上田町の屋台
白木造り・白木彫刻様式
明治の火災で上田町の旧屋台(文政5年製作)は消失したが、彩色彫刻10種21枚が消失を免れた。
残った彫刻の裏には「文政5年6月」・「鹿沼上田町中 宇都宮大町後藤周次正秀」・「日光御五重塔彫物方棟梁後藤周次正秀」という銘があり、彫刻師と年代が分かる。
現在の屋台は、市制5周年を記念して昭和28年に新造されたもの。
当初、消失を免れた旧屋台の彫刻を取り付けていたが、傷みが激しく保存が難しくなったため、平成2年から全面的な復元作業が行われた。担当したのは大田原出身、現鹿沼在住の彫刻師・黒崎嘉門(黒崎孝雄)。旧屋台にあった後藤周次正秀作の彫刻を模して、3年をかけて新たに彫られた。
鬼板(おにいた)と懸魚(げぎょ)に玉眼入りの「飛竜」。内室欄間は「唐獅子牡丹」。内室琵琶板は「菊と小鳥」。
平成5年6月に石塚知興の作とされる欄間と腰のついた額入り彫刻障子脇障子もとりつけられた。平成2年鹿沼市有形文化財指定。
◆解説は鹿沼市観光協会のWEBサイト、鹿沼ぶっつけ秋祭りの公式パンフレットなどを参照・引用しています