ふとしたことから、子どものころに見ていたテレビドラマ「名犬ロンドン」の話題がFacebookで出た。
「名犬ロンドン」といえば、なんといってもラストに流れていた日本語歌詞のテーマソング。
あの~街この街~ しあ~わせはいずこ~♪
フォスターの歌曲とかにも通じるような素晴らしいメロディだった。
あの曲、今ならYouTubeにUPされていないかな、と探したら……やっぱりあった。
歌っているのは田辺靖雄さんらしい。日本語訳詞は誰だったんだろう。
で、この「名犬ロンドン」だが、元々は
「The Littlest Hobo」(小さな放浪者)というタイトルのテレビドラマだったようだ。

Wikiによれば、Charles R. Rondeau監督による同名のアメリカ映画がベースになっていて、カナダのテレビ局がドラマ化。
第1シリーズが1963年~1965年。2シーズンに渡って61話放送された。
1979年~1985年まで、ケーブルテレビ網やイギリスの独立系テレビ局でリバイバル。
この名曲はしかし、Wikiに出ているテーマソング「Maybe Tomorrow」(Terry Bush 歌)とはまったく違っている。

このカントリー調のテーマソングは80年代のリバイバルバージョンのものらしい。
日本で流れていたテーマソングは60年代の最初のシーズンのもの。
これこれ~!
↑これは最初のシースン(モノクロ版)に後から着色してカラー化したものらしい。
なぜか、キーを落とした別バージョンもある↓
低いキーのバージョン? 高いキーのほうが聴きやすいね。
この名曲を作詞・作曲したのは、
Ronald Stein というアメリカの映画やドラマ劇伴の作曲家。いっぱい作っている。
日本で言えば、林光みたいな人だったのかもしれない。歌心をちゃんと持った職人さんだ。
こういう人生を送りたかったと、ずっと思っていたが、今はもう、思わないようにしている。
この曲を探していて感じたことはもう一つある。
80年代のリバイバルバージョンでのテーマ(カントリー&ウェスタン調)もかなり人気らしくて、Littlest Hobo で検索すると、そっちのほうがいっぱい出てくる(イントロに『刑事コロンボ』の有名なテーマ音楽の特徴的な音を入れているのが笑える)。
中にはそれをヒップホップバージョンにしてYouTubeにUPしている人までいる。
偉大な名曲が初代シリーズにあったのに、なぜアッパラパーなカントリー調の新テーマを作ったのか?
しかも、それをデジタルツールでリミックスして楽しんでいる人たちもいる。
↑
このへんが、あたしの「音楽的孤独」にとって最大の原因であり、壁なんだろう。
要するに
「音感の違い」「感覚の違い」で、価値が逆転するということ。
どんなジャンルの芸術にもそういうことはあるだろうけれど、音楽はあまりにも顕著だ。