はなのいろはうつりにけりないたづらに わがみよにふるながめせしまに(小野小町)
先日作った『いにしへの恋歌』の最後のほうにも使った歌。
いろいろな解説を読むと「古典で花といえば桜の花のことだと我々は教わってきたが、それは違う!」と主張している国語教師がいたり、この歌にどれだけの掛詞が組み込まれているかを探れたりして面白い。
「うつり」は「映り」と「移り」を掛けていて、時が流れて世の中が移り変わる、というのと、自分の容姿も変わって、その老醜を色褪せた花に映しているというのは通説。
「わがみよにふる」は、「我が身世に降る」と解されて、「ふる」は雨が「降る」と「経る(時が過ぎる)」の掛詞。「ながめ」は「長雨」と「眺め(物思い)」の掛詞。
「世」は「世代」という意味と「男女の仲」というダブルミーニングだと説明されることが多い。
これを、いっそ「御世」と読めば、この時代、自分が生きた時代、社会ということにもなるのかな。
そう考えれば、自分が今生きている時代、人間社会にはずっと鬱陶しい雨が降っている。生きてきた人生も晴れ間は少なかった。
……という風にも鑑賞できるかもしれない。
ああ、まさに現代の歌ではないか。
しかし、長雨にうたれ、色褪せた花から少し目を離すと、足元にはじわじわと根を張ろうと伸びてくるものも……↓

↑これって、れいわ新撰組みたいなものなのかな?
そう思ったら、このまま伸ばしておこうという気になった。
「ヘ池」の中では何匹かが脚が生えて緑色に変色し始めている。あと2日くらいすると変態~上陸ラッシュになるだろうか。夜中に上陸して、明るくなる頃にはすっかりどこかへ消えていることが多い。外敵から身を守るための夜間上陸作戦なんだろう。
今年はかなりの数のオタマを放したが、オオカミ池がハッカ類?の根から出る物質にやられたのかことごとく消えてしまい、田圃にこっそり放した組も、その後、田圃の水が抜けてしまって全滅っぽい。
今年に作った丸池は何度かヘビが出現したが、順調。ミニ池も順調。方舟もほぼ全員元気みたいだ。今週後半から一気に暑くなるようなので、そのへんで変態ラッシュとなってみんな池を出て行くだろう。
問題はその後だなあ。どれくらい生き延びるのか。
数年後に戻ってきて、池の上の枝に産卵するやつがいるかどうか。
生きているうちにその光景を見たいものだなあ。
あらざらむ このよのほかの おもひでに いまひとたびの あふこともがな(和泉式部)
俺が生きているうちに、戻ってきて元気な姿を見せてくれ。 ……今ひとたびの会うこともがな……