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のぼみ~日記2017たくき よしみつの日記2017


2017/07/17

栃木県の古い狛犬リスト(江戸時代)


新湯温泉神社のはじめちゃん 
先日、新湯温泉神社のはじめ狛犬が寛文2年11月(1662)と判明したので、改めて栃木県内の古い狛犬リストをまとめてみた。
東照宮陽明門裏の大宝神社狛犬のコピーは、大正5(1916)年に追加で設置されたものらしいので、となると仁王門裏の木造狛犬も後から奉納された可能性があり、この2対はランキングから外した。
奥の院参道の狛犬は、今のところ年代が分かっているものとしては「東日本最古」ということになっている。

栃木県内の主な古い狛犬リスト

(updated 2021/11/21 をクリックすると解説ページへ)
  1. ・寛永13年(1636)? 日光市 東照宮 鼓楼前石柵の玉垣狛犬(恐悦跳び越えの獅子)
  2. ・寛永18年~19年(1641~1642)? 日光市 東照宮奥の宮の「奉納させてやる」狛犬。実質これが1位か
  3. ・明暦4年6月(1658) 日光市 青龍神社の苔むし脚がポッキリ狛犬。実質、これが第2位か
  4. ・寛文2年11月(1662)那須塩原市 新湯温泉神社の元湯から引っ越して来たはじめ狛犬
  5. ・天和3年(1683) 日光市 東照宮 鋳抜門前のブロンズ狛犬
  6. (・元禄14年(1701) 茨城県古河市宮前町 雀神社の見事な狛犬)
  7. ・元禄16年(1703) 佐野市犬伏上町 鷲宮神社のちんちんスタイル狛犬
  8. ・享保6年?(1721) 足尾町 某稲荷の芸術的な狐
  9. ・享保11年(1726) 佐野市多田町 賀茂別雷神社のクシャおじさん顔の宝珠狛犬
  10. ・享保20年(1735) 佐野市越名町 藤田神社の蹲踞型狛犬
  11. ・寛保元年(1741)年 佐野市中町 小藤神社のマッチョな狛犬
  12. ・寛保3年(1743) 足尾町 通洞鉱山神社のすごいはじめ狛犬
  13. ・延享年間(1744~48)年 日光市 小佐越滝尾神社の牙が見事なはじめ狛犬(21/11/17 記録)
  14. ・明和6年(1769) 壬生町 雄琴神社 カマキリ顔の宝珠狛犬
  15. ・明和7年(1770) 日光市 大室高龗神社 狛犬は歯が命狛犬
  16. ・安永3年(1774) 佐野市高山町 熊野神社の宝珠狛犬
  17. ・安永5年(1776) 藤岡町 磐裂神社の顔が壊れた狛犬
  18. ・天明元年(1781) 壬生町稲荷神社 宝珠と角をつけた構え獅子と玉乗り風の異色狛犬
  19. ・天明5年(1785) 小山市本郷町3丁目 愛宕神社(02/06/02 記録)
  20. ・天明5年(1785) 佐野市葛生西 八坂神社の狛犬 裏の摂社前にはもっと古そうなはじめ狛犬
  21. ・天明6年(1786) 宇都宮市宝木本町 寶国神社の狛犬
  22. ・天明7年(1787) 日光市 十二神社の赤いはじめ狛犬
  23. ・寛政3年(1791) 藤岡町 六所神社の見事な宝珠狛犬
  24. ・寛政3年(1791) 佐野市戸室町 鞍掛神社の宝珠狛犬
  25. ・寛政3年(1791) 佐野市船越町 熊野神社の宝珠狛犬
  26. ・寛政6年(1794) 栃木市藤岡町 神倉神社 台座は確かに寛政6(1794)年なのだが上物は微妙に新しい?
  27. ・寛政7年(1795) 栃木市藤岡町 新羽天満宮の立ち尾タイプの狛犬
