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のぼみ~日記2018


2018/06/29

サッカーワールドカップは「リアル世界」の縮図



目玉焼きにしか見えない……

サッカーワールドカップロシア大会が始まってすぐ、助手さん曰く。
「ワールドカップサッカーって、日本がどうのこうのっていわなければほんとに面白いのね」
……なるほど、その通りだな。
大国アメリカは予選落ちで出られない。ロシアは今回開催国だから出動しているけれど、中国は出られない。
地球儀で確認しなければどこに位置するのかも分からないような小国や経済弱小国、今も戦争をしていて毎日人が死んでいる国、つい最近まで独裁者が圧政をしいていた国が、4年に1度のお祭り騒ぎとして出てくる特別なスポーツイベント。
ロシアの競技場に押しかけたサポーターの数は、ヨーロッパ勢より中南米勢のほうが多い。お金はなさそうだけど、情熱が何倍もあるということだろう。
勝負だってきれいごとじゃない。シミュレーションとかダイブとかいわれる、審判を欺く詐欺プレイも「サッカーでは一つの技術」と見られるようなところがある。ネイマールやクリスチアーノロナウドといった超一流選手が「ダイブ」の名手としても有名だったりする。
選手の多くは決して幸福とはいえない子供時代を過ごし、サッカー選手として成功したことで人生を大逆転させたという経験を持つ。
勝つためにはチームとしての汚い駆け引きもある。
これはスポーツというよりは「リアル世界」の一片なのだなあ。
NHKでは日本チームが入ったグループHの対戦国の歴史や選手たちの生い立ちを紹介していた。それを知ることで、ますます試合を面白く見ることができる。
だから別に、日本がどうのこうのはいいじゃないか。予想通り全敗でも全然ガッカリなんてしない。
……そう思って見始めたら、日本チームが予想外に健闘し、これは決勝トーナメントに進めるのでは? という展開になった。
冷淡だったテレビは、掌返しで毎日はしゃぐ。
そしてグループリーグ最終戦。ラスト10分の「なんじゃこりゃ」。
……あれには唖然とするというよりはゾッとした。
一瞬でも、スポーツ観戦で日頃のモヤモヤやストレスを解消できると思った自分の甘さを呪った。
なんなんだあれは。


まあ、そうなるよね


選手の入場の際、子供たちの手を取って一緒に入ってくるのは、フェアプレーを誓う意味があるらしい。子供の前で恥ずかしいプレイはできない、ということで。
そんなことはな~んの意味もない、ただのお飾りだった。
「さらに前に進むために」「結果がすべて」とかなんとか言っているが、手段を選ばずただ次の試合に進むことが「よい結果」なのか。スポーツとはなんだったのか。
特に「結果がすべて」というフレーズには、どうしても自分の人生を重ねてしまい、どっと疲れる。僕だけでなく、世の中には「結果がすべてではないよ」と言ってもらったほうが救われる人たちがいっぱいいるだろう。そういう人たちに、あの試合はどんなメッセージとなって伝わったのだろうか。
「私たちを見て被災地の人たちに元気になってもらえれば」なんていう台詞もずいぶん聞いてきたけれど、むしろ、ストレスを与えられ、夢を砕かれ、現実社会の闇を見せつけられたんじゃないのかなあ。
政治も、企業運営も、行政も、教育現場も、自分が毎日通っている職場も……そしてスポーツまでもがこうなのか、と知らしめられた。これはもうコメディでも茶番でもなく、ホラーだ。


あの試合の翌日、Googleで「サムライブルー」を検索すると、こんなのが次々に出てきた。

もはやサムライじゃないので、

サムイブルー
落ち武者ネイビー
鳥籠ジャパン
ブルーレット臆だけ
オワライブルー
他力本願ジャパン
……

一方で、 「これがサッカーというもの」「戦術の一つとして評価できる」「あの決断ができる監督はすごい」
……とまあ、予想された文言もたくさん並ぶ。テレビに出てくる解説者のほとんどがそうだった。

そういうのを繰り返し見させられるうちに、考えが変わってきた。
これは純粋な「スポーツ」ではなく、ショービジネスなのだ。筋書きのないドラマを見せるショー。選手は、ショーを見応えあるものにする技術だけでなく、キャラクターも求められる。ずるいダイブやマヌケなプレーもショーの要素。
そう思い直して、最初の気持ち通り「リアル世界を見せるショー」をシニカルに観劇するという方向に切り替えた。
サッカーって、見ている人の性格を悪くさせるショーなんだな。

それにしてもトンチンカンな日本チーム

それにしても、である。
あのシーンで「このまま負ける戦術」を選ぶ監督なんて、他のどのチームにもいないだろう。
西野監督はサイコパスなのか? あの決断がすごいというなら、その才能はスポーツではなく株の仕手戦にでも発揮すればいい。企業の中間管理職とかなら、経営者から高い評価を得るのだろう。
世界中が驚いただろうな。なんなんだこいつらは……と。
礼儀正しいとか秩序を重んじるとか自我を抑えるとか、そういう日本人像、日本社会のイメージは今までずいぶん定着していたかもしれない。しかし、あのシーンで、他会場での試合結果を待たずに「このままどちらも点が動かずに負ければ決勝トーナメントに行ける。そうしよう」と、監督が瞬時に判断し、それを選手に伝え、選手全員がすぐさま従ったあの姿を、「気味悪いもの」として見た人も多かっただろう。
日本国内でも、ワールドカップのときくらいしか試合を観ないにわかファンの多くは、へえ~、サッカーってこういうものなのか、と、「引いて」しまったのではないかな。
あれで一体誰が得をしたのだろう。
ワールドカップが終わった後、Jリーグ人気が高まることはないように思う。サッカー選手に憧れている子供たちも、よ~し、僕も頑張ってワールドカップに出られるような選手になるぞ、と気持ちを新たにする……ことはないように思う。
「結果がすべて」の「結果」とはなんなのだろう?
「さらに前に進むために」の「前」には何があるというのか?

まだまだわだかまりは消えていない。でもまあ、1日お休みした次には、スアレスはもう噛みつかないのかしら、と密かに期待したり、ロナウドがパンツまくし上げている姿を解説者が「しっかり脚の筋肉見せてますね」とコメントするのを聞き逃さなかったり……なんだかんだで、「日本がどうのこうのと言わなければ、ワールドカップサッカーはそこそこ面白い」と思いながら見ているのであった。

上が東京、下が日光の天気予報。なんでこっちのほうが暑いの?




↑これは私の「遺言」です。大人にこそ読んでほしい



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