彫刻屋台の世界

「彫刻屋台」の魅力を探る

東下ヶ橋の天棚
宇都宮市東下ヶ橋の「天棚」
日光東照宮の造営にあたっては全国から一流の工芸、塗り、大工、石工、金工など、様々なジャンルの職人が集められました。その後も制作物の保守のために一定数の職人が出入りし、次第に周辺の今市や鹿沼などに住みつく者も出てきました。
これら一流の職人と、地元の人たちの信仰心・遊び心がうまく合体して出来上がったのが「彫刻屋台」という特異な文化遺産です。
東照宮の絢爛な建造物、工芸品の数々は権力者のシンボルとも言えますが、彫刻屋台は庶民が自腹を切り、自分たちが楽しむため、自分たちの精神文化、信仰心を表明するために「作りだした」ものです。

しかし、この「彫刻屋台」という庶民の力が生み出した文化遺産を、ほとんどの日本人は知りません。東照宮の三猿や眠り猫は知っていても、彫刻屋台は知らないという人がほとんどでしょう。日光を訪れる外国人観光客も、もちろん知りません。
鹿沼には新旧合わせて27台の彫刻屋台があり、毎秋、「鹿沼秋祭り」に登場します。日光(旧今市)の彫刻屋台は、今市のものは近年、祭に出されるようになりましたが、大沢や文挟などにあるものは長いこと倉庫から出されておらず、なかなか見ることができません。
他にも、栃木県内では宇都宮市の徳次郎町に6台宇都宮市の石那田に6台大田原市、益子、茂木、真岡などにもあります。
さらには車輪がない定置型の「天棚」と呼ばれる屋台も宇都宮市内を中心に点在し、近年、少しずつ公開するようになってきました。
これらの彫刻屋台の魅力を一人でも多くのかたに知っていただくことで、長く保存していけるように願っています。

鹿沼の彫刻屋台

江戸時代から平成の製作まで27台あり、毎年10月上旬の土日、2日間にわたる「鹿沼秋祭り」に登場します。
その他、屋台のまち中央公園の展示室に3台、木の伝統文化伝承館に1台、仲町屋台公園展示倉庫に1台、鹿沼市文化交流館に2台が通年展示されています。

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徳次郎の彫刻屋台

宇都宮市徳次郎町の6地区にある彫刻屋台は鹿沼の屋台をも圧倒するほどの高度な技術と個性を持っていて、驚かされます。
残念なのは、3年に1度の祭の日にしか収蔵庫から出てこないのと、出すとすぐに大量の提灯をつけてしまい、肝心の彫刻が全然見えなくなってしまうこと。
2016年の付け祭の前に6台全部、合計4000枚以上の写真を撮らせてもらいました。普段見ることができないだけに貴重な画像です。

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今市の彫刻屋台

江戸末期から明治期にかけて製作された6台があり、2009年から毎年10月中旬の日曜に開催されている「今市屋台まつり」に登場します。
彫刻の素晴らしさは鹿沼の屋台に勝るとも劣りません。鹿沼の祭りほど知られていないため人出も少なく、じっくり鑑賞することができます。
他に文挟にも1台(市指定文化財)、大沢に1台ありますが、解体して保存されたまま、長い間、地元の人の目にも触れていません。この2台については写真さえ見たことがありません。

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文挟の彫刻屋台は長い間この倉庫に解体状態で眠ったまま↑

石那田の彫刻屋台

宇都宮市の石那田地区にも6台(桑原、六本木、原坪、岡坪、中根、坊村)の彫刻屋台があり、数年に一度、石那田八坂神社天王祭付け祭にてお披露目されています。
私はまだ実物を見たことがありません。
ネットを検索しても情報や写真があまり出てきませんが、解説が⇒ここ などにあります。
また、宇都宮市教育委員会文化課が作成した石那田八坂神社天王祭の解説DVDとリーフレットがあり、宇都宮市図書館各館と東図書館併設の視聴覚ライブラリーで試聴できます。

宇都宮の天棚

車輪のない代わりに二階建てで大型化した彫刻屋台が「天棚」で、宇都宮市内および近辺で発達しました。
東下ヶ橋、下田原町、古田町、板戸町などに残っています。中でも東下ヶ橋の天棚は高さが6mにも及ぶ巨大なもので、平成3(1991)年に宇都宮市の有形民俗文化財指定を受けました。

⇒東下ヶ橋の天棚を多数の写真で紹介した日記ページはこちら

大田原の彫刻屋台

4月の第3土・日曜日に「大田原市屋台まつり」が行われ、9台(荒町、上町、寺町、元町、下町、栄町、仲町、大手、、大久保町)の彫刻屋台が登場します。
祭りの運営はかなりしっかりされているようで、一つの手本になるかもしれません。
写真も豊富な案内ページは⇒こちら


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