  28. ・寛政7年(1795) 日光市小百 高雄神社の玉抱え狛犬
  29. ・寛政7年(1795) 佐野市馬門町 浅田神社の前脚を入れ替えた宝珠狛犬
  30. ・寛政7年(1795) 下都賀郡野木町 友沼八幡神社のトルソー化した狛犬 石工は下生井の喜右衛門
  31. ・寛政9年(1797) 栃木市藤岡町 八龍神社
  32. ・寛政10年(1798) 栃木市藤岡町 天満宮の入口の狛犬(その後ろの狛犬も古そうだが、台座が替わってしまっている)
  33. ・寛政11年(1799) 鹿沼市 古峰神社 デブだけど名品(江戸の石工が彫っている)
  34. ・享和2年(1802) 宇都宮市 日吉神社内陣の白い狛犬
  35. ・享和3年(1803) 日光市 行者堂のはじめ狛犬
  36. ・文化2年(1805) 宇都宮市 多藤神社 はじめ集団の中のアニメキャラっぽい狛犬
  37. ・文化3年(1806) 日光市猪倉 高龗神社の内陣狛犬
  38. ・文化4年(1807) 鹿沼市引田 石村神社 (02/10/25 記録)
  39. ・文化10年(1813) 小山市 間々田八幡宮の上手いほうの狛犬
  40. ・文化13年(1816) 日光市 岩谷稲荷神社の狐 ここは古い狐が多数いる
  41. ・文化14年(1817) 宇都宮市立伏町 高龗神社の狛犬 和犬が多いが狛犬も
  42. ・文化15年(1818) 栃木市旭町 神明宮 顔がつぶれかけた狛犬
  43. ・文政6年2月(1823) 日光市小百 高雄二渡神社 幻の狛犬
  44. ・文政9年(1826) 小山市南小林 東箭神社(02/06/02 記録)
  45. ・文政9年(1826) 藤岡町赤麻(あかま) 赤麻八幡神社囲いの中の狛犬
  46. ・文政10年(1827) 日光市 大杉神社虚空蔵尊 彫りがちょっと浅いけど大きな宝珠型狛犬
  47. ・文政11年(1828) 小山市 安房神社の狛犬
  48. ・文政12年3月(1829) 佐野市天神町 朝日森天満宮(02/06/02 記録)
  49. ・文政13年(1830) 日光市小代 稲荷神社 加藤さんが奉納したにやけ顔の狐
  50. ・天保2年(1831) 佐野市金屋下町 稲荷神社の狛犬
  51. ・天保3年(1832) 足利市八幡宮 猫背の狛犬
  52. ・天保4年(1833) 藤岡町 大前神社の変な顔の狛犬(押切と同じタイプ、同じ石工)
  53. ・天保5年(1834) 鹿沼市奈佐原 奈佐原神社 宝珠型狛犬
  54. ・天保5年(1834) 小山市押切 星宮神社の変な顔の狛犬
  55. ・天保6年(1835) 小山市下生井 愛宕神社の変な顔の狛犬(押切のと同じ造形)石工 阿萑翁鐫
  56. ・天保6年(1835) 鹿沼市奈佐原 奈佐原神社のお隣の神社? 宝珠型狛犬
  57. ・天保6年(1835) 鹿沼市 楡木神社の顔が摩耗した狛犬 手前に個性的なのもいる
  58. ・天保7年(1836) 日光市下今市 滝尾神社 「狛犬かがみ」に載せた宝珠型狛犬
  59. ・天保7年(1836) 鹿沼市 口粟野神社の宝珠狛犬
  60. ・天保8年(1837) 日光市 春日神社の狛犬 内陣にもいる
  61. ・天保9年(1838) 鹿沼市 熊野神社 先代のはじめちゃんのほうが古いのに狛犬
  62. ・天保10年(1839) 宇都宮市古賀志 日吉神社 脚が風化している狛犬
  63. ・天保10年(1839) 下都賀郡壬生町 雄琴神社 明和6年の隣りで頑張る江戸獅子
