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のぼみ~日記2019

2019/07/25

丸池のオタマが全滅……なぜだ?



夜中に大雨が降った翌日、丸池を除くと、おびただしいオタマの死骸が浮いていた。みんな後ろ脚が出ていて、変態途中のオタマ。
……ショックだ……
今まで丸池のオタマがいちばん順調に育っているように見えていたのに、なぜなのか。
原因をいろいろ考えてみた。
  1. 溺れた
  2. なんらかの病気が発生した
  3. 外部から毒物が流入した or 内部にもともとあった毒物が溶け出した
  4. 遺伝子レベルで何らかの異常を持っていたのがこの時期に発現した
  5. 餌(金魚の餌やお麩など)に問題があった
……1)は多分違う。というのも、死んだオタマはすべて後ろ脚が生えて、前脚がこれから生える段階のオタマ。身体が徐々に変形して行く途中だったから、まだ上陸には早すぎる。上陸のための橋も作ってあったし……。
2)はありえる。ただ、この場合は解明できない。
3)は最終的にはいちばん疑った。大雨で周辺にあった何かが流れ出して入ったという可能性はある。しかし、周辺に毒物になりそうなものはないはず。捨てた糠くらいか。糠は毒ではないはずだし、水も濁っていない。でも、捨てた糠が連日のじめじめ天候で腐って、なんらかのバクテリアとか毒素みたいなものを発生させていたことはあるかもしれない。
4)はありえるが、可能性は2)より低いかなあ。変態しきれないなんらかの要因がDNAレベルに潜んでいたのなら、他の池でも同じことが起きそうだが、今のところ他の池では大量死はない。
5)も同じ理由でなさそう。与えていたのは市販の金魚の餌やお麩などで、他の池でもみんな同じものを食べていたが、死んでいない。

他の池では死んでいないのだから、
のいずれかではないか。
しかし、丸池のメダカは元気なので、オタマにだけ影響する病気 or 水質変化だということになる。
酸素不足ではない。酸素不足だと、オタマたちが一斉に水面に上がってきてパクパクし始めるが、そうはなってないし、エアレーションも施していた。
しかし、とにかく「水」が怪しいので、思いきって丸池の水を全部掻きだして、水道水を入れ直した。
底に敷いた土塊もできるだけ外に掻きだした。
そばのシャラノキの根元に撒いた糠も表面の土ごと取り除いた。
この作業で、池の底のほうにまだ生き残っていたオタマ十数匹を救い出したが、病気の場合は他の池に伝染してしまう危険性があるので、しばらくバットに入れておき、池の水がほぼ入れ替わって落ち着いた(塩素が飛んだ)頃に戻した。

それでも、翌朝は生き残っていたオタマもみんな死んでしまっていた。
すでにかなり弱っていたのだろう。やはり病気なのか?

このあたりで、そばに撒いてあった糠が原因ではないかという疑いを強めた。
糠は、ぬか漬けに使われるくらいで、放置すると乳酸菌、酵母、各種細菌類が活発に活動を始めるという。
このところじめじめと連日雨が降っていたので、土の上に撒いた糠が発酵し、乳酸が増えてPH値が下がり、酸性物質になっていた可能性がある。
そこに大雨が降って、どっと丸池に酸性物質と各種細菌類(特に乳酸菌の類?)が流れ込み、丸池の水質を一変させたのではないか?
メダカはその変化にあまり影響を受けなかったが、変態途中で体内でデリケートな変化が起きているオタマたちにとっては、その水質変化が致命的だったのではないか?


