2015/06/03
ドミソの歌
トイレに入っているときにふっと曲のアイデアが浮かぶことがある。それがもとで結構な傑作が生まれることもある。
『ドレミの歌』は単に長音階の階名を並べただけだけど、もう一歩踏み込んで、長調とメジャーコードを身体に染みこませる歌を作ってみようかな……というのが今回のアイデア。
何日か改良を重ねてできたのがこれ↑ 名づけて『ドミソの歌』。
新唱歌シリーズに入れたけれど、目下、これがシリーズ最高傑作かもしれない。
作詞家の伊藤アキラ先生に聴いていただいたところ「2番の歌詞が難しそうですね。特にファとラが。たくきさんのことだからもうできているでしょうが」……と。
え? 2番って……??
もしかして、2番を作りなさいということでっか? 1番だけのつもりだったのに。
あわわわわ。まいったなあ~~。
そう。ファ はほんとにないのよね。
「ドレミの歌」は単に単語を並べているだけで、脈絡がないからまだいい。ドーナツ、レモン……と食べ物で来て、次は「み~はみんなのみ」「ファーはファイトのファ=」って、なんじゃそれは。単語並べるだけなら楽だわよ。でも、『ドミソの歌』は一応ストーリーというか、起承転結にしているから、さらに難しい。
しかし、大先生にリクエストされた以上、逃げるわけにはいかない。プロ意識がめらめらと……(^^;;
でも、できるのか? まいったなあ……ファ……ファ……ファ……。
ファイトとかファンタスティックとかしかないよなあ、どう考えても。
子供のときは「ファ~はファンタのファ~」って、メーカーが喜びそうな歌にして歌っていたものだけれど、一応これはお仕事として成立させようと頑張っているわけで、お遊びじゃない。
1番で「ファンタジスタ」って言ってるから、ファンタスティックやファンタジーも使いたくない。
ファイトも、ドレミの歌で使われているから使いたくない。でも、ファイトしかないのでは??
最初は、どこまで続く レールの向こう みんなでめざせ ファイトがんばれ ……みたいなつながりを考えたのだが、助手さんに「それじゃあ昭和の唱歌そのもの」と一蹴されてしまった。
たしかにね。そういう教科書みたいなのを突き放して、スポ~ンと飛んだ世界を描けなければ新唱歌にはならないわけでね。ごもっとも。分かっているのよ、それは。
でも、ドミソの歌 としてまとめ上げるところに意味があるわけでね。こればかりは制約がきつすぎだわ~……。
悩みながら、またモリアオパトロールに出た。連日のように往復十数キロの堰堤まで山を越えて行く。
ところがモリアオはいないし……。
でも、帰り道、数日前に落とした帽子を拾った後、頭にひとつひらめいた。「ファインプレー」は?
そこから前後を作ったのだが、やっぱり世界観としては1番のほうがずっといい。
でも、文科省とか教育系の出版社とか子供番組のプロデューサーとかはこの2番的な歌詞のほうを好むのかもしれない。
ま、そういうのは拒否するだけさ。
2番もあります……というのが価値のあるところであってね。
では、2番を入れたバージョンをどうぞ↓
すばらしすぎて、UPするのがためらわれたのだが、あと10年生きられれば万々歳だと思っている今、どんな形であっても残しておけるものは残したい。
企業や官僚組織の中で、これはダメ、こうあるべき……というルールにがんじがらめになっている人たちが、魅力のある創作物からどんどんエキスを吸い取ってしまい、しょーもない絞りかすみたいなものを世に出して……みたいなのはごめんだ。そういうのを「プロの仕事」だと勘違いしている大人がいっぱいいる。
アーティストってのは、そういうのを突き抜けた向こう側を常に見つめているのだよ。
自分という「個」を見つめている限り、いくらでも上を目指せる。死ぬまで悩み続けられる。
でも、一旦「社会」とか、他人とのつながりを考え始めると、別の要因がどわ~っと雲霞のように湧き出てきて、たちまち虚無の世界と隣り合わせになる。
あ~、やっぱり1番の世界がいいな。
澄み渡った空を見上げながら、結局「メロディ」ってなんだったんだろう……って思いながら死んでいく……そんな人生でいいよ。

夜中に窓から満月が見えた。うん、いい人生だよ
信じていこう どこまでも♪
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のぼみ~日記の写真は主にオリンパスXZ-10で、他にオリンパスStylus1、ソニー NEX-5R+SONY 50mm/F1.8 OSSなどでも撮っています

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