阿武隈日記 06/08/18の3

寅吉の珍品灯籠発見!(3)

この都都古和気神社分社から北西にちょっと行ったところに須釜神社がある。この神社に寅吉の何かがあるらしいという情報を吉田さんから聞いていたので、地図に印が付いていた。そのまま忘れていたのだが、行ってみてびっくり。
ん? なんだこれは??


獅子の上に灯籠がのっかっている

重そうだなあ。ご苦労さんな獅子さん

灯籠の上には鳥がのっている。これはもう間違いなく寅吉!
寅吉が彫った墓石には、下に亀、上に鶴や鳩などの鳥があしらわれているものがいくつかある。借宿の新地山入り口(羽黒神社参道下)にある狛犬(寅吉)も、下が亀、上が龍という構図。
寅吉は灯籠や墓石を彫るにしても、ただでは彫らないというか、何か彫刻をつけくわえたがる。まさにそのパターン。

はっきりと「小松寅吉」の名が刻まれている
建立年は明治39年8月28日となっている。寅吉としては晩年(62歳くらい)の作。弟子・和平はまだ独立しておらず、和平の手もかなり入っているかもしれない。
台座には「三七八年戦役記念」と刻まれ「従軍士」として複数の人の名前が並んでいる。三七八年戦役というのは日露戦争のこと。また、阿側に「寳祚無窮」、吽側に「國運隆昌」と刻まれている。
日清日露戦争勝利に沸いたこの時代、全国の神社に多くの狛犬や灯籠、鳥居などが建立されているが、石工にとってはいちばん仕事のしやすい時代だったのかもしれない。これがもう少し時代が下って太平洋戦争勃発直前になると、狛犬の造形がやたらといかめしく、窮屈になっていく。



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