死んでしまった変態中のオタマ。



なんとか生き残っているのを池から出して、雨水の入ったバットに入れたが、この子たちも次々に死んでしまった。



この子は尾が変形してしまっている。DNAレベルでの奇形かもしれないが、そういうのはある程度の確率で出るので仕方がない。


オタマ大量死ショックのまま、お散歩。U字溝には大雨で流れ込んだらしいトウキョウダルマガエルのちっちゃいの(おそらく今年生まれ)がいっぱいピョコピョコしている。


2019/07/26

池の水のPH値を測る

池の水のPH値が問題ではないかと思って、すぐにAmazonに発注したデジタルPH値測定器が届いた。各池のPH値を測ってみる。キャリブレーション(機器の調整)が難しく、サンプル薬剤で規定のPH値の水を作って測ると、ピッタリ合わないので、数値は正確ではない。ただ、池同士での相対比較はできる。

問題の丸池。すでに水を入れ替えたばかりなので、ほぼ中性を示す。



エアレーションもしておらず、水もほとんど放置したまま(たまに塩素を飛ばした水道水を足しているだけ)のミニ池。丸池よりはアルカリ性寄りだが、これもほぼ中性。



オオカミ池。雨が降ると雨樋から雨水が流入する。この池も初期段階でオタマが消えた。原因が疑われるハッカ類の草を全部引き抜いたが、水のPH値はそこそこ酸性寄り。



今のところオタマはみんな元気にしている「ヘ池」。ここも雨が降ると雨樋から雨水が流入するシステム。遮水膜が側面で切れているようで、すぐに水が抜けるので、頻繁に水を足している。



方舟。ここはいちばん水の入れ替えがない。たまり水状態。陽当たりも悪い。



チビ池とプチ池は隣同士でほぼ同じ条件。ミニ池同様、プランターを埋めただけの小さな池だが、メダカもオタマも生きている。



日光市の水道水はこのPH値を示した。
雨水が流入するオオカミ池がいちばん酸性寄りで、たまり水状態の方舟がいちばんアルカリ性寄りではあった。酸性雨ってことなのかなあ。
それとも、土壌バクテリアとかの影響で、水質が酸性になるのだろうか?

いずれにせよ、PH値だけでどうのこうのというほどの差はないように思う。
オオカミ池でまったくといっていいほどオタマが育たず消滅してしまった件といい、産卵場所がないはずなのに今年はアカガエルのミニがいっぱい出現したことといい、カエルの世界は謎だらけだ。

なぜオタマは消えるのか、突然大量死するのか?
調べていくと、原因は分からなかったが、こんな文章が心に残った。
環境のカナリア
両生類は環境の変化に弱い生物と言われています。それは、①陸と水辺の両方の生息環境を必要とすること、②湿度や気温に敏感な皮膚を持つこと、③皮膚が薄く、有害物質が侵入しやすいこと、③殻のない卵は干上がりや凍結、水質汚染の影響を受けやすいこと、などの理由からです。
陸と水との間を行き来する生活を続けてきた両生類は、陸と水の両方の環境変化に影響されるのです。
こうした特徴から、両生類は地球温暖化の最初の犠牲者になるのではないかと言われ、炭坑のカナリヤに準えて「環境のカナリヤ」と呼ばれることもあります。
両生類保全研究資料室 「世界の両生類の現状」 より)

化学物質汚染:両生類は、薄い皮膚を通して酸素や水を取り入れているので、有害な化学物資が環境に撒かれると、たとえそれが口に入らないとしても、皮膚から簡単に取り込んでしまいます。また、水田などの農地で暮らす両生類も多いため、農薬の被害も問題となります。
(同上のサイトより)


まあ、自然界は謎だらけだが、特に両生類に関しては、本当に謎が多い。
オオカミ池に放した途端見えなくなってしまうオタマなどは、死体も見えず、「消えた」としか言いようがない感じだし。
舗装道路のど真ん中に大量のオタマの死骸が……空から降ってきたとしか考えられない、みたいなニュースが「怪奇現象」として話題になったこともあったし……。

さて、丸池以外の池にいるオタマたちは、ちゃんとカエルになれるのだろうか?


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↑複数の私立学校で入試の国語長文読解に採用されました。これは私の「遺言」です。

カエルやらカタカムナやら…… 森水学園第三分校

森水学園第三分校


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