悪の凡庸さについて
……ナチスによるユダヤ人大量虐殺を指揮したアイヒマンとは、「平凡で小心な、ごく普通の小役人」にすぎなかった、しかしそのアイヒマンの「完全な無思想性」と、ナチス体制に存在した「民衆を屈服させるメカニズム」が、この空前の犯罪を生んでしまったのだ、という告発に、多くの日本人は、現在の自分たちの状況に通じる気味の悪さを感じているのだと思います。
アーレントが問いかけたきわめて素朴で本質的な疑問、つまり大量虐殺の犠牲者となったユダヤ人たちは、「なぜ時間どおりに指示された場所に集まり、おとなしく収容所ヘ向かう汽車にのったのか」
「なぜ抗議の声をあげず、処刑の場所へ行って自分の墓穴を掘り、裸になって服をきれいにたたんで積み上げ、射殺されるために整然と並んで横たわったのか」
「なぜ自分たちが1万5000人いて、監視兵が数百人しかいなかったとき、死にものぐるいで彼らに襲いかからなかったのか」
それらはいずれも、まさに現在の日本人自身が問われている問題だといえます。
「なぜ自分たちは、人類史上最悪の原発事故を起こした政党(自民党)の責任を問わず、翌年の選挙で大勝させてしまったのか」
「なぜ自分たちは、子どもたちの健康被害に目をつぶり、被曝した土地に被害者を帰還させ、いままた原発の再稼働を容認しようとしているのか」
「なぜ自分たちは、そのような『民衆を屈服させるメカニズム』について真正面から議論せず、韓国や中国といった近隣諸国ばかりをヒステリックに攻撃しているのか」
そのことについて、歴史をさかのぼり本質的な議論をしなければならない時期にきているのです。
(矢部宏治 日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか PART2の最後より)
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