2014/07/01の3

石那田の高靇神社 (2)

狛犬を見終わって、家に戻る


出征した兵士の無事を祈願して……


年号からして日清戦争だな


手水鉢のところに鉄製の鷲が



涼風号MarkII、今日も活躍


神社の入り口にある看板。神社の説明ではなく、道鏡の……タカオカミは雨乞いの神であることは分かるのだが……


先日、遠くから暗がりの中を写しただけだったやつを、今日は近くまで藪漕ぎして撮ってみた


台座には犬?


結構大きい


台座の年号、イマイチ読み切れない


帰り道、用水路の曲がり角


こんなところにもモリアオが産卵してもおかしくないのだが……


本日は単純な往復だったので20km弱


バッテリー消費も30%

今日のオマケ

最近いただいた本、2冊。
『エコロジーとコモンズ』(三俣学 編著、 晃洋書房)と『短編集 メルトダウン』(かわぎりこうじ)。
ある意味、対照的な本だ。

コモンズとは共有地に代表される地域住民共有財産のこと。日本では昔から入会地、入会海といったものがあり、地域住民が共有財産として管理してきた。
これが乱獲されると資源の枯渇につながるというのが経済学で言うところの「コモンズの悲劇」。
『エコロジーとコモンズ』は資源経済学とでも呼ぶべきジャンルの論文集。立派な仕事だが、今の僕は、こうした学術的な考察があまりにも現実世界において無力であることを日々実感している。
こう言っては身も蓋もないが、この手の本を読み、知識や思考を深めようという人は、すでにあらゆる手段で情報にアクセスしているが、こうした考え方を絶対に身につけなければならない人、例えば行政マンや政治家、企業経営者などは、まず読まない。知ろうとしない。
入会地も水源涵養保安林も、企業の儲けや利権のためなら簡単に壊されたり解除されているのが現実であって、これをどうやったら止められるのかという、より実効的な方法論が求められている。それはもはや学問ではなく、パワーゲームの世界だ。
瞞したり、脅したり、すかしたり、金をやりとりしたり、場合によっては司法取引のような免責を提示してみたり……といった、ドロドロした世界の話になってくる。ヤクザも登場するだろうし、詐欺師も登場する。ヤクザや詐欺師的アジテーターも利用できるなら利用する……といった、汚れ仕事の世界。

一方、『メルトダウン』は、川内村一区(高田島と呼ばれている地区)に移住して農業を始めていた老夫妻の体験記。
小説と言っているが、フィクションの要素はなく、書いてあることはすべて著者が実体験したことだ。新潟日報事業社というところから自費出版している。含まれている文章は、新潟日報文学賞というのに応募して2年連続最終候補作になったという。受賞できなかった理由は「文学」ではなく、ノンフィクションだから、かもしれない。
理屈や学問ではなく、実体験を綴った恨み節。生の叫びをまとめたもの、と言える。
この手の本も多数出ているが、これまた「現地では何がどのように起きたのか」を知ってほしい人たちにはなかなか読んでもらえない。

あの日、同じ村に住んでいた者としては、ああ、高田島や避難先のビッグパレットではこんな感じだったのか……と分かったりする。
頭のよい学者たちがいくら理想的な方法論を考えたところで、田舎の暮らしにそれを持ち込むことは困難だ。目の前に現金を積まれればどんな理不尽、不合理なことでも通ってしまうし、根本的なところでものの道理が分かっていないから、原発が爆発したなどという非常時でも、理屈で行動できない。

そんなわけで、どちらも読んでいてどよ~~んとしてしまうのだった。

しかし、本を出すというのは大変な作業である。
時間も気力も金も必要。それを経て世に出したのだから、どちらの著者も精神は生きている。「フクシマ」以後、精神が死んでしまった人たちがいっぱいいることを思うと、生きるぞ、という意志を貫くことの大切さを感じさせてくれる。

それはまた、今の自分にもそっくりそのままあてはまる。
生きるぞ、という意志は、何かを生み出すことで持続できるのだが、形にしても、それでどうなるわけでもない、自己満足だと分かっているから、先のことまで考えると身体が動かなくなる。
つらいなあ。

つらいついでに、これも紹介しておきたい。
福島からの「自主」避難母が訴える2年半の戦い:福島原発北海道告訴団 口頭弁論意見陳述

最後はこう結ばれている。
母子避難者である友人の中には私の知り合いだけで4人も離婚した人がいます。
やはり放射能に対する考え方の違いでずっと家族がぶつかってきた結果、選択せざるをえなかったのでしょうが、どれだけの苦しみをみんなが味わってきたのだろうかと想像します。

しかし、私はもう泣かないと決めました。
悲しみや怒りの感情は自分自身の細胞を傷つけ、負の感情は大切な家族や周りの人をも傷つけてしまいす。
何のために避難したのか、我が子を守るために避難したのだから病気になったのでは意味がない。
泣いて暮らすことよりも動くことが大事、笑って動くしかない、と苦しみぬいた時間から答えをもらいました。私が強くなれたのはある意味、この体験があったからだと思います。

だからと言って、私たちの平穏な生活を奪い、原発事故の被害を隠蔽し、子どもたちを被爆させ続ける国と東電に対して許すことはできません。
人として間違った道を歩む国と東電に対して、大人が言わなければ誰が言うのでしょうか?






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