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のぼみ~日記2019

2019/11/21

家の周りも黄葉がピークに


家の前のコナラがまっ黄色になった。もうすぐ12月。今年は全国的に紅葉が遅いらしい。これからしばらくは落ち葉がすごいことになる。

我が家の屋根よりはるかに高いところまで伸びているコナラの巨木2株。あたしが生きている間は倒れないでくれ。

この量の葉っぱが全部落ちるんだから、そりゃもう大変よ。

紅葉を踏みしめてお散歩。

ゴルフ場のコナラもねえ……奔放に育ってて、電線がすっかり覆われ、大型トラックなどは完全に屋根をこする状態。

冬になると見える男体山。

電線電柱も邪魔なのだが、荒れ放題の針葉樹林が邪魔。これのおかげでかわず庵は冬は日が届かず、完全に凍りつく。地主の意地悪ばあさんが最大のネック。


2019/11/22

京都博物館と狛犬文化


京都博物館で久々に狛犬展がある。
「特集展示 神像と獅子・狛犬」 2020(令和2)年1月2日(木) ~ 3月22日(日)

京都博物館が狛犬の特別展示を初めてやったのは1990年だと思う。次に1995年にもあって、その後も数年おきにやっているはず。
上の2冊は、左が平成2(1990)年のときの、右が平成7(1995)年のときのもの。
平成2(1990)年のカタログの「はじめに」にはこうある。
狛犬は仏像などと違って遺品はごく少ない。特に平安時代前期のものがいまのところまったく知られていないのは致命的であるが、藤原時代から鎌倉時代の優品が数点のこっており、和様化とその後の展開についてはあるていど知ることができる。そのような変遷を辿ろうとしたのが特別陳列「狛犬」である。
平成7(1995)年のカタログの冒頭にはこうある。
平成2年に特別陳列カタログ「狛犬」を刊行したが、その後重要な新資料の紹介が相次ぎ、それにともないこの分野の研究内容も大きく変わり、前進した。本書の刊行を改めて企画したのは、そのような状況を踏まえてのことである。
これ、90年のは確かお袋にもらった。そのお袋は亡くなって10年。今年は親父も亡くなり、年が明ければあたしも65歳で高齢者ゾーンに入る。
なんかしみじみ……。

今回展示される狛犬は、京都博物館の告知によれば、

……らしい。
このすべてがすでに90年、95年のカタログに収録されており、今回は展示数も以前の特別展に比べると少ないようだ。
90年には12対+1躯(春日大社蔵の銅製・国宝)で25体。95年には15対と馬1躯、鹿1対(32体)が収録されているので、今回が5対+2躯の12体だとすると、初期の展示に比べるとかなり数が少なくなってしまっている。
それを補うためか、今回は神像6躯との組み合わせだ。

京都博物館が長年紹介してきている狛犬は平安~鎌倉・室町期の重文クラスのもの(木彫)ばかりで、カタログの解説を読んでも、我々が日頃親しんでいる石造りの参道狛犬にはまったくと言っていいほど触れていない。
宮中文化から生まれた獅子・狛犬を知るには極めて貴重な資料であり、それを生で見られるのもありがたいのだが、それだけで庶民文化としての狛犬を知ることはできない。
江戸時代に庶民の中でなぜ狛犬奉納ブームが起きたのかは分からないし、宮中の獅子・狛犬が、庶民が奉納する狛犬と、いつ、どこで、どのような形で接点を持ったのか(庶民はどうやって「狛犬」の存在を知り、なぜそれを自分たちでも奉納しようと思ったのか)は謎のままだ。
私が心惹かれる狛犬文化、狛犬美術の世界は、宮中や有名社寺よりも村の鎮守様や無名の石工たちにあると思っている。
乱暴な喩えだが、宮中文化で定着した獅子・狛犬がクラシック音楽の変奏曲なら、庶民が奉納した狛犬はフォークソングみたいなものだろうか。
そこからジャズやボサノバみたいな江戸獅子や明治後期~大正、昭和初期のアート志向の石造り狛犬が生まれて……といったイメージ。

しかし、そういう狛犬は博物館に運んで展示することはできない。
だから、壊れないうちにせっせと写真で残すとか、狛犬文化の楽しさ、深さを伝える努力が必要なのだと思う。
博物館に展示されなくていいから、代わりに海洋堂や奇譚クラブあたりがミニ狛犬シリーズを作るとか、そういう路線でもいいのかもしれない。
いや、そこまで頑張らないほうがいいのかな。……難しいところだね。

あれ? 今日は尻尾がない?


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