この日記では何度も書いているが、うちは今市市街と鹿沼市街のちょうど間くらいに位置しているので、買い物はどちらかの町まで車で出ていく。
ちなみに家の近所にお店というものはまったくない。いちばん近いコンビニ、スーパーまでは約5km。それでも阿武隈時代は20kmだったから劇的に便利な生活になった。
買い出しに行くときはたいていお昼頃で、買い物をするお店のそば、あるいは途中にあるお店で食事をするのがひとつの楽しみになっている。
今市エリアにはまだまだ未開拓なお店がいっぱいあるのだが、鹿沼はそろそろ底をついてきた感じがあった。
そこで改めて
「食べログ」の「鹿沼 ランチ」の人気ランキングを眺めていたら、この順位が全然あてにならないことがよく分かった。
今日づけで、1位は麺'sたぐち。このラーメン屋さんは何度か行っている。確かに面白いお店だし、真面目な作り方をしているが、あらゆるジャンルの中で1位ってことはないでしょ、と思う。
2位、3位の店は行ったことがない。4位にアンリロが入っている。前から気になっているが、価格が価格だけに、気軽にランチを……という感じではないので、まだ入ったことがない。
入ったことがある店の最上位はなんと「上河内SA 下り線 フードコート」の8位。そりゃないわ。
川内村からの引っ越しで、東北道は何往復もしているが、上河内SAは避けて、その先の矢板PAを利用していた。矢板PAがきれいに改装されてからは食事メニューの質がちょっとずつ落ちている感じなので、今では阿武隈PAまで一気に行っている。
なんだ、要するに利用したことがあるという人が多いほど上位に来るってこと?
さらに見ていくと、量はすごいし安くて助かるけど……の香味鮮が20位。
これもないわ~。ガテン系の人がとにかく安くあげてカロリーもとりたいというのならいいけど、量はそんなに食えないし、味を重視したいという還暦夫婦にはハードすぎる。それでも安くて肉とかをがっつり食いたいときは「とうげん」に行く。
そのとうげんは103位。もっと上位でもいいよなあ。
味では比較にならないほどランクが上、別次元のお洒落なお店「一汁餐菜」がようやく26位に登場。
鹿沼の蕎麦屋では目下一推しの「久美野」は156位。そりゃないわ~。久美野の蕎麦は日光エリアを入れても相当上位に入ると思うもの。
蕎麦では、本陣が228位。これもかわいそうだ。もっとずっとまずい蕎麦屋がいくつも上位に入っているもの。
よく行く回転寿司の魚べいはなんと182位。平日の1時過ぎに行ってもほぼ満席。土日は行列ができている人気店なのに。
……とまあ、この順位は滅茶苦茶であるなあということが分かったので、50位以下もしつこく見ていったら、95位に気になるお店を見つけた。
「看板も暖簾もなく事前情報がなかったら素通り確実のお店」だという。
基本的には仕出し屋で、ランチを店内で食べることができるが、メニューは1つ(その日の定食)しかない。値段のわりにとんでもない量と品数の多さでびっくりする……ということらしい。
リポートはたった一件で、それも5年前のもの。今でもそうなのかと、興味津々。買い物は二の次で、この店に行くことが目的のような感じで出発~。
中は普通に食堂風。先客はおばちゃんがひとりだけ。笑顔の女将(多分)が奥から顔を出して「ちょっとお時間かかりますがいいですか?」と訊く。どうやら、初めての客にはみんなこう言うらしい。
ここで「定食」を食うのが今日のハイライトなのだから、当然「はい~」と返事。
店内のアナログブラウン管テレビでは『まっさん』が始まってしまった。エリーが特高に引っ張られるシーン。
女将が急須とお茶を持ってくる。ポットじゃなくて急須っていうのがいいわね。しっかりした緑茶を飲みながらふと窓の外を見ると、あら? そば「富士川」の裏手なのか、ここって。待つと言えば、日曜日に行った富士川ではたっぷり1時間待たされたっけ。まさか今日はそこまではいかないだろうな……と思っていたら運ばれてきた。
結局待ち時間は17分くらい。十分OK。
安倍政権よ、株価が高値更新だ~とウハウハしている者たちよ、あんたらには分からないだろう。庶民がどれだけ頑張っているか。これだけ追い込まれても、今日も笑顔でぎりぎりの値段で商売をしている人たちの心意気を。
僕は「こっち側」の人間で幸せだったよ。