
2017/09/19
またまた『ひよっこ』

『ひよっこ』、ほんとにラストが近づくにつれ、脚本が粗くなっているなあ。昨日のカフカ姐さん(さなえ)の独白シーンはひどかった。
地方から上京してきて、最初の日に銀座のデパートに行って、エレベーターの故障で背の高いミュージシャンと二人きりで5時間閉じ込められて、2人とも一瞬で恋に落ちて、結婚の約束までしただと~? いくらなんでもそりゃないだろ。安倍の臨時国会冒頭解散並みに無茶苦茶だろうが。
まず、あの当時の銀座のデパートといえば、エレベーターにはエレベーターガールっていうおねえさんが乗っていたんだよ。「次は5階、家具売り場でございま~す」とか案内しながらドアの開閉をしていた。そういうの、知らない世代ってわけでもないだろうに、脚本家は。
あと、あの頃の銀座のデパートのエレベーターは常に混んでいたから、2人だけなんてありえない。
一万歩譲って、そういうことがありえたとしても、そんなところで結婚まで意識する恋に落ちるなんて、さなえのキャラではないでしょうに。他の誰かがそんな話をしたら、ドライに「若いな。そんなものはただの勘違いだ。さっさと忘れろ」とか言い放つのがさなえのキャラ。
で、このままどんどんひどくなるのかと心配していたら、今日は持ち直したね。やっぱり茨城チームは強い。

最初のプロポーズのときと同じ台詞を聞かされて驚く美代子

表情の変化がすばらしかった

で、横座りしていたのをさりげなく正座に直して……

ここまでの表情や仕草の変化、流れ、えがった
伊集院光はいい男だ

助手さん曰く。「安倍さんのおかげでくだらないテレビは見なくなって、代わりにBSやEテレばかり見るから、人間とは何かとか考えるようになったわ」
というわけで、Eテレの「100分で名著」シリーズはいっぱいハードディスクの中に溜まっている。
ハンナ・アーレント著『全体主義の起原』の初回を一緒に見た。進行役の伊集院光と島津有理子アナのコンビは素晴らしい。
今回の解説役の教授はちょっと不思議なキャラの人だったが、言っていることはまとも。
ヨーロッパにおける国民国家と全体主義の関係、ドイツではそれがホロコーストまでエスカレートしたことまでを説明し……

そうならないためにはどうするか……






……と、今の日本はあの頃のドイツと似ている、ということをはっきり認識した発言で進行する。それをしっかりフォローする島津有理子アナもぐっじょぶ


そして最後は、そうした風潮、時代の波に自分はしっかり立ち向かわないと……と「決意表明」までする


クイズ王だの東大王だのという番組に出てくる人たちは、ただの知識詰め込み量を誇るだけみたいなのが多いのだが、伊集院光はその手の番組に出てくるタレントや学生たちとはだいぶ違う。
知識としては、驚くような常識を知らなかったり、抜けているところもあって楽しいのだが、応用力、理解力、想像力がずば抜けてすぐれている。
そして何よりも、メディアの中で、その場の空気をうまく掴みながら、自分を曲げない、折れない、言うべきことを言っていく勇気と柔軟さ。
ちょっと見直してしまったわ。


↑もうすっかり「歴史上の一コマ」にされている感があるけれど……
更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
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