高知県の旧・十和村(現・四万十町)。人口3000人足らずの地域に年間15万人が訪れ3億3000万円売り上げる道の駅がある。オリジナル商品のパッケージが評判だ。同じく高知の港町では、お母さんたちがキビナゴの塩漬けを手作りしている。これもパッケージが目立つと人気になり、東京の伊勢丹でも売っているほど。これらのパッケージデザインやコピーを手がけたのは、デザイナーの梅原真。梅原は高知県に住み、一次産業を元気にする仕事ばかり手がけている。田舎がかかえる劣等感は、考え方ひとつで魅力に変わると梅原は言う。一見「なんにもない」地方の埋もれた商品の魅力を引き出しヒットさせてしまう、その手腕を取材!
(番組PRページより)
県議の活動のなかで知ったのが、一次産業、つまり農業や漁業などの問題だったんです。「食えない」「担い手がいない」という声をあちこちで聞いて、農村を歩いて生産者から話を聞くようになりました。
もちろん課題もたくさんあったのですが、そこにあったのは、自然と向き合う彼らの世界の豊かさと、リアリティ。もう圧倒されました。「食べものの裏側にいる生産者と、消費者をつなげたい」という気持ちが強くなっていったのです。
- 今の地方創生議論には新しさがない。なんだかんだいって、経済だ、雇用だと、結局成長を目指している
- 成長を目指すから負けが生じる。成長を価値とする社会のあり方は続かない
- 貨幣や雇用を生んでも、そこで働く人たちが幸せにならないと意味がない
- 今の地方創生には、「農山漁村はこのままだとなくなってしまうから助けないといけない」「地方は可哀想だからなんとかしなくちゃ」という文脈や、「負けている連中が(失ったものを)取り返す」といった悲壮感も漂っているように感じる
- 個人を重視する外に開いた風通しのよい「都市型社会」と、共同体を重視する内に閉じた「地方型社会」。どちらも単体では行き詰まっている。
- そこで必要なのが「都市と地方をかき混ぜる」という視点。地方だけで自立するのは難しい
- 地方の人たちと都市の人たちの両方が、自分たちの生存基盤となる新しいコミュティを形成する住民になれれば……
いきなりは変わらないけど、読者はもちろん、若い人や学生など、ただ消費して暮らすことに飽きている人たちが農山漁村に目をつけ始めています。人口比率で言ったらまだ少ないけれど、消費者の意識が確実に変わり始めていますよ。
きっと、3、4世代くらいの時間がかかるのではないでしょうか。
でも、未来を見据えた大きな目標があれば、日々の失敗や批判はどうでもよくなる(笑)。
目先しか見ていないとくじけるんですよね、うまくいかない時に。
僕はこの活動に人生をかけています。自分が死んだ後もこのうねりが続いていくような意識でいますから。
- みんなが、「できるだけ安く」を追求すると、現場で働く人たちにしわ寄せがいく
- 建築の世界でも、長引く不況で、建築コストがどんどん下げられ、時にはゼネコンがとった工事を下請けに赤字の価格でやらせる
- 下請けは仕事がなければ倒産してしまうので、自転車操業になり、赤字でも請けざるを得ない
- 結果、現場では、職人さんたちが日当にもならない価格で請けたり、素人同然の安い人に仕事を回すことで熟練の人が消える事態が起きる
こんな状態で、いい仕事ができるはずありません。
たくさんの人が仕事を辞めていきました。
新しく本気で現場の仕事に参入する若い人なんていません。
で、東日本大震災が起こって、復興工事に人手がいるといっても、現場の職人さんがいないのです。職人さんの取り合いです。
今、東京オリンピックを前に、人手はいくらあっても足りないと言われますが、職人さんは急に降ってわいてはこないのです。
浦安市の道路の復旧工事もなかなか予定通りに進みません。
人がいないのです。
現場で働いている人は、70代と思しき人も多くて、引退した人をまたかき集めている状態で、こんな高齢の人を厳しい現場で働かせていいのか…と思わず心配になってしまいます。
社会システム云々という話はありますが、それより以前に、一人一人が、自分の生活を支えてくれている人に少し思いを寄せたいと思うのです。
私は、自分たちが「より安く」を求め続けることで、そういう現場にしわ寄せがいってしまうのが悲しいんです。
「無関心で任せきりというのは、支出に無関心ということだけでなく、自分の生活をさせてくれている人にも無関心ということ」そう、これは極めて根本的なこと。
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