今まで置いてあったローランドのシンセサイザーFantom Xaに代えて、ヤマハのピアジェーロという電子ピアノを購入した。
Fantomはとても優れたシンセサイザーで、ありとあらゆることができたし、内蔵音源の質もよかったが、最近ではピアノもパッド系もエスニック系も全部ソフト音源を使っているので、Fantomを本来のシンセサイザーとして使う機会はゼロになってしまった。たま~にMIDIの入力機として使うだけだったら、これだけ高性能なものはいらない。
それよりも、電源を入れたら瞬時に音が出せるというほうが助かる。譜面を書くときのコードの確認とかで、いちいち卓とオーディオアンプの電源を入れ、Fantomにソフトウェアが読み込まれるのを待つというのが面倒くさい。
あとは、今後、ピアニストがうちに練習や音合わせに来るとき、66鍵のオルガン鍵盤シンセサイザーよりは76鍵の少し重めのスプリング鍵盤電子ピアノのほうがずっといいだろうというのも理由。
それにしても電子キーボードが安くなったのは驚く。ヤマハでハンマーアクション鍵盤(限りなく本物のハンマー鍵盤を弾いているのに近い感触の鍵盤)を装備した88鍵電子ピアノ(P-45B)


が3万円台半ばで買えてしまう。
ヤマハの本格的なハンマーアクション鍵盤の88鍵モデルが3万円台!↑
それでもよかったのだが、さらに安いピアジェーロというモデル


にした。これは76鍵で2万円台半ば。
P-45との違いは、鍵盤数が少なく、内蔵音源の質が落ち、鍵盤がハンマーアクションではないということ。
内蔵スピーカーから出てくる音もチープだ。
それでもこの「チープなモデル」


を選んだのは、
- 88鍵はいらない
- 重量が約半分(5.7kg)で、寸法も幅1244mm×高さ105mm×奥行き259mmで、P-45より小さい
- ハンマーアクション鍵盤はピアニストには重要な要素だが、うちではMIDI入力機として使うので、かえってベロシティがあばれるくんになってしまう原因になりそう
- 右手の指は常時爪が伸びているので、ハンマーアクション鍵盤のほうが弾きにくいかもしれない
- 数千円でも安いほうがありがたい
……といった理由。
実物が来てみていろいろ触ってみて、この判断は正解だったと思う。
音は確かにチープで、低音が響かないし、音質も密度が粗い。でも、レコーディングでこの内蔵音源を使うわけじゃないので関係ない。コードを確認したり、作曲の補助として使うには十分。少しリバーブを効かせればマシになるし、普段はエレピ音源で弾くことが多いかもしれない。エレピの音は昔懐かしいFM音源の音で、これはこれで楽しい。
鍵盤は一般的なオルガン鍵盤のキーボードよりは重いが、ハンマーアクションではないからタッチは安っぽい。でも、僕が弾くにはちょうどいいかもしれない。実際、最初はちょっと戸惑ったが、弾いているうちに慣れてきた。
とにかく2万円台半ばだから、文句なんか、なんも言えね~。
ちなみに今回2万円台半ばで買ったのはNP-31という旧モデルで、製造終了。その後のNP-32のほうは同時発音数が32から倍の64になっていて、MIDI端子がUSBになっている。それだと3万円台で、P-45と変わらなくなってしまうので、敢えて旧モデルのほうにした次第。
ただ、ピアノをしっかり練習したい人にはP-45


を勧める。いろいろな部分がピアジェーロより高級で、数千円しか違わないのだから。満足度が全然違うと思う。