阿武隈日記 05/08/17

天山文庫



川内村の二大名所はモリアオガエル棲息地の平伏沼と、詩人・草野心平ゆかりの天山文庫。
平伏沼は3回行ったが、天山文庫はいつも横目で見て通り過ぎていた。一度は行ってみるか……と、やや重い腰をあげて出かけてみた。
天山文庫の手前にあぶくま民芸館があり、まずはそちらを覗いてみる。


草野心平が新宿で経営していた「学校」という名の酒場(バア)を復元したコーナーらしい。
案内役のおじさんが、わざわざ古い電蓄、いやゼンマイ式だからそれ以前の蓄音機にレコードをかけて聴かせてくれた。立派な音がした。
そこにすぐ隣に住んでいるあぶくまのIT担当民間大臣いちかわさん登場。
「車が見えたから」
一緒に奥の天山文庫へ移動。
これは地主さんが建てた「気儘庵」という別荘だとか。
分厚い茅葺き屋根と近代的なデザインが同居する、立派な建物。なんだかとっても奇妙な存在感。入り口にかけてある銅鑼は、一度盗まれたことがあるとか。確かに盗みやすい大きさだ。よくまあ戻ってきたこと。
これが居間。囲炉裏があるが、煙で天井裏をいぶすようには設計されていない。そこが中途半端で嫌いだという人もいる。
角柱がなく、完全開放できるコーナーは斬新。これが分厚い茅葺き屋根の下にあるのだから、なんとも不思議な空間ではある。
普段は立ち入り禁止の二階を特別に案内していただいた。左は吹き抜け横にある和室。右は二階から見下ろした庭。
台所やトイレ、風呂場まで覗かせてもらった。裏側は普通の昭和の住宅。
うちにもぜひ寄っていってとのお言葉に甘えて、いちかわさんちにお邪魔する。このダブルドームを天山文庫だと思って迷い込む人がいっぱいいるらしい。実は僕も、最初はこのドームが天山文庫だと思っていたのだった。
道から見上げると、このドームハウスだけが見えるんだもんね。


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