A child of about eleven, garbed in a very short, very tight, very ugly dress of yellowish gray wincey. She wore a faded brown sailor hat and beneath the hat, extending down her back were two braids of very thick, decidedly red hair. Her face was small, white and thin, also much freckled; her mouth was large and so were her eyes, that looked green in some lights and moods and gray in others.
So far, the ordinary observer; an extraordinary observer might have seen that the chin was very pointed and pronounced; that the big eyes were full of spirit and vivacity; that the mouth was sweetlipped and expressive; that the forehead was broad and full; in short, our discerning extraordinary obeserver might have concluded that no commonplace soul inhabited the body of this stray woman-child of whom shy Matthew Cuthbert was so ludicrously afraid.
年は十一歳くらい。着ている黄色みがかった灰色のみにくい服は綿毛交織で、ひどく短くて窮屈そうだった。色あせた茶色の水兵帽の下からきわだって濃い赤っ毛が、二本の編み下げになって背中にたれていた。小さな顔は白く、やせているうえに、そばかすだらけだった。口は大きく、同じように大きな目は、そのときの気分と光線のぐあいによって、緑色に見えたり、灰色に見えたりした。
ここまでが普通の人の観察であるが、特別目の鋭い人なら、この子のあごがたいへんとがって、つきでており、大きな目には生き生きした活力があふれ、口元はやさしく鋭敏なこと、額は豊かに広いことなど……
十一歳ぐらいの女の子で、綿と毛の混紡織りの、なんともさえない、つんつるてんの黄ばんだ服を着ている。頭には色あせた茶色い水兵帽をかぶっており、帽子の下から、まっかもまっか、すごい赤毛の太い三つ編みが二本、背中にたれていた。顔は小さくて青白く、やせていて、そばかすだらけだった。目も口も大きく、目は角度と気分によって緑色にも灰色にも見えた。
ここまでが、ごくふつうの人の観察である。もうすこし観察眼のするどい人なら、この少女のあごがとがって、きわだっていること、大きな目には元気と活力がみなぎっていること、くちびるが愛らしく情感にあふれていること、ひたいが広くて豊かなことに気がついたはずである。つまり、洞察力にすぐれた人が見れば、マシュー=カスバートがばかみたいにおそれている、このさすらいの少女のからだには、人なみはずれた魂がやどっていることがわかったはずなのである。
歳は十一歳くらいで、たけのつまった、きゅうくつそうな、粗末な黄色っぽい服に、色あせた茶色い水兵帽をかぶり、赤いかみを太い二本のおさげにしています。顔は色白で細く、そばかすだらけ、口も目も、とても大きく、特に目は、光や気分によって、緑色にも灰色にも見えます。
さらに、もっとするどい観察をすれば、その少女のとがったあごは、強い意志を示しており、目は生き生きとかがやき、口もとはあまく、表情豊か、額が広く張っているということがわかるでしょう。
年は十一歳ぐらい。白だか黄色だかわからない綿と毛の混紡の布で作った、とても短くて、とてもきちきちで、とてもみっともない服を着ている。色のあせた茶色い麦藁帽をかぶり、帽子の下から、見まちがいもないほど真っ赤な太いおさげが二本、背中までぶら下がっている。小さな顔は青白くて、やせていて、そばかすだらけだ。口は大きく、同じように大きな目は、光の具合やそのときの気分で、緑色に見えたり、灰色に見えたりする。
そこまでわかるのは、普通の観察力のある人だ。もっと観察力の鋭い人には、それ以上のことがわかるだろう。あごがとてもとがっていて、頑とした意志を感じさせる。大きな目は気迫にあふれて、いきいきと輝いている。口もとはやさしくて、表情豊かだ。額はゆったりと広い。
年の頃は、十一歳くらい。黄ばんだ白の服を着ている。綿と毛の混織地で、丈が短く、幅もきちきちで、みっともない代物だ。色あせた茶色のセーラー帽をかぶり際立って赤い髪を、二本の太い三編にして背中に下げている。小さな顔は青白くて、肉が薄く、雀斑が散っている。口は大きいが、目も大きく、その瞳は、光線や気分によって緑色にも灰色にも見えるようだ。
普通の人が見ればこの程度だが、洞察力のある人なら、こんなこともわかるだろう。あごは尖っていて凛々しいこと。大きな瞳は生き生きと生気に満ち、唇は愛らしいが、口元は表情に富み、そして額が広く豊かなこと。
わたしが『赤毛のアン』をはじめて手にしたのは、ちょうど二十年前の夏でした。すっかり黄ばんだページ、セロテープで修繕した背表紙、そのぼろぼろのペーパーバックを使って訳をするのは、ちょっとした感慨がありました。また、自分の大好きなアンをこの手で訳せるというのは、ほんとうにうれしいことでした。
翻訳はただ読む以上に、すみずみまで味わうという作業ですが、そんなふうにいやというほど読んでもなおおもしろいのは、『赤毛のアン』の魅力を証明して余りあるものだと思います。
『赤毛のアン』を訳していて、わたしが切ない気持ちになったのは、プリンス・エドワード島のあまりの美しさです。窓の外を見て、アンのように酔いしれることができる人は、この日本に何人いるでしょうか。海や山にでかけずとも庭先に自然があるというのが、いまや最高のぜいたくといえるでしょう。(茅野美ど里)
アンは現実のものを何かにたとえたり、空想で変えたりして、それをより美しいものにしてしまうのです。アンは、人生に明るい面を見いだす天才でした。(谷口由美子)
![]() デジタル・ワビサビのすすめ 大人の文化を取り戻せ (講談社現代新書) |
デジタル・ワビサビのすすめ 大人の文化を取り戻せ (講談社現代新書) 4月18日発売 760円+税 人間関係、音楽、写真、アート……デジタルで失った文化を、デジタルを使いつくし、楽しみつくすことで、取り戻す! スティーブ・ジョブズの魂、ジャック・ドーシーの哲学 ──共通するのは、日本発の「ワビサビ」の精神だった リタイア世代の「地域デビュー」にも大いなるヒントに ![]() ![]() |
---|
![]() ↑クリックで詳細案内ページへジャンプ |
■4月26日(土) Daddy's Cafeにて一夜限りのコンサート18.30 Open 19.00 Start 2000円(1ドリンク付) ●お問い合わせ・予約は⇒Daddy's Cafe (日光市土沢346-19) tel:0288-32-2103 ●出演 KAMUNA(たくき よしみつ:Vo,G,EWI 吉原寛治:G,Vo) Erik Santos:B,Vo,G,Key 縄田治実:Ds Paul Schubach:Key Toko Shiiki Santos:Vo 左の画像をクリックすると詳細ご案内ページへ |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
---|
![]() |
![]() 7年間過ごした阿武隈に捧げる自選曲集。全曲リマスター。一部リミックス。新録音『カムナの調合』弾き語りバージョンも収録。 アマゾンMP3、iTunesストア、キメラなどから販売中。 ⇒こちらからどうぞ ⇒ライナーノートはこちら |
---|
![]() |
『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ) 『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言 第1章 あの日何が起きたのか 第2章 日本は放射能汚染国家になった 第3章 壊されたコミュニティ 第4章 原子力の正体 第5章 放射能より怖いもの 第6章 エネルギー問題の嘘と真実 第7章 3・11後の日本を生きる ■今すぐご注文できます ![]() ⇒立ち読み版はこちら |
---|
![]() |
『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ) ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。 第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか? 第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実 第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった 第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様 第5章 裸のフクシマ かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛 ■今すぐご注文できます ![]() ⇒立ち読み版はこちら |
---|