カエル図鑑(2)

ニホンアマガエル


2012/09/03 日光市手岡 家の敷地内にて
分布
日本中どこにでもいる、最も有名で見かけやすいカエル。田圃などで繁殖するが、民家の窓ガラスなどに虫を食べに来るので、ちょっと自然が残っている住宅街でも見ることはできる。

大きさ・容姿
20mm~40mmくらい。50mm以上ある緑色のカエルを見たら、シュレーゲルアオガエルではないかと疑ってみる必要がある。
シュレーゲルアオガエルとの見分け方は簡単で、目の後ろ側にはっきりと太い黒い線が入っていればアマガエル。また、鼻面が短いのも特徴。

体色は茶色にも変化する。茶色になったときは、雲形の模様がくっきりと表れ、一見してアマガエルとは思えない印象を与える。体色変化は、周りの色に合わせているわけだが、「自然に」変化するわけではなく、ある程度意志が働くようだ。夜などは土の上でも緑色のままだし、土色に変化した後、休息してしまうとそのまま緑色に戻るのが遅れることもある。
茶色に変色したニホンアマガエル
↑体色変化したニホンアマガエル

産卵
4~8月と、かなり長い期間、だらだらと断続的に行われる。卵塊はアカガエルのものに似ているが、比較的小さい。

孵化~オタマジャクシ時期
オタマジャクシは、成体に比べてかなり大きく成長する。大きいものは50mmほどにもなり、これは成長しきった親ガエルより大きい。
オタマジャクシの特徴は目が極端に離れていること。身体の両脇についている感じ。
他のオタマジャクシと混じって泳いでいることが多い。

変態
オタマジャクシは大きいが、変態直後のカエルは小さい。15mm程度。
シュレーゲルアオガエルやモリアオガエルの変態直後はもっと大きいので、尻尾がまだ取れ切れていない時期は、大きさで見分けがつく。
モリアオガエルとアマガエル
↑左上は変態直後のモリアオガエル。右下はアマガエル。変態直後で尻尾がついている状態でも、モリアオガエルのほうがはるかに大きい。

鳴き声
低気圧が近づくと雨を察知し「グエッグエッグエッ」とけたたましく鳴く。田圃に水が入った直後も、大合唱が始まる。身体の割に声量があるが、あまり美しい声とは言えない。

性格
アマガエルは、アオガエル科のシュレーゲルアオガエルやモリアオガエルよりも、むしろヒキガエル科に近いそうだ。言われてみれば、顔が寸詰まりになっているところや、体表から毒素のある体液を分泌するところなどはヒキガエルに似ている。
しかし、行動はまったく正反対。アマガエルは絶えず動き回り、じっとしていない。危険を冒してでも積極的に餌を求めて人家の窓などに張り付いているが、近づけばすぐに逃げる。
要するに、うまく世渡りしている。
雨が近づくと、グエッグエッと、あまり美しいとは言えない声で鳴く。このへんは付和雷同というか、一匹鳴き出すとたちまち行動を合わせる。
周囲に合わせてうまく立ち回るその性格ゆえか、日本中どこにでもいて、数も多い。
アマガエルは群れる?
行動もどこか軽くて、ヒキガエルのような「孤高」のイメージは薄い。


日光のアマガエル
ゴルフ場建設や宅地造成などによって湖沼や森は激減したが、田んぼはふんだんに残っているので、アマガエルは普通に見ることができる。
わが家の敷地内にも何匹か定住?していて、昼間は日影でじっとしている。

ヒメシャラの枝にいるニホンアマガエル (2012/09/03 日光市の自宅敷地内)


郵便ポストの下にいつもいる↑ 昼間の隠れ場所を大体決めている子が多いようだ
(2012/09/03 日光市の自宅敷地内)


2013/04/11 オオカミ池に最初にやってきたのもアマガエルだった↑

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ヒキガエル科

アズマヒキガエル

アマガエル科

ニホンアマガエル

アカガエル科

ヤマアカガエル  ニホンアカガエル  タゴガエル  トウキョウダルマガエル  ツチガエル

アオガエル科

シュレーゲルアオガエル  モリアオガエル

ヌマガエル科

ヌマガエル(「アカガエル科」としているものもある)


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