2016/10/04
ミニ池大盛況

なぜかミニ池が大人気で、トウキョウダルマガエルが10匹は常にいる。プランターを埋めただけのこんな小さな池なのに、なぜそんなにやってくるのか、不思議。田んぼの水がなくなって、行き場を探しているうちにたどり着くのだろうか。

そんな中、ん? 一匹だけなんか違うやつが……あ~、ツチガエルだ

今年はかわず庵でも見ることができなかったツチガエル。心配していたが、生き延びているやつがいると分かってホッとする
泊まりがけで横浜へ

夕方、レオの散歩を済ませてから横浜に向かう。無人駅で電車に乗るとき、蚊にさされた

電車が止まってもドアが開かない。あ、自分で開けるんだった……と気づく。宇都宮まで20分ちょっと。そこで東海道線直通の各駅停車に乗り換えて、横浜まで乗り換えなし……なのはいいけど、飽きる。僕はどんな乗り物でも、長時間乗るのが大嫌いなのだ

だいぶ前に予約してあったホテル。新しいホテルで、部屋はとてもきれい。6000円。静かだし、言うことなし。ただ、地図を用意していたのに道に迷ってえらい遠回りをしてたどり着いた

シングルで予約してあったが、チェックインが遅かったからか、「ツインをご用意させていただきました」となって、ラッキー

なんかラブホっぽい?

ホテルそばのファミマで買った幕の内弁当で晩飯。外出時は贅沢して本物のビール
2016/10/05
ホテル⇒施設⇒病院⇒飯⇒施設⇒帰宅 ……長い一日
翌日は朝、起きてから1時間くらい、今回、施設に入所するにあたっていろいろお世話くださったかたへのお礼状を、ホテル備え付けの便箋とボールペンで書き始めた。感謝の気持ちをどう伝えていいのか迷う。伝わるだろうか……。
書き終える前に時間が来てホテルをチェックアウト。親父が入っている介護施設へ。
午前中にケアマネージャーさんとの契約があるので、今回は前日泊となったのだった。
ホテルは桜木町だったが、そこから横浜に出て、乗り換えて、施設からいちばん近い駅からは約2kmのところにあるのだが、まずはその2kmを歩いてみた。
住宅街の中をくねくねと通り過ぎ、山を一つ越えて行く感じ。途中何度か道が分からなくなり、立ち止まった。
施設に着いたときは汗びっしょりになって、シャツを着替えた。
その後、契約書類にサインして、病院へ。病院までは施設が車を出してくれたので助かった。
病院では、退院後の経過を知るための血液検査と診察。担当医師がとても真面目で人柄もよく、助かった。
経過良好で血栓も見あたらないとのことで、通院は一旦終了にしてくれた。今後は施設の提携医師に引き継ぎ。長い、ていねいな紹介状を書いてくれた。
どんな医師にあたるかは運だが、今回はとても運がよかったと思う。今どき珍しく、ていねいで、ひとりひとりの患者、そして患者の家族の気持ちに入ってきてくれる医師だった。感謝。

「こんなにきれいによくなりました」と言われたけれど、「きれい」には見えないよなあ……
病院から施設にはタクシーで帰ってきてほしいと言われたけれど、タクシーを使うと軽く1万円以上かかりそうだ。親父に「電車でもいいか?」と訊くと、「全然平気」と言う。
街歩きが何よりも好きな親父だから、行き帰り車よりは、少し街の空気を吸わせたほうがいいかもしれないと思い、電車で戻ることにした。
ゆっくりと歩く親父。慣れないので、僕はどうしても先に先にと行ってしまう。
階段はさすがに厳しいので、駅ではエレベーターを探す。普段とは違う動線になる。
今回分かったのは、横浜はさすがに都会で、どの駅にも必ずホームに続くエレベーターが設置されているということ。ただ、それを結ぶ道のりが長い。
これは日光では無理だなと思った。
最寄り駅は無人駅で、必ず渡線橋を渡らなければならない。脚の悪い老人が電車で出かけるのは無理だ。そういえば、日光線で老人が乗っているのを見たことがない。かなりの老人がひとりで車を運転しているのはよく見る。つまり、運転できなくなったら、自分ひとりでは生活できないということだ。
時間をかけて最寄り駅までようやくたどり着いた。
時刻は16時を回ったところ。少し早いが、親父の誕生日も近いので、ふたりで外食をしようと思っていた。
駅ビルの中にある予定していたレストラン街に行くと、なんと、中華、蕎麦店は準備中。洋食店は本日貸切。唯一、和食の店だけ開いていた。
そこで親父は早めの夕食を、僕はようやく本日まともな一食目を食べる。
食事は十分おいしかった。残念なのは、店内がたばこ臭かったのと、なぜかこんなに早い時間から飲んで騒いでいるグループがいて、店内の雰囲気がちょっと悪かったこと。
でも、ファミレスよりはちょっと高級、かといって高級店よりはずっとリーズナブルで、実に「ちょうどいい」店だった。

親父と外食するのは久しぶり

あんまりボリュームのあるのは食べきれない、と言いながら親父が選んだのはこれ。完食していた

朝からファミマのサンドイッチしか食っていない僕はこれ
そこからはタクシーで施設へ戻った。
施設では帰りが遅いので心配していた。
「電車で来ました」というと驚いていた。
施設のスタッフに病院からの引き継ぎ事項を伝え、部屋でしばらく親父と話をした。
帰り際、「これ、読む?」と、『阿武隈梁山泊外伝』のオンデマンドブックを見せると、「読む読む」と、奪うように手にした。
読書欲は旺盛。しかも、つまらないものはつまらないという。
友人が差し入れした推理小説の文庫本などは、どれも「読み始めたけれど、つまらなくてこれ以上読む気がしない。返してくれ」と言う。差し入れしてくださった人に悪いから、そっと持ち帰ったりしている。
18時半に施設を出て、バス停まで少し歩いて、そこから駅までバス。
今日一日で、駅と施設の間を、徒歩、タクシー、バスと3通りで行き来したことになる。
帰りもJRの各駅停車を乗り継いでいくつもりだったが、疲労がピークに達していたので、新幹線(なすの)を使った。各駅停車を乗り継ぐより1500円くらい高くつくが、1時間早く着く。1500円で1時間を買うかどうか、迷う。今回は1時間を買ってよかったかな。それでも家に着いたのは10時近かった。
2016/10/06
ようやく一息つける?
久しぶりに夫婦揃って普通の一日を迎える。
書きかけだったお礼状を書き上げ、お世話になったかた二人にとりあえず出す。
東電からの請求書が届き、これで親父の部屋のガス、水道、電気料金の最終分請求書が揃ったので、コンビニに行って支払おうと思ったところに親父から電話。
「昨日はどうもありがとう。疲れたでしょ」と。
施設に入ってからは、どんどん気持ちが穏やかになって、脳もしっかり動くようになっている感じだ。施設の人たちも、最初、病院に面接に来たときからの変わりように驚いている。
「阿武隈梁山泊外伝は面白いね。獏原人村のくだりとか……」と、電話の向こうで声を弾ませている。一晩で大方読んでしまったというのだ。ほんとかね。
推理小説はくだらなくて読む気がしないと言っていたけれど、梁山泊外伝は面白くて夜更かしして読んだのか……。それはちょっと嬉しい。
これで一息つけるかな。
このひと月あまり、本当にきつかったけれど、なんとか一山越えた感じ。
それにしても親父は運が強い。
入れてもらった施設は新しく、スタッフもみなさんすばらしい人柄、仕事ぶり。介護施設や病院内で起きる怖くて悲惨な事件もいろいろ見聞きする昨今、こんなに申し分ない環境にすんなり入れたのは奇跡に近い。僕自身、今もちょっと信じられない思いなのだ。
その分、費用は高い。親父の年金だけではまかなえない額。
入院と手術の費用が十数万円。親父の部屋を退去する片付けのために便利屋に支払った金額が十数万円。支払いが終わっていない公共料金が数万円。日光←→横浜の交通費やら宿泊費は一回で2万円弱。
金がどんどん出ていく。その分、年金ゼロ老人である自分たちの老後資金が減る恐怖を味わっているわけで、まさに命を縮めながら福祉長者世代の親の介護をしている。
それはもちろん辛いことではあるけれど、なんとかしよう、まだやれる……と自分に言いきかせながら、行けるところまで行くしかない。
親父がこういう状態なら、まだまだ残りの命を楽しんでいてほしいと思う。
生き方も死に方も難しい。親父と共に勉強中。

レオのお散歩にて。久々に見る青空と秋の雲

『阿武隈梁山泊外伝:全村避難の村に起きたこと』(Kindle版)発売!
あなたの知らない日光がここにある! 山奥にひっそりいる幻のはじめ狛犬なども網羅。
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更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
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「福島問題」の本質とは何か?
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『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
複数の中学校・高校が入試問題(国語長文読解)に採用。大人にこそ読んでほしい!
第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる
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『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。
第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛
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