沢の点検とコッソリープの調整をした後、近所でまた工事が始まったらしいメガソーラー建設場所を確かめてみようと涼風号MarkIIをこぎ出したら、猛禽類が目の前で飛び立ち、少し先の電線に止まった。
こういうときにStylus1を持っていない。なんのために買ったのか……って後悔しても遅い。
仕方なくXZ-10で撮ったけれど、これが限界。
後で写真をFBにUPして、ノスリだと教えてもらった。
回覧板で回ってきたメガソーラー建設地は、普通には目に入らない場所だった。それにしてもあっちでもこっちでもメガソーラー建設ラッシュ。たまらんなあ。
自分の人生で何かすごいものが創作できる時間は頑張ってもあと10年。毎日そればかり考えている。
集中できる時間はどんどん短くなるし、身体も動かなくなる。
さて、10年生きられるとして何を作るべきか。
ギターやEWIをもっとうまく……という思いはあるのだが、演奏で人を感動させることはできないだろう。自分にしかできないことは他にあるはず。
やはりメロディを作ること。
『Digital Wabi-Sabi Vol.1 As Easy As EWI』は、メロディを残すためのアルバムとして作ったのだが、そのことを理解してくれた人はほとんどいない。やはり多くの人は「演奏」として聴いてしまう。技術やら音色やらを聴く。
人それぞれに音楽の楽しみ方が違うのだから、それは仕方がないことだ。
そこで次にやることとして、
Smooth ENKA
Steinway's grandson
Smooth Shoka
という3つのアイデアを温めている。
スムース・演歌 は、演歌(というより日本語ポップス)を聴きやすくかっこよく……というコンセプト。
スタインウェイズ・グランドサン(スタインウェイの孫)は、デジタル・ワビサビ第二弾として、ピアノ曲をものすごく時間をかけた打ち込みでやってみようというアイデア。常識を覆すような打ち込み。
そして最近考えついたのが「唱歌」。
文部省唱歌や有名な童謡は大人ならみんな知っているし歌える。でも、歌詞は意味が分からないものがいっぱいあるし、メロディも名曲揃いというわけじゃない。
歌詞もメロディも作りかえて、かっこいいアレンジで録音したらどうか……というもの。考えついたものの、いざやろうとすると止まってしまう。
下手すると嘉門達夫の替え歌みたいなことになりそうだし。メロディを追求するといっても、すでに『赤とんぼ』のようにすごいメロディのものが多いし。それを超えるとなると、精神性も高めなければならないだろう。
瞑想から始めるとか?
理屈をこねないで、風景、叙情だけを歌う。俳句の世界に近い。
ユーミンはそういうの得意だけれど、あんなに文字数を使わず、ほんとに8小節とかせいぜい16小節で完結する世界にこだわりたい。
頭の中で、理想と理屈ばかりが先行し、肝心のメロディは浮かばない。浮かんでも「こんなのはまだ普通レベルだ。聴きやすい音楽を作りたいんじゃない。100年も200年も残るメロディを作らなくちゃ意味がない……」なんて、妄想ばかりが膨らむ。
まあ、簡単にいくわけないね。
苦しみましょう。時間をかけましょう。
そんなわけで、まずは有名な唱歌(文部省唱歌とか童謡とか)の歌詞とメロディを見直しているところ。
ウサギおいし かの山~♪
これを「ウサギっておいしいんだ。食べたことないなあ」って思っていたという人がいて、よく漫才のネタなんかにもなっているけれど、
夕焼け小焼けの赤とんぼ おわれて見たのはいつの日か♪
の「おわれて」を「追われて」だと思っている人は結構いそうだ。
赤とんぼに追われる? 大軍で襲ってくるのか? なんてね。
ちょっと考えれば、「背負われて」の意味だということは分かる。
背負っているのは口減らしのために子守奉公に出された少女。
その少女は、
十五でねえやは嫁にいき お里の便りも絶えはてた♪
……とあるので、主人公(作詞者の三木露風自身?)をおぶって子守りしていたのはもっと若いときだってことになる。
その少女が15で嫁に行き、「背負われて」いた主人公は孤独に戻ってしまう。
15で嫁に行くというのは、子守奉公を卒業して、別の農家の労働力として嫁に行った……ということだ。
子守りの少女が15で嫁に行くことで「お里の便りも絶え果てた」というのはどういうことか? これには諸説あるようだが、この子(三木露風?)と子守りの少女は同郷で、この子はねえやに故郷の話を聴いていたから、そのねえやがいなくなると同時に自分の故郷のことも聴けなくなった……という解釈がしっくりくるかな。
竹田の子守歌も同じように子守奉公の少女が辛い日々を送っているという歌だったけれど、昔の日本の風景って、こういうものだったんだなあ……と。
「七つの子」に出てくるフールスが、カラス界のヘルスセンターみたいな憩いのものだと大学生くらいまで思ってました。何かの雑誌で、同じ思いこみをしていた人の投稿で初めて知りました^^; 古巣だったとは・・・。(ちっころさん)
船橋ヘルスセンターのCMソングが影響したのかな?
ちなみにこの「七つの子」の「七つ」は七羽の意味ではなくて、七歳の子、という意味だと、金田一春彦教授に教わった。昔、七つのというのは「可愛い盛りの」という意味で使われていたんだとか。
ほんとかなあ。今でも半信半疑。
しかし、である。解釈が諸説あるような難解な歌詞が誰もが知っているべき歌になっているというのはどうなのよ。
もう少し現代人にも馴染めるような歌であってほしい。
……というわけで、Smooth Shoka プロジェクトは進むのであろうか?
童謡の著作権はとっくに切れていると思いきや、『ぞうさん』の作詞者 まど・みちおさんは、昨年までご存命だった。
1909年〈明治42年〉11月16日 - 2014年〈平成26年〉2月28日)。104歳の長寿。
だいぶ前(1987年)、『パンツの穴カセット』というのを作った。そこに『ぞうさん』の替え歌を入れたいということになり、ディレクターが著作権を調べたら「まだ生きてらっしゃいました! 重鎮ですよ。誰が替え歌収録していいですか、って訊けます? 僕はいやですよ」と。
すでにスタジオで録音も済ませて、なかなかの傑作だったのだが、あえなく収録は見送られたのだった。
こんな歌詞であった。
『そうざん』
↑天国のまどせんせいがお許しになることを祈りつつ……
書いたのはよしおかくん。当時海城高校二年生。もういいおっさんになっているはずだが、元気にしてるのかな?