありません。

たくさんの人が仕事を辞めていきました。
新しく本気で現場の仕事に参入する若い人なんていません。

で、東日本大震災が起こって、復興工事に人手がいるといっても、現場の職人さんがいないのです。職人さんの取り合いです。

今、東京オリンピックを前に、人手はいくらあっても足りないと言われますが、職人さんは急に降ってわいてはこないのです。


浦安市の道路の復旧工事もなかなか予定通りに進みません。
人がいないのです。

現場で働いている人は、70代と思しき人も多くて、引退した人をまたかき集めている状態で、こんな高齢の人を厳しい現場で働かせていいのか…と思わず心配になってしまいます。

社会システム云々という話はありますが、それより以前に、一人一人が、自分の生活を支えてくれている人に少し思いを寄せたいと思うのです。
私は、自分たちが「より安く」を求め続けることで、そういう現場にしわ寄せがいってしまうのが悲しいんです。


今、テレビでは杭打ちデータ改ざんの責任はどこがどうとるのかといった話題でもちきりだが、根本的には、社会を構成するすべての人が、他人の生活や仕事に対して、ほんの少しでもその人の立場に立って思いを寄せることができるかどうか、ということがとても重要なのではないだろうか。
「無関心で任せきりというのは、支出に無関心ということだけでなく、自分の生活をさせてくれている人にも無関心ということ」
そう、これは極めて根本的なこと。
またまたしつこく書いてしまうが、「クラウンじゃ嫌だ、レクサスにしろ。新車の納車まで待てないからそれまでリースしろ」とごねるような人間が「地方創生大臣」をやっているような国では、みんな頑張る気力がなくなってしまう。

そんな政治の下、風潮の中でつぶされずに生き抜くには、「個」を失わないことと、個と個がしっかりつながることしかない。ここでいう「個」とは、「守るべき、伸ばすべき個性」と言い換えてもいい。地方創生とか言う前に、まずは「個人」がしっかり自分の幸福感、価値観を見つめることから始めるしかない。
無関心・無責任は自滅型全体主義に加担する結果につながることを忘れないようにしたい。



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「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
複数の中学校・高校が入試問題(国語長文読解)に採用。大人にこそ読んでほしい!

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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