福島での葬儀から帰った翌日。疲れが残っていたが、EWIを使った新アルバム制作を少しでも進めようと音楽用PCを起動。
ところがどうにも動きがおかしい。このPCには本当に悩まされる。
ついには起動さえしなくなり、諦めて予備用のPC(タヌパック阿武隈で使っていたもの)を持ち出して交換しようとしたら、外付けHDDが見あたらない。外付けHDD2台にデータを入れて動かしていたから、あれがないとダメなのだが、一体どこへやってしまったのだろう……。まいったな。
探しているうちに夜になった。
今夜はDaddy's Cafeに行く予定だった。マスターに、来年の4月26日にライブをやらせてくれと相談するために。
友人のモロさんが最近入ったというDaddy's Band ↑の演奏の日だったので、それも見て……と思っていたのだが、PCのトラブルなどで家を出るのが遅れた。モロさん、ごめんよ。せっかく歌を歌ったというのに、その後だったね、ついたのが。
演奏の合間にマスターと相談。あっさり4月26日に決まった。
僕にとっては日光に来てから初めてのライブ。
KAMUNAが中心になるが、アメリカから
エリック・サントス教授をゲストとして迎える。

サントス教授(以下「きょーじゅ」)はミシガン大学で音楽を教えている作編曲家で、奥さんのToko Shiiki Santosさんと一緒にOctober Babies という楽しいバンドを率いているミュージシャンでもある⇒
若いときはクラシック畑の作曲家としてBMIの賞もとっているのだが、その後「自由な音楽」をやりたいと、人生ごと方向転換したらしい。
奥さんのTokoさんが来年4月にドキュメンタリー映画『スレッショルド:福島のつぶやき』を撮りに来日するのを追いかけて来日。日光の拙宅にも来るので、じゃあ、一緒に日光でライブでもやりたいですね、という話をTokoさんとしていた。
きょーじゅはマルチプレイヤーだが、いちばん自信があるのはベースということで、じゃあ、ここはやはり吉原センセも東京から呼んで、KAMUNAとして迎えたいなあ、というわけで吉原センセにも連絡。
KAMUNAでのライブは2011年7月の上智大学講堂でのライブ以来となるから3年ぶりということになる。
KAMUNA+きょーじゅのベースで何曲か。きょーじゅもVocalでオリジナルをやるだろうし、あとは吉原センセも最近はVocalをずいぶんやっているようだから、吉原センセのVocalも。ライブのときは基本的には撮影に回るといっているTokoさんもVocalで参加するなどして、いろいろ楽しめる内容になりそう。
もちろん僕はEWIも使う。いちばん楽しみなのは、きょーじゅのベース、吉原センセのギターと一緒にEWIで全編アドリブのようなフリーセッションをやること。テーマも進行も決めずにその場の気分で組み立てる音楽。でも、決してデタラメや前衛でもない。きっちりメロディがある音楽。そういうのをぜひやってみたい。そういうのをやりたくてEWIを始めたようなところがあるのだが、理解してくれるプレイヤーがなかなかいなくて寂しい思いをしていた。このメンツなら多分できるはず。
2014年4月26日(土) 多分18.30開場、19.00開演くらいの感じで。
Daddy's Cafeにて。詳細は来年、迫ってきたらまた告知。
音楽用PCの不調はなんとか直った。
原因はどうやらドングルらしい。ドングルというのはソフトのコピーをさせないためにソフトと一緒についてくるUSB端子にくっつけるキーのこと。目下のシステムだと、メインになるCubase、音源としてMOTUのシンフォニック音源とエスニック音源にそれぞれ1つずつついてきたので、3個必ずつけていなければならないのだが、USB端子が足りないのでUSBハブに3ついっぺんに差していた。それがどうもうまく認識されていなかったようなのだ。
1本を抜いて別のUSB端子に差したところ、何事もなかったかのように動き始めた。
こういうのはほんとストレスを生む。
ドングルで縛るのはやめてほしいなあ。
そもそも音楽ソフトをWindowsで動かしたくない。少しでも軽くするためにネット接続も切っているのだが、Unixベースのコンピュータで動かしたらもっと軽く動くだろうと思う。
OS9以降のMacはUnixベースのOSといえるのだろうが、すでにWindows用のソフトを全部揃えているわけで、今さらMacに乗り換える気力も金もない。
ソフトにしてもCubaseでいいのかどうか。MacのLogicとか使っている人を見ると、なんだか軽そうだし。
音楽制作ソフトは基本操作ができるようになるまでもとにかく根性がいるから、もはやこれ以上、そういう苦労をしたくない。
このままトラブルなく動き続けてくれるといいのだが……。
で、EWIだが、やればやるほど内蔵音源よりソフト音源、それもシンセサイザー系ではなくサンプリング音源のもののほうが魅力を感じる。今はEWI USBについてくるAriaというソフト音源の中のViolinばかり使っている。
Ariaには金管、木管、弦、シンセサイザーなどたくさんの音源が入っているが、使いたくなるのはVioin(TH)のみ。他は全部ちゃっちくて使う気になれない。
このViolin音源は実際のヴァイオリンと同じ音域しか出ないのだが、これの下にヴィオラ、チェロ、コントラバスのサンプリング音を付け加えて、1つの音源でバス~ヴァイオリンまで全部カバーするバーチャル擦弦楽器音源内蔵のEWIを作ってくれないものだろうか>AKAI。そういうのが出たら、ライブがどれだけ楽しくなるか。実現したら30万円でも買う。
しかし、EWIの「デジタル・ワビサビ」路線を追求すればするほど、「じゃあ、本物の生楽器でやればいいじゃん」ってことになる。
それはその通りなのだ。だからこそ本物の生楽器ではできない擦弦楽器の超広域音源内蔵EWIを作ってほしい。
それでも、「所詮、玩具によるシミュレート音楽じゃん。そんなことより歌とギターやれよ」と言われる。
僕はそうは思っていない。自分にしかできないこと、自分がいちばんやりたかったことは、やはりメロディメイカーなのだ。
そう自分に言いきかせ、今やっていることの意味づけをしながら作業をする。
どんな意味づけか?
自分は作曲家であって演奏家ではない。これは演奏家に「この曲はこれ以上のクオリティでやってくださいね」と提示するためのサンプルなのだ、と考えることもできるが、どうもそれも言い訳臭い。
僕のように、人生の最後のほうになって初めてソロ楽器をなんとか扱えるようになるという経験をより多くの熟年世代に共有してほしいという
広報活動、という意味合いのほうが大きいのかな。
でも、それもまた、「アマチュア相手の楽器屋宣伝活動代行」としか評価されないかもしれない。
やはり、できあがったものは、それだけで独立した音楽の価値を持っていないとやる意味がない。
言い訳ととられるような意味づけは一切不要。できたものを聴いて、感動するかどうか、それしかない。
そんなわけで、悩むばかりでなかなか進まないが、やりかけたことだから、とにかくアルバム1枚分くらいにまで形として残したい。
現在4曲まできた。あと4曲くらいほしいな。