翌26日、昨日覗いてみたけれど誰もいなかった近所の自動車修理工場に、午前中に行ってみた。直売所で饅頭買った帰り。というか、実際にはこの工場の主に会うのが主目的で、ついでに饅頭と野菜を買う……という感じかな。
ところがまたいない。夕方来てもいないし、午前中でもいない。大丈夫なのか?
帰ろうとしたら、爺さまがひとり、パジェロミニに乗って入ってきた。この人が社長かなと思って待ち構えていたら、奥から別の爺さまが出てきた。
ん? 社長はこっち?
社長は
杉兵助に似ている。
もしかすると、
エディ・タウンゼントにもちょっと似ているかもしれない。
あたし「おたくは自転車と自動車両方やっているんですか?」
兵助社長「自転車はあんまりやってない」
あたし「自動車中心?」
兵助「うん、まあ……」
あたし「車検とかは普通にやってるんですよね?」
兵助「やってるよ。なに?」
あたし「これなんですけどね。今まで頼んでいたところが急につぶれちゃって……」(と、X90を指さす)
兵助社長、そこで初めてニヤニヤし始める。
こちらが話をリードしないと前に進まない。でも、話し好きらしくて、いくらでも話相手になる感じ。
ちょうどやってきたお茶飲み友達?らしき爺さまは横で黙って聞いているだけ。
あたし「ひとりでやってるんですか?」
兵助「そう」
あたし「自転車はあんまりやりたくない?」
兵助「乗ってるよ。毎日15kmくらい、鹿沼のほうまで走ってくる」(いや、そういうことじゃなくて、修理をやってくれるかという……。でも、話を合わせる)
あたし「普通の自転車で15kmは結構疲れますよね」
兵助「スポーツタイプのやつ。見る?」
……と、自転車修理コーナー?のプレハブに案内して愛車を見せる兵助社長。
あたし「いつ来てもいないから」(ちょっと大袈裟に言ってみた。ほんとは昨日の夕方覗いただけ)
兵助「夕方は運動でこれに乗って出ているからいない」(あら、あたしと同じだ)
あたし「自転車の修理とか、やらないことはない?」
兵助「頼まれればやるよ」
あたし「例えば、タイヤ持ち込みで、後輪のタイヤだけ交換してとか、そういうのは」
兵助「やるよ。便利屋だから」(このへんで、やっぱりこことはおつきあいしているといいかも、と思い直す)
車検の基本料金をようやく聞きだした。部品代は別にして1万8000円くらいだという。他に代行料が1万円。これは日光市内の修理屋さんはどこでも1万円に決まっているんだとか。協定みたいなのがあるらしい。
合計2万8000円なら、先日、最初に訪ねてみた修理工場の3万5000円よりは安い。まあ、そのくらいは取らないとやっていけないよねえ。カースタジアムは安すぎると僕も思うし。
一応認証工場で、大型のレッカー車もある。リフトもある。
あたし「もし、このへんでいきなり車が動かなくなったらこれで出動してくれます?」
兵助「うん」
……というわけで、ここに一度頼んでみることにした。
あんまり乗り気ではなさそう?だったが、強引に「じゃあ、いつ持ち込めばいいですか?」と訊いて、月曜に持ち込むことになった。
さて、このアドベンチャーゲームのようなX90車検物語はどういう結末を迎えるのか……。