  64. ・天保10年(1839) 佐野市犬伏上町 鷲宮神社の頭デカ気味狛犬
  65. ・天保10年(1839) 壬生町 雄琴神社の江戸獅子タイプ
  66. ・天保11年(1840) 日光市小来川 黒川神社 小さいほうの狛犬
  67. ・天保13年(1842) 栃木市 太平山神社 おどろおどろしい顔の狛犬(『狛犬かがみ』にも収録)
  68. ・天保14年(1843) 鹿沼市 杉本稲荷神社 犬のような狛犬
  69. ・天保14年(1843) 鹿沼市板荷 造成地の横の小山にある名もない神社 初期の江戸タイプ?
  70. ・天保15年?(1844) 小来川 黒川神社の大きいほうの宝珠狛犬
  71. ・弘化2年(1845) 佐野市飯田町 神明宮の狛犬
  72. ・弘化4年8月(1847) 下都賀郡大平町榎本 八坂神社(2002/06/02 記録)
  73. ・嘉永元年(1848) 宇都宮市 多気山不動尊 埋もれていた狛犬(12/02/16 記録)
  74. ・嘉永3年8月15日(1850) 佐野市堀米町 八幡宮(参道入り口)(02/06/02 記録)
  75. ・嘉永3年11月(1850) 日光市薄井沢 高龗神社 やんちゃな顔の狛犬(12/02/28 記録)
  76. ・嘉永4年(1851) 那須町 健武山湯泉神社の見事な狛犬 ここには寅吉?と思える飛翔獅子も1体あり
  77. ・嘉永5年(1852) 那須町伊王野 霞ヶ岡神社 尾が分かれている渋い狛犬
  78. ・嘉永6年(1853) 日光市 両大神社の宝珠狛犬
  79. ・安政2年(1855) 佐野市富士町 露垂根神社の狛犬
  80. ・安政3年(1856) 那須町 境の明神(玉津島神社) ここはうちの親戚筋が関守だった
  81. ・安政3年(1856) 小山市 間々田八幡宮の下手なほうの狛犬
  82. ・安政4年(1857) 鹿沼市 鴛原神社の顎が落ちてしまった狛犬
  83. ・安政6年(1859) 宇都宮市徳次郎 智賀津神社の見事なデザインの狛犬 石工は上田中の銀右エ門
  84. ・安政6年(1859) 鹿沼市 奈佐原神社 境内脇の狛犬
  85. ・安政7年(1860) 日光市根室 王子神社の狛犬(00/04/13 記録)
  86. ・慶応3年(1867) 日光市文挟 二荒山神社の狛犬

年号が分かったものだけでも100対くらいある。年号が摩耗して消えたり、最初から刻まれていなかったはじめ狛犬は他に多数ある。

ちなみに都内でいちばん古いとされているのは目黒不動尊の承応3(1654)年。2番目に古いとされているのが赤坂氷川神社の延宝3(1675)年。
青龍神社の明暦4(1658)年新湯温泉神社の寛文2(1662)年は、都内第2位の赤坂氷川神社より古い。

↑青龍神社の狛犬


↑新湯温泉神社の狛犬
北関東の狛犬文化はなかなか侮れない。

古い狛犬の情報があるよというかたは、ぜひご一報を。


都内第1位 目黒不動の狛犬 承応3(1654)年



日光市内第1位 日光東照宮奥の院の狛犬 寛永18年~19年(1641~1642)推定



都内第2位 赤坂氷川神社のはじめちゃん 延宝3(1675)年



日光市内第2位 青龍神社のはじめちゃん 明暦4(1658)年


↑第1位、第2位ともに日光市が東京都に勝利?
★ついでに、狛犬ネットの「北関東編」目次を更新した


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