
2017/02/03
300円の綿シャツ

シャツを着替えたら、だいぶよれよれで、ボタンも時間の問題でちぎれそうになっている。
この綿シャツは10年くらい前に船引町のサンキで300円で買ったもの。(正確には299円だったかな)
値段が破壊的だったが、生地がしっかりしていたので、もう1種類あったのと両方買った。2着で600円。
その後、秋から春にかけて、何度も何度も着ている。なんとコスパの高い買い物だっただろう。
こんなことなら、吊されていた数着全部買っておけばよかった。(種類は2種類だったけれど、全部で5、6着ぶら下がっていた)

そのとき、一緒に買ったのがこれ。やはり299円

タグを見ると、イタリアっぽいブランド名だが、調べたら、ロベルトマラッティー (ROBERTO MARAZZI)というブランドが実際にあるようだ。しかし、スペルにRが1つ多いので、パチもの確定だろう

これが本物のROBERTO MARAZZIらしい。Rは1つ
僕は衣服にはまったく金をかけない。学生時代、バイトした金は優先的に楽器や音楽機材に注ぎ込んでいたので、食べ物と衣服には最低限しか金を使わないのが身に染み込んでしまった。
それでも、昔は安くてもある程度質のよいもの、いわゆる「掘り出し物」というのがあって、そういうものを見つけるのがうまかった。
田舎暮らしをするようになってからは、衣類はもっぱらしまむらとかサンキとかの安売り衣料品チェーンを利用して、イオンやユニクロでさえ高いと思っている。
しまむらやサンキにはひどいものも多いが、いいものも混じっていた。ところが今はまったくゼロだ。しまむらはユニクロの真似をしてか、自社ブランドで中国工場で作って売るようになって、その製品がつまらない。安いだけ。
掘り出し物を見つける楽しみはなくなってしまった。
靴もそうだ。昔はノーブランドで安くてもそこそこ使える靴があったものだが、ある時期から消えてしまった。仕方なく、靴だけは安物買いの銭失いになるのでメーカー品を買うようになったのだが、メーカー品もどんどん質が落ちている。
右と左で縫製位置がずれているとか、寸法が微妙に違うとか、縫い合わせ部分が雑で足にあたるといったことが多くなった。
しかし、しまむらやサンキに品質のいい掘り出し物がたまにあったというのは、あの時代、真面目にやっていた国内の縫製工場などが次々につぶれ、在庫をただ同然で買い付けられたからだろうし、僕が「高い」と感じるユニクロやイオンの衣類でさえ、東南アジアや中国の若い人たちが劣悪な環境の中働かされてあの価格が実現しているわけだから、僕の衣類への価格感覚は狂っている、というか、非倫理的なのだろう。
貧乏人には暮らしにくい時代になった。
都会にいたときも倹約生活があたりまえで、その後は田舎暮らしが長くなってきたので、たまに都会の人たちと接すると、金銭感覚のずれを感じてカルチャーショックに陥ることがある。
川内村に住んでいた7年間、買い物は小野町まで出て行かなければならなかった。いちばん近いヨークベニマルまで20kmちょっと。
小野町で物足りなくなると、船引町にまで行くこともあった。
それを苦に思わなかったのは、毎日、気持ちのいい自然に囲まれて暮らしていられたからだ。
ものに囲まれて生活するより、緑や野生動物に囲まれて暮らすほうがずっと幸福を感じられた。
でも、今は「よくやっていたなあ」と振り返ることもある。
あの頃に比べると、今は今市や鹿沼に出るのは10kmで済むし、店の数や種類も豊富なので何も困らない。
ただ、「掘り出し物」は都会のほうがたくさんある。靴や衣服は都会ならまだ安くていいものを見つけられるチャンスはあるだろう。
ほとんどの物価は都会よりずっと安いが、逆に田舎のほうが高いものもある。代表は散髪代と眼鏡かな。
Zoffとかないしね。でも、眼鏡市場はある。眼鏡市場は価格は高いが、品質はいいと思う。
あと、医療関係も、選択肢が極端に狭くなる。歯科医はいっぱいいるが、内科医や外科医はほんとに少ない。
こういうのはどれも、Amazonで、というわけにはいかないものなあ。

いつもの光景。窓からXZ-10でパッと撮る


かわず庵は凍りついたまま。春は遠い



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