2013/10/09

1F正門警備員の話など

■本日の読み物コーナー

大阪で発行している「お好み書き」というミニコミ紙に掲載された、1F正門警備員の話。
「語りたくないわけでもないが、どう思っているかを知ってほしいとか、そんなに積極的に聞いてほしいということではない」
……この雰囲気がまさに福島を直接知って、今を生きている人たちの多数派の心情だと思う。ほとんどの人は「大変な事実」を知っているけれど、自ら語ることはしない。
これは大阪の人が質問形式で聞き出して、話をまとめてくれたからこうして我々が読めて、知ることができたわけだが、現場の人たちは自ら言葉を発することをしない。何をいったところで現場を知らない人たちには分かるわけがないと思っている。それ以前に、疲れ果てている。
しかし、こういう形であれば(誰かが聞き出してうまくまとめてくれれば)、他にもたくさんの証言が出てくるはず。今のうちに少しでも多く記録し、「なかったこと」「知りませんでした」にさせないことが必要だ。










もうひとつ、別の1F作業員のインタビュー記事。これも必読⇒ここ
リンクをたどるのが面倒というかたのために、少しだけ抜粋。

//簡単には変わらないでしょうね。変われるなら、こんなに原発は出来てなかったでしょうから。原発を持って来れば豊かになるとか、若い人が戻るとか言ってきましたが、結局このザマです。
なのに、未だに、原発がダメなら次は何をもってくるかといった発想になってしまう。再生可能エネルギーを持ってきたとしても、その発想のままでは変わらないんです。そういう発想をしているうちは、田舎はダメでしょうね。儲けを持っていくのは結局、ゼネコンや大企業であり都会なのですから。//

//都会の人は、原発がいいとか悪いとかということを、一刀両断できますね。単に電力を消費している側ですから。しがらみもないでしょう。だから反対するのも簡単です。
 でも福島など原発のある地域ではそうはいかないのです。その感覚というのはなかなか説明しても分かってもらえないのですが、そこが一番の問題なのです。
 家族や親戚の中に、東電の社員はいるはし、下請けの社員もいる。高校で成績いいのは東電で、悪い奴は下請けで。じいちゃん、ばあちゃんも、畑や漁のないときは原発に働きに行く。そういう具合ですから。
 本当に恐ろしいですね。原発による丸抱えです。田舎の弱みに付け込んでいるという感じですね。
//
//除染にいっちゃおうかなあとか。そっちで1万5千円もらえるなら。全面マスクして、1万1千円はやってられないなと。//
//でも、なんで除染に行かなかったかというと、除染では、放射線管理が杜撰ですからね。そうすると、ゆくゆくすごい損をしてしまいます。たとえ1万5千円だとしても、相当の内部被ばくをしているわけだから、除染をやった人はそのうちバタバタ行きますよ。  サージカルマスクをしても、あんなものでは効果は知れてますね。だいたい暑くてマスクなんかしていらないですし。  結局、除染の現場は、管理されていないから証拠が残らないわけです。//
//収束作業は、実質的には、まだ、始まってないという状況でしょう。
 燃料が溶けたり、再臨界したりしないように、冷やすしかないわけです。それ以外は何もできない状態です。だから、周りを片づけたり、環境を整える作業をしているしかないのです。 
 ところが、そうしていたら、汚染水が管理できなくなって、水で冷やすというやり方自体が、限界にきていしまったわけです。
 それから、溶けた核燃料を取り出すという話ですが、それ自体、ほとんど無理ではないでしょうか。鉛で固めてしまう方がまだいいのではないかと私は思っています。//



……全部「その通り!」だと思う。
この内容↑がピンとこないという人は、福島の現場を見ていない、福島の人たちの本心を知らないからで、浜通りで少しでも暮らしていた人ならみんな(同意するかどうかは別にして)この話の内容はすぐに「分かる」。
それだけ都会の人たちと福島の人たちの気持ち、あるいは知っていること(情報)は乖離してしまっている。




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