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のぼみ~日記2018


2018/09/22

第7回 日本麻フェスティバル in 鹿沼(3)

いちばん感心させられたのは、部屋いっぱいに展示された日本中の古い自然布衣装コレクション。安間信裕さんというかたがコツコツと集めたもの。これは驚いた。ご本人から解説もしていただき、感謝感激。

安間さんが今年上梓した本『自然布 ――美しい日本の布』のまえがきには、2015年暮れに友人から「これからは産業用大麻の時代だ」と言われたことが、麻や自然布に興味をもつきっかけとなったと書いてある。
え? そんな最近のことだったのか。たった3年足らずでこれだけのものを集めたの? すごい情熱と行動力だな。お金どうしたんだろう。訊きたかったのだが、そこまで踏み込んだ質問をする勇気と時間がなかった。
この本にはさらにこう書いてある。
私が感じたいのは、布の素材や形状、織りや染めなどといった技術面ではなく、その布をどの時代のどんな人が使い、どのようにその布と過ごしたかということです。
(略)
これら自然布の声に耳を傾けると、この布が織られた当時の人びとが大切にしていたものを取り戻してほしい! と訴えかけてきているような気がします。自然の恵みや万物に感謝する信仰心、ものを大切にする慈しみの心、他人を思いやる親切心や愛情、暮らしのすべてに生きていた創意工夫という知恵……。


安間さんが今年上梓した力作『自然布 ――美しい日本の布』


短い時間だったが、実際に話ができたときもこう言っていた。
「ぼくははっきり言って、糸の細さがどうとか高級品だとか、そういうことにはまったく興味がないんです。これらの布を作って、着ていた人たちの生活や心に興味があるんです」

少し前に会った畳表の職人さん?からは、技術面でのことや、現在の価格のことなどを熱っぽく聞かされていただけに、なるほど興味の向かう先がまったく違うんだなあと、強く印象に残ったのだった。


一見、カラフルなファッションコーナーかと思うが……





刀で斬りつけられても大怪我しないように木の実の殻?を縫い付けた帷子

忍者がつけていたかもしれない鎖帷子





紙でできた服





これは重そう




寒さを防ぐためにこぎん刺しを縫い付けた服。貴重なので、この部分だけを切り取って代々使い回したとか




昔の蒲団。こんな小さなものでも貴重だったので、家族がこれ一枚にくるまって裸で寝たという。だから、家族内の喧嘩は夜まで引き連れなかったと。蒲団に入れないと凍死するから……


麻ひき


最後に野州麻から糸を作る工程を見学

↑干瓢じゃないよ  ↓そぎ取った?カス




いやあ、想像していた以上に面白かったし、勉強になった。これだけのイベントが無料。しかも会場の木造校舎が雰囲気抜群。今年で7回目らしいが、いつまで続けられるのか分からない。お金もかかるし、情熱も必要だし、職人さんたちの高齢化もあるし。
安間さんのように若い人が頑張っているのはとても頼もしいし嬉しい。
来てよかった。


↑エントロピー環境論を子どもから大人まで伝えたいという気持ちで書いた、これは私の「遺言」です。



校歌もできたよ!…… 森水学園第三分校

森水学園第三分校

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