2011/05/08の3

ヤマザクラ散歩


ヤマザクラがあちこちに咲いていて、今日あたりが見納めだと思ったので、「ヤマザクラ散歩」をした。

派手じゃないところがいいのよね


ソメイヨシノがシャンデリアだとすれば、ヤマザクラは節電型照明かな


何事も控えめが美しい……と


下から見上げると十分豪華

途中、1年のほとんどが留守になっている別荘をオーナーに代わってチェック。
外から見た限りでは地震の被害はないけれど、中ではいろいろひっくり返っているかもしれない。
いちばん放射線量が高そうな雨樋の出口に線量計を持っていっても、あまり上がらない。ここは排水管を地下にしっかり埋めて雨水を垂れ流していないため、庭に浸透していないようだ。

あら、我が家の室内と変わらないじゃないか


ヤマブキがちらほらと咲く森の中の道


シロバナエンレイソウ

いつも通りの春の草花。表面には放射性物質がついているんだろうが、人間同様、何も変わることなく今年も咲いている。
薄く汚染されたこの村で、今後なんとかなりそうな農作物はなんだろうか。蓄積しやすいキノコ類はかなり厳しいと思う。放牧された牛も、これから長いこと搾乳して売るのは無理だろう。努力して「飯舘牛」ブランドを育て上げてきた飯舘村の畜産業は本当に悲惨だ。原発雇用や交付金にぶら下がらず、自力で村の経済を築き上げてきたのだ。その歴史を一瞬にして壊した犯罪。到底金で補償しきれるものではない。

米は、白米で食べる限り、ほとんど影響がない。多分、今年、村内の田圃で作付けしても、秋に収穫し、精米してしまえば、検出できるセシウムは基準値以下どころか、検出不能レベルだろうと思う。
他の農作物に比べて蓄積の係数が桁違いに低いからだ。
大蒜も有望か。

お隣からいただいたジャガイモと大根を、我が家ではいつも通り食べている。
収穫は原発震災前だし、どちらも皮を剥いて食べるものだから……と、冷静に判断してのこと。この2か月で放射性物質についてはずいぶん勉強したからなあ。何が怖くて何が大丈夫か、きちんと分かるようになった。
村の人たちはみんな落ち着いている。ダメなものはダメ、大丈夫なものはびくびくしないで接する。テレビに代表されるマスメディアが、相変わらず情緒的な報道を繰り返しているのには閉口する。



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