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のぼみ~日記2016

2016/08/23

親父の入院と認知症


日記がしばらく更新されていなかったのにはわけがある。
……悩んだのだが、ここから先の日記は赤裸々に書いていくことにした。

なぜなら、これは多くの人たち、いや、すべての人たちが必ず抱えなければならない問題だと思うから。

22日夕方、親父から珍しく電話がかかってきて、明日、病院で下肢静脈瘤の検査があるのだが、医師から「ご家族のかたに来てもらってください」と言われた……云々と。
下肢静脈瘤というのも初めて聞くし、どういうことなのかと問い詰めても答えが要領を得ない。仕方なく、病院に電話して直接事情を聞いたところ、「すぐに入院させて手術をしなければいけないほど悪化しているのだが、本人がどうしても入院は嫌だと言って帰ってしまった。こちらとしては縄で縛り付けてでもというわけにはいかないので、ご家族のかたに来ていただかないと困る」とのこと。
青天の霹靂。
翌日、急遽病院へ。
診察室で親父の脚を見て唖然とした。赤黒く変色し、細く木の枝のようになった脚は皮膚がどろどろになって剥けていて、壊死した肉が見えている。化膿した浸出液がズボンにしみ出していて、ズボンを脱いだ途端に診察室に腐臭が満ちた。原爆のドキュメンタリーフィルムかと思うような光景。
担当の医師曰く、「私も長いことこの病気の人は診てきましたが、ここまで悪化させた例は初めて見ました」。
なぜそこまで放っておいたのか。しかも隠して。

親父は病院嫌いではない。むしろ健康マニア、診療マニアとでもいえるほどで、毎月、かかりつけの医師のところに健康チェックに行っている。そのかかりつけの医師が、「これはもううちでは手に負えないから、今すぐタクシーに乗って総合病院へ行ってください」と送り出され、迎え入れた病院でも「これはひどいから、このまま入院してください」と説得したのに、そんな脚でよちよち歩いて帰ってしまったらしい。

認知症も想像以上に進んでいて、話があちこち通じないし噛み合わない。
とにかく入院手続きを済ませ、手術の承諾書にサインした。
親父から鍵を受け取って、マンションの部屋に入ると、部屋の中がぐちゃぐちゃで、あちこちに汚物の袋やら何やら。
同じものがたくさん、手つかずで放りだしてある。何も書いていないノート、手帳、ありとあらゆる文房具……。そして高価な本の山。
それでも相当片づけて、大量にゴミにだした後だという。

部屋のあちこちに、大量の処方薬。去年の日付のものもある。飲んだ形跡がない。合計100万円分くらいあるのでは……というくらい、山になっている。
認知症の薬も飲んでいなかったようだ。
これはもうひとり暮らしをさせておくわけにはいかない。
憂鬱な気分で、この日は日光に戻った。

親父の脚の写真を撮ったが、あまりにグロいのでページ埋め込みは自粛。

2016/08/25


ストレスを抱えたままではこちらもまいってしまうので、いつも通りにレオと散歩



レオは復活していて、なかなか家に戻ろうとしない



稲がずいぶん穂を垂れるようになった



こちらはまだまだ実が入っていない



暑いので、水路を歩くことを覚えてしまったレオ



これから親父のことでどんどん金が出ていく。少しでも金に換えられるものは今のうちに……と、Fantomを売ることに


2016/08/26


テレビでは連日理解不能なことをやっている。だって、この人も仕事で大損害を受け、いわば「被害者」でしょうに、なぜ謝罪会見?



認知症、介護、老齢化社会……これらと「家族」の問題は密接にリンクしている。
行政でフォローできない問題がたくさんある。
だから、健全正常な家族の関係を築けないままお互い歳を取ると悲惨なことになる。

このところ、介護保険の申請とか、老人ホームの種類と現状とか、いろんなことを勉強せざるをえなくなっているのだが、「みんなの介護」というサイトのこの記事などは、若い人たちも読んでおくべきだろうと思う。


……最初のほうをまとめるとこんな感じになる。
真実が明らかになっていないのが問題ですよね。それが一番、困っちゃうんですよねえ。「このままいくと、こうなります」「あと30年くらいで年金が終わってしまう可能性があるので、年金制度を伸ばすためには荒療治が必要です」と政府が正直に言うんだったら、みんな「うーん」って考えますよね。でも、政府は絶対にそんなことは言わず、「100年安心です!」だなんて言っている。国民が何も知らないうちに、莫大な暗黙の債務が作られ、負担が先送りされてゆく。

例えば原発の場合、安全神話で我々は生きてきました。原発は危ないと言うことすらタブーという感じでね。「危ないなんて言ったら、何も知らない国民にまで波及して慌てるじゃないか」「国民が反対するかもしれないから、一切、もう言うな」と。「危険なんかなかったことにしよう、いかなる可能性も考えることすらだめだ」と。で、震災が起こって、「なんだこれは!」という事態にみんな、はじめてびっくりしたわけです。


……そう。今の日本は時限爆弾を抱えている。爆弾の管理者たちは老人で、自分が生きている間に爆発しなければいいや、それまで自分の安楽な生活と権力の快感を維持することがいちばんの課題だと思っている。

官僚は終身雇用、年功序列の世界。死ぬまで縛られて生きているようなもので、途中で責任をとらされる羽目になると大変な損失になるわけですよ。幹部になって組織の上にいけばいくほど、守るべきもの、背負っているものだらけです。特に、どんどん大きくなる退職金や年金、天下り先を背負っているので、身動きできずかわいそうなものです。下手に改革になんかに手を出して全てをパーにしないように、極端な事なかれ主義で生きていますから、リスクを負うことなんかできないですし、しようとはしないでしょうね。


……これはとてもよく分かる。
ひとりひとりの人間は、「いい人」「できる人」「温厚な人」「冷静で緻密な人」などなど、周囲からは好評価を得ている場合が多いだろう。
しかし、自分の保身が生きる原則になってしまい、それで出世街道をどんどん進んでしまうと、自分に課せられた本来の役割が何かを完全に忘れてしまう、あるいは考えないようにしてしまうのだろう。
実際にそうなっている人を見てショックを受けた経験もある。

現場がそうなっていることを、庶民である我々はどうにもできないから、今残されている条件、環境で、どれだけ個人的に対応できるのかを考えるしかない。

被害を最小限に抑えるためにはどうするか、合理的に考え、淡々と処理していく。その過程で自分がつぶれてしまわないように、精神をなんとか保ちながら。










『So Far Away たくき よしみつSONGBOOK1』

原発が爆発する前の2010年、阿武隈山中のスタジオにこもって制作した自選ベスト曲アルバム
「メロディの価値」を信じての選曲。20代のときの幻のデビュー曲から阿武隈時代に書いた曲まで、全13曲
iPhone、iPadのかたはiTunesストアから、アマゾンmoraでも試聴可能


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「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
複数の中学校・高校が入試問題(国語長文読解)に採用。大人にこそ読んでほしい!

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

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⇒立ち読み版はこちら
裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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