日本は島国で、異民族支配を知らないで済んできた。そのせいで、少しトロいというか外交下手のところもある。自分たちが起こした戦争ですら、自然災害のように早く忘れてしまう。
日本は戦争は上手ではない。外で勝ったのは日清戦争だけ。日露は事実上、引き分け。
(略)
日本は大国意識を持たないほうが幸せ。(略)ある時期までは植民地にされる恐怖から富国強兵を目指したが、その後、次の目標がなくなってしまった。それでおかしなことを始めていく。東大教授の加藤陽子さんが毎日新聞で、南満州鉄道の利益は5000万円ぐらいだったが、平和を選んでいたら日中貿易は10億円の利益が出たはずという分析を紹介し、当時の日本には実利の視点が欠けていたと語っていた。
結局、全部が米国。基地問題、安保法案、原発の後ろにも米国がいる。(略)
日本は地位協定の改定を申し入れない。ドイツも韓国も地位協定を変えているのに、日本はしない。(略)
(米国は)戦後、しなかったことがないくらいに戦争をしている。戦争しなければ国を維持できない。ここがヨーロッパの国と違うところ。
企業が儲かれば庶民にも恩恵が行くというトリクルダウン説は、「悲しい流しそうめん」。下流の方でいくら待っていても何も流れてこない。
沖縄は「後ろ手で縛られた回転ずし」。目の前を富のようなものが流れていくけど、沖縄の人は手を出せない。
結局、この国は主権在民ではなく、主権在企業。すべては企業のお金の尺度になって、企業が栄えて、国はどんどん劣化していく。人間にとって幸福とは何かを、頭から考え直さなければいけない。
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『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ) 『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。 複数の中学校・高校が入試問題(国語長文読解)に採用。大人にこそ読んでほしい! 第1章 あの日何が起きたのか 第2章 日本は放射能汚染国家になった 第3章 壊されたコミュニティ 第4章 原子力の正体 第5章 放射能より怖いもの 第6章 エネルギー問題の嘘と真実 第7章 3・11後の日本を生きる ■今すぐご注文できます ![]() ⇒立ち読み版はこちら |
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『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ) ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。 第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか? 第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実 第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった 第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様 第5章 裸のフクシマ かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛 ■今すぐご注文できます ![]() ⇒立ち読み版はこちら |
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