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のぼみ~日記2019

2019/09/16 

発電機はちょっと無理だけど……


千葉県内の大規模停電は1週間経っても完全復旧は見通しが立たない状況で、長期化している。
そんな中、
台風15号の影響による停電が続く千葉県で、県が災害用に備蓄する非常用発電機の半数以上が活用されていないことが20日、県の資料などでわかった。県内では同日午後8時時点で約1万2千戸が停電しており、停電による断水も続く。(朝日新聞デジタル2019年09月21日)
というニュースが流れてきた。

3.11のときは、非常用発電機を水没に備えて高い場所に移動しておくとか、非常用バッテリーを大量に用意しておくといった、誰でも考えつき、実行できる備えさえしていなかったことに唖然とさせられたが、用意してあってもそれを運用するのは人間だから、こういう事態も起こるんだろうね。
こうなると、個人でできる備えをしっかりしておくしかないが、金の問題もあるしねえ。

電気が止まるとオール電化の高層マンションなどは地獄と化すだろう。
田舎のほうが災害には強い。川内村にいたときは、停電しても最低限度の暖房は確保できるよう、電気を使わない石油ストーブを買ってしまっておいた。それは今でも持って来ている(一度も使っていないので、段ボールに入ったままの新品状態)。
水は井戸水で、停電でポンプが止まるとアウトだったが、沢水が汲めるのでなんとかなる。
日光に来てからは、水は市営水道に変わった。貯水池はここより高い場所にあるだろうから、停電しても多分水は止まらないような気がする(そうであってほしい)。それでも止まったときのために、ペットボトルの飲料水数日分は買ってある。浴槽の水は抜かないようにして、いざというときにトイレ用などに使えるようにしている。
火はプロパンガスコンロだから大丈夫だが、湯沸かし器は使えない。ボイラーを動かせるくらいの発電機があればなあ……とは思うが、非常時のために数万円の発電機を買っておくというのは、なかなか踏ん切りがつかない。燃料(ガソリン)の保管も面倒で気を使うし。
 
4万円前後で買えるお手頃発電機。燃料はガソリン。

発電機といえば、クルマには最初から発電機(オルタネータ)が積まれている。大型のバッテリーを積んでいるハイブリッドカーなどには最初からACコンセントを装備しているものもあるので、小電力の器具なら車を発電機として使うことはできる。
ハイブリッドカーでなくても、バッテリー直結やシガープラグコンセントにつないで、DC12VをAC100Vに変換するコンバータというものは数千円で入手できる。これを持っていれば、クルマのある家なら、最低限度の停電対策にはなる。

だいぶ前から1つ持っていて、常にクルマに積んであるのだが、ここ何年も使ったことはなかった。以前は旅行中、ノートパソコン用の電源として使ったりしていたのだが。
しかし、あれでボイラーが動くのだろうか?
確かめるために、ボイラーを見てみたら……

定格出力155W……
定格出力155Wとある。結構電気食うんだな、湯沸かしボイラーって。
今持っているカーコンセント用のコンバータは60Wと書いてあるので、これでは動かない可能性が高い。下手したらクルマのどこかがショートするかもしれない。
というわけで、300Wのコンバータでいちばん安いやつを追加で購入した。
   
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発電機は燃料を別に保管しておかないと使えないが、これならクルマが燃料タンク+発電機になるわけだから、保管の煩わしさなども一切ない。クルマに積みっぱなしにしておけば、何かあったときに役立つかもしれない。
まあ、これは一生使わないで済むならそれにこしたことはない。お守りみたいなものかな。

本当の「国防」とは

燃料といえば、10月から消費税が上がるので、早めに灯油の買いだめをした。リッター80円(税別)だった。
80円×1.08は86.4円なので、0.4円は切り捨てられ86円になる。100㍑なら8600円。
これが消費税10%になるとしっかり88円になって、100㍑なら8800円になる。差額200円……大したことないと考えるかどうか。
それよりも、サウジの油田がドローンで攻撃されて炎上しているというニュースが怖い。日本ではなぜかこのニュースをなかなか報じず、数日経ってから「原油価格が上がるおそれ」なんていう伝え方をしている。なんという能天気。

原油価格が上がるのはもちろん困るが、それよりも、 ……という予測を、どのメディアも論じようとしない。日本国民もこの怖さに気づいていない。
アメリカが中東で戦争を起こす⇒集団的自衛権容認で、自衛隊が中東に派遣される⇒アメリカは日本に高額の武器は売れるし、自国の兵士の負担は減るしで大喜び⇒今まで日本に好意的だった中東諸国は一気に日本はアメリカの傀儡だという認識に変わる⇒日本国内でもテロが起きる……。
これは小説でもなんでもない。少し考えれば誰もが分かるリアルなシナリオだろう。
イラクが大量破壊兵器を持っていると難癖つけてアメリカが起こしたイラク戦争から何も学んでいないどころか、あのときとは日本の立場がすでに違ってしまっていることを国民が認識していない。これは本当に怖い。

自衛隊は何を守る組織なのか?

それにしても、これだけ大規模自然災害が続くと、自衛隊のありかたを根本的に問い直す必要がある。
防衛予算で戦闘機やミサイルなど高額兵器を導入する際、費用を複数年度に分けて支払う「後年度負担」の残高が二〇一八年度予算で初めて五兆円を突破し、一九年度は五兆三千億円に達する見込み(東京新聞2018年10月29日 朝刊)

1年前の記事だが、今はもっとひどい状況だ。
武器を揃えるにしても、合理性というものがある。
F35はハイテクすぎて実戦向きではない(小回りの効く旧型戦闘機との模擬空中戦の成績が惨憺たるもの)と、元自衛官や元米軍パイロットが指摘しているし、そもそもドローンなどを使ったテロ攻撃には無力だ。
金を唸るほど持っているサウジアラビアが高度なセキュリティシステムを施した油田を、それよりずっと安いであろうドローンがいとも簡単に攻撃できてしまった。
同じことを日本で原発に対してやられたらどういうことになるのか?
それをF35やイージスアショアや戦車で守れるんですか? といいたいのだよね。
国防というなら、外交力とか国内企業の競争力を上げるとか、農業や漁業の基盤を確保しておくとか、そういう方向に意識を向けないとどうしようもないが、今の日本はまったく逆のことをしている。
しなくていい子どもっぽい喧嘩を隣国とし続け、税金を投入して水源地の環境を破壊し、沿岸の海洋汚染の原因を作り続けている。使えない武器に大金を投じている。
大切な金をバラ投げして国力を下げている現状こそが、「国防力」を低下させているのではないか。
戦闘機同士の模擬空中戦でどっちが勝ったかなんてことで騒いでいる場合ではないのだ。

今から100年後までに、日本という国が韓国、北朝鮮、中国などから武力攻撃される可能性と、巨大地震、津波、台風、豪雨などの自然災害に見舞われる可能性のどちらが大きいか? 当然、比較にならない。自然災害は毎年起こっている。首都直下型地震や東南海地震は「必ず」起きる。
だったら「国防」とか「自衛」の内容をもっと真剣に考え直してほしいのだよね。
F35やイージスアショアを買う金で、どれだけの災害対策ができるのか。海に囲まれたこの国の自衛隊に戦車は必要なのか? それより救助用のヘリコプター、電源車、復旧作業用重機とそのオペレーターとかでしょ、といいたい。
で、武器を使う軍隊と災害救助をする組織が同じということにシビリアンコントロールの点で無理があるわけだから、同じ隊員が「自衛隊」と「国営救助隊」という違う名前の別々の組織に所属することにでもして、「国営救助隊」の装備に金をかける。「国営救助隊」の出動には柔軟性、即時性を持たせる、というようなことをすればいい。そういう「都合のいい使い分け」って、日本のお家芸でしょ。

さらにいうなら、津波対策で巨大防波堤を作るなんて馬鹿げたことをするより、津波が襲ってきたときにすぐに避難できるような非常用脱出ボートを海岸沿いの家に設置するとかのほうが、費用対効果がはるかに優れている。合理性ではなく、一部の企業が儲かるような施策という観点で税金を使っていることが大問題だ。

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