今使っているマイクは
audio-technicaのAT3060という変わり種マイク。
ずいぶん昔に国外(アメリカ)でのみ販売され、すぐに製造終了になったらしい。
何が変わっているかって、このマイク、一応「真空管マイク」なのだ。
真空管マイクは通常独立した電源が必要なのだが、AT3060は普通の48Vファンタム電源で動くので、使い勝手は一般的なコンデンサーマイクとまったく変わらない。
日本では販売されなかったらしい。だいぶ前にヤフオクで見つけて2万円台で購入したのだが、今は見つけるのがかなり難しい珍品。
検索したら、
⇒ここで400ポンド(約7万2000円)で売られていた。
そんな値段なら絶対に買っていなかった。
それにしても、円安は罪だよなあ。少し前なら400ポンドって5万円台くらいだったのだから。
実際に使ってみて、肝心の音はどうかというと……正直なところ、よく分からない。


うちには今他に、
audio-technicaのATS520、AKGのC2000Bというコンデンサーマイク(この形のマイクは「サイドアドレス型」というらしい)があるのだが、3本で録り比べても、僕には劇的な違いがあるようには聞こえないのだ。多分、聴力がだいぶ落ちているんだろう。
個性は微妙に違う。
ATS520は明るく、癖のない音。AKGはやや硬くて暗めな感じかなあ。
どれを使ってもいいんだけど、なんとなく、いちばん珍品で購入時の値段もそこそこ高かったAT3060を使っている次第。
3060は真空管マイクだからか、使っているうちに音質がかなり変化するような気もする。マイクを使うのは主にVocal録音だが、歌い始めの頃と何度も録り直している後では、同じポジションで録音しているのにずいぶん音質が違っていて、後で編集のときにうまくつながらないことがよくある。
歌っているうちに声がどんどん変わってきているからかもしれないので、マイクのせいではない可能性もあるのだが。
こういうのって、完全なオタクの世界で、思いこみ、思い入れで使うという部分が大きいんじゃないかな。
マイクの選択で悩むより、発声練習したほうがずっといい。
僕は、audio-technica のATS520を買う前はSONYの単三電池を使うエレクトレットコンデンサーマイク
ECM-23Fというのを2本所有していて、ずいぶん長いことそれで録音していた。デジタル録音時代になる前からだ。
これは放送業界では知らない人がいないという有名なマイク SONY C38Aの流れを汲むマイクとして登場したECM-21の後継機種(ECM-22~ECM-23~ECM-23Fと続いた)で、発売当時の定価が2万5000円だったと記憶している。
癖のないクリアな音質で、マイクはこれでいいや、と思ったものだ。
その後、audio-technicaのATS520(2001年発売だそうで、記憶ではもっと昔に買ったような気がしていたのだが……)を買って、SONYのECM-23Fと比べてみたときも、なんだかよく分からなかった。
パイプ型の23FよりATS520のほうがかっこいいから、あとは、せっかく買ったのだから……という理由で切り替えたような気がする。
それほどまでにSONYのECM-23Fというマイクは優秀だったのだろう。
ちなみに、スタジオで使うコンデンサーマイクといえばノイマンが定番で、他にゼンハイザーとかシュアーとかAKGといったメーカーが常連だったが、最近ではみんなコストパフォーマンス重視で、RODEとaudio-technicaが人気。
2万円ちょいでいい音が録れるといえば、このへんなんだろう。
ホームスタジオではそれで十分だと思う。