のぼみ~日記 2015

2015/01/10

片付け月間


川内村の家と土地を……というより「タヌパック阿武隈」を手放すことになった。
引き渡しのためには、家の中や倉庫にある膨大なもの、もの、もの……を片付けなければならない。
百合丘の長屋を手放して、そのときに持ちだしたものも倉庫にはいっぱい入っている。こんなことになるとは……。

昨年末からちょこちょこ往復して片づけ始めているのだが、まったく先が見えない。
今日はyossyと一緒に、yossyの愛車・ラクティスで行った。
奥のきよこさんの娘さん・ふみこさん(僕と同い年くらい)が通りかかり、yossyを見て「あら? 息子さん?」だって。
yossyすかさず「隠し子です」と答える。

隠し子か……若い頃は妄想したなあ。
子供は育てるのが面倒だし、自信がないし、お金もないから作らないってことは結婚する前から決めていた。
でも、生物的本能として、遺伝子を残したいという願望は根強い。30代の頃は特にそれを感じた。
どこかに黙って子供生んで、育ててくれる女はいないかしら……なんて妄想したものだ。
自分の子供がいるということも知らないまま時は過ぎ、子供が立派に大人になってから現れる。
「あなたは私の父親です。母から聞きました」
……な~んてね。小説によくあるパターン。

子供って、自分で精一杯育てたとしても、どんな子が生まれてどんな風に大人になるかは分からない。ちゃんと育てれば立派に育つ、なんてきれいごとを言う人が多いけれど、そんな簡単なものじゃないと思う。実例を嫌というほど見てきている。
結婚相手は選べるけれど、親子や兄弟は選べない。運みたいなものだ。

僕は自分が「親になってはいけないタイプの人間」だと思っている。利己的で、自分中心の人生を歩むことが分かっているから。子供をそれに巻き込んではいけないし、対立するのも面倒だ。
助手さんもそう言う。
あなたが父親だったら、極端な教育パパになるか、放りだして無責任に逃げるかのどちらかになる。それが目に見えているから、子供は作らなくて正解だった、と。
そう、自分でもそれが分かっているから、絶対に子供は作るまいと決めていた。それに関しては今でもいささかの後悔もない。

yossyの「隠し子です」っていう返しで、いっぺんにそんなことまで考えて、というか思い出してしまった。

……なんてことを考えている暇はない。片付けしなくちゃ。

yossyの活躍もあって、ようやく仕事部屋が、家具を除いて空っぽになった。
この部屋のこの机と椅子で『裸のフクシマ』を書いたり『SONGBOOK1』をマスタリングしたりしたんだなあ……。

暗くなっても頑張ったが、結局この日は仕事部屋を空にするのが精一杯で、DKや和室はまだまだ。倉庫の中も全然手つかず。あ~、物置もあった。ゴミだらけ。
疲れ果てて引き上げ。
小野町の紅四季で晩飯。
こないだyossyと来たときは頼みすぎて苦しかったから、今回はちゃんと計算して注文しよう、と思いつつも、腹ぺこなのでまたまた頼みすぎてしまった。
野菜炒め単品(480円)、唐揚げ単品(680円)、餃子単品(280円)、そして豚骨ラーメンと回鍋肉飯のセット(880円)。
このくらいならOKだろうと思ったのだが、最初に出てきた唐揚げを見て絶句。なんじゃこりゃ。
メニューにある写真より多いじゃないか。しかも一個一個がげんこつみたいにでかい。
結局食い切れず、8個あった巨大唐揚げのうち3個は持ち帰りに。

この店、繁盛しているようだが、そりゃそうだよね。安いだけじゃなくてうまいのだ。味付けが絶妙だし、火力が強いのが分かって気持ちがいい。持ち帰った唐揚げは冷えてからもおいしかった。

日光と鹿沼にも似たような中国人がやっているチェーン店があるのだが、安さは同じでも味が違う。紅四季のほうがはるかにうまい。料理人の腕なんだろう。
あと何回この店で晩飯を食うことになるのかな……。


どでかい唐揚げが8個、どさ~っと盛られて出てきた


おいおいこんなだったか? とメニューを改めて見ると、6個しか写ってない。普通は逆だろ


食い切れずに持ち帰り~

2015/01/11



翌日、運んできた荷物をかわず庵に入れる作業。
今回はスピーカーを5セット持って来た。全部、倉庫にあって、使っていなかったやつ。
YAMAHAのNS-10M(通称テンモニター)という、スタジオには必ずと言っていいほどあるスモールモニターの定番。イギリスのMissionが2セット。初代の700LEは、同じものをもう1セット持っていて、今、タヌパック日光で使っている。その後継機種の720だったかな、型番忘れたけれど、それも。
いちばん大きいのはイギリスのモダンショートというドロンコーン方式のスピーカー。小さいのはアメリカのInfinityというやつ。モダンショートはゆったりした低音が魅力だが高音がトロい。Infinityは逆に高音がシャリシャリで低音がきつい。だから2段重ねにしてパラレルで音を出していた。
なんでこんなにいっぱいスピーカーがあるんだ……自分でも呆れちゃうね。
ラクティスをyossyに返しに行った帰り道、正面にすごい色の夕焼けが見えた。
さがみやの駐車場から撮ったが、電線が邪魔だな。

今日のオマケ

2015年の年頭予言 (内田樹の研究室) がとてもいい。
よくぞここまで簡潔にまとめて書いてくれたと感謝の念さえ覚えるほど。
国破れて山河あり。
統治システムが瓦解しようと、経済恐慌が来ようと、通貨が暴落しようと、天変地異やパンデミックに襲われようと、「国破れて」も、山河さえ残っていれば、私たちは国を再興することができる。
私たちたちがいますべき最優先の仕事は「日本の山河」を守ることである。

……まさに!

ついでにこれも必読。
なぜ地方は補助金をもらっても衰退するのか ──地方創生に必要なのは、「おカネ」ではない (木下 斉 )

田舎で暮らしたことがある人なら、これはもう、本当によく分かるというか、これしかない、というくらいの事実。
国レベルの問題でも同じで、エネルギー政策の間違いや国債の乱発なんかも似た構図。
「仕事がない」→「仕事がないから人もいなくなる」→「人もいなくなるから、ますます仕事がなくなっていく」、という負の循環をいかにして断ち切るかしかありません。

そのためには、利益を生み出す事業と向き合わなくてはなりません。

その際、「利益を出す」というと、搾取的な発想をする人がいるわけですが、それは大間違いです。誤解を恐れずに言えば、そもそも、利益が出ないというのは、誰もその事業に対価を支払たくないと思うような内容の可能性があります。恐喝や詐欺をするのではなく、真っ当な事業で利益を出すためには、効率的なやり方をしていかなくてはなりません。

利益が出ないようなことばかり続けていると、前出のように、地域の経済がいつまでたってもプラスにはなりません。いくら資金を投入しても、常に減るだけでプラスにならない、循環もしていかない、足りなくなったらさらに投入せざるをえないという構造になり、活性化とは程遠い状況になります。


補助金が「経済エンジン」の添加剤になればいいのだが、多くの場合はそうなっていない。補助金そのものを利益だとみなして、補助金に群がる企業が後を絶たない。自治体も同じ発想。
現場にいる人間はそれを十二分に知っているはずだが、それでも補助金が出るうちは次から次へとそれを求めることだけに集中する。いつしかそれがビジネスや行政の本質だと勘違いする。
そうなったらもう終わり。
とことん破綻するまで、システムを変えようとしない。

まじめに自立しようとしている人たちもたくさんいるのに……やりきれない